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私と葺合高校 ~OB・OGは今~
第12回 玉井 和佐 さん (Zypsy 共同創業者兼CEO

平成21年3月国際科卒業
       関西学院大学、
       マサチューセッツ大学アムハースト校留学を経て現職



現在僕はアメリカのサンフランシスコを拠点に、Zypsyというデザイン会社を経営しています。「世界中で愛されるプロダクトをデザインするためのチームをつくる」という目標のもと2年前に創業しました。成功事例の少ない米国での起業に否定的な見方も多かった中、一部の先輩起業家や投資家の方々が僕の挑戦を信じ、投資を通じて米国で事業を作るチャンスを与えてくれました。現在Zypsyは世界15ケ国から約30名のデザイナーやエンジニアが集うリモートチームに成長し、シリコンバレーのスタートアップと共に日々デジタルプロダクトのデザインを行っています。

葺合高校卒業から今に至るまでを振り返ってみると、「やってみることの大切さ」を学んだのが3年間の高校生活においてでした。葺合高校では、国際問題について調べ、考え、意見にして伝えるということが、日々あらゆる課題の中で行われていました。高校2年生の頃、担任の先生に「玉井君、スピーチコンテストにでてみない?」と勧められました。「自分の未熟な英語でスピーチをして人前で恥をかいたらどうしよう?」と不安や迷いを感じつつも、先生のアドバイスに背中を押され、参加を決意したのを今でも覚えています。参加を決めてからは、社会問題を考え、自分なりの意見を書き起こし、放課後外国人講師の元に通いながら、スピーチを練習する日々が続きました。その後、複数のスピーチやディベートコンテストに出場する中で、成功から失敗まで、たくさんの思い出と学びを得ることができました。しかし、僕がこれらの経験から得た最も大きな気付きは、「やってみることの大切さ」でした。

もし今葺合高校に在学している皆さんが、将来自分が「何になりたいのか」を悩むことがあれば、今自分ができることを「やってみる」ところからスタートしてみてください。何故なら「やってみること」の積み重ねはやがて「やれること=能力」となり、「やれること」が増えると「やりたいこと」が見えるようになります。これを繰り返しながら、「やりたいこと」を「人のためになること」に昇華できた時、それが自分なりの志になるのだと僕は思います。

アメリカで事業をしていると様々な難局で「何故起業家なのか?」が問われます。起業家は不確実性やストレス性の高い職業ですし、大変な仕事の上に、ほとんどの会社は失敗します。お金を稼ぐため、有名になるための方法なら、他にいくらでもある中で、自分なりにこの問いを突き詰めた時、その理由は前述の「人のためになること」を事業化することで、提供できる価値を最大化できるというものでした。

まだまだ自分はスタートラインに立ったばかりですが、ここに至るまでのきっかけをくださった葺合高校の先生方に感謝をお伝えするとともに、僕自身が挑戦し続けることで、在学中の皆さんの「やってみる」を応援できれば幸いです。

 
私と葺合高校 ~OB・OGは今~

 社会人となって各地で活躍する20代・30代の葺合高校OB・OGたち。彼ら・彼女らはどのような思いで今の仕事をしているのか、その声をこのページでは紹介します。

第1回 満尾仁美さん (家庭裁判所調査官)

第2回 足立真希さん (フォト エッセイスト)

第3回 東さやかさん (野村證券 香港勤務)