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校長室より

校長室より
2020/08/18

モチベーションを高める(二学期始業式)

| by:広報企画部

モチベーションを高める(二学期始業式)

 

 おはようございます。例年より早い二学期のスタートとなりました。暑さの厳しい中、新型コロナウイルスの感染者も日本全体で増えていますので、コロナや熱中症を決して甘く見ずに、健康には留意して、いいスタートを切ってほしいと思います。

 一学期の7月7日と9日に、インターナショナル・コンファレンスを葺合高校で開催しました。名前は変わりましたが、この高校生国際会議は5回目の開催です。去年までは、アメリカ、スウェーデン、フィリピン、台湾、オーストラリアの高校生が来校して、ディスカッションしていましたが、今年はコロナの影響でオンラインでの開催となりました。

テーマは「リスクマネジメント-新型コロナウイルスによる世界危機における国際協力のあり方-」です。5つのグループに分かれて、次の課題について英語で話し合いました。

1.情報感染とリスクコミュニケーション」「2.経済打撃と金融支援」「3.遠隔教育における教育格差」「4.感染拡大によるメンタルヘルス問題」「5.家庭内暴力と虐待問題」です。

いずれも、今まさに皆さんの日々の生活に関わる具体的な内容です。間違った情報が流されたり、情報の扱いが適正でないために買い占めや偏見につながったりする事件が起きています。今朝の新聞の一面での報道によると、4月~6月のGDP国内総生産は-27.8%で戦後最悪のマイナス経済成長です。政府の支援もなかなか効果を発揮できていません。しかも、9月以降の景気の後退はさらに厳しくなり、倒産する企業も増えると、多くの識者が予想しています。学校は3か月間の休校でしたが、教育にも影響が出ました。私立学校や塾では、オンラインの授業などを進めていますが、公立学校ではICT環境が整っていないなど、教育の格差も問題です。休校やテレワークで大人も子供も家にいるために、気持ちが落ち込んだり、家庭内暴力や虐待が深刻になったりする報告もあります。

これらの問題は日本だけの問題ではなく、世界中が抱えており、今年のインターナショナル・コンファレンスでは、コロナの影響で、より身近な問題として、高校生自身が捉え、議論し、課題解決に向けての提言を考えました。国によって考え方や対応方法が違うので、参考になったし、日本の取組について、異なる視点で考えることができたようです。参加した生徒は初めてのオンラインでの国際会議だったので、ICT機器の使い方や議論の進め方、時差の問題など、難しい面は多くありましたが、中身の濃い高校生国際会議でした。

話し合われた課題を見ると、世界はどこに向かうのかと心配になりますが、時代の大きな変革期にはチャンスも多くあります。今年は戦争が終わって75年、4分の3世紀、阪神淡路大震災から25年、4分の1世紀です。大戦争や大地震を乗り越えて、今の日本の繁栄があります。危機という字は、危険の危と、機会つまりチャンスの機でもあります。ピンチはチャンスですが、そのチャンスを生かすかどうかはモチベーションがあるかないかだと、筑波大学の准教授で、メディアアーチストの落合陽一氏は述べています。コンピュータにはモチベーションはないので、人間の特性です。モチベーションとは目標に向かって進む意欲です。一学期の終業式で、やりがいのある仕事を目指してほしいという話をしましたが、やりがいはモチベーションにもつながります。毎日の授業や受験勉強、部活動、学校行事など、モチベーションを高めて取り組んでほしいです。

 

令和2年8月18日

神戸市立葺合高等学校長


09:49
2020/07/31

仕事のやりがい(一学期終業式)

| by:広報企画部

仕事のやりがい(一学期終業式)

 

 今日で一学期を終えますが、この一学期は新型コロナウイルスの影響で例年とは違う学校生活となりました。これは世界中の多くの学校でも同じです。兵庫県内の感染者も増えていますので、マスクと手洗い、3密を避ける、人との会話はソーシャルディスタンスを守るなど、これからも充分に気を付けてください。また、誰が感染してもおかしくない状況です。感染した人に対して、偏見や差別意識、感染者捜しをすることがないよう、お互いに支え合うという人権意識が最も大切です。

 6月の終わりに、私は駅の階段で足を滑らせて、足の骨を折りました。23年生には去年話をしましたが、私は若いときに、ラグビーをしたり、100kmマラソンを走ったりするほど、足腰の強さには自信がありました。その自分が駅の階段でこけるとは、まさかと思い、自信を失いました。年には勝てません。61日と2日の学校再開の日に、「人生にはいろいろな事がある」と話をしました。人生には三つの坂があると言われます。登り坂もあれば、下り坂もあります。そしてもう一つの坂が、マサカ、です。今もそうです。本当は今頃、東京オリンピックが開催され、日本中が熱気と興奮で渦巻いているはずが、マサカの一年延期となりました。マサカの事が起きても対応する力は必要です。

 でも、足の骨は折りましたが、頭を打たなくて良かったなと思います。その後は神戸市内の公立病院に入院し、手術をしました。新型コロナウイルスへの対応で医療従事者は大変なときの入院なので、本当に申し訳ない気持ちでした。その病院は、医療技術はトップレベルですし、それ以上に医師、看護師、理学療法士、事務職員さん達の丁寧な対応と笑顔がとても素晴らしかったです。

 看護師は若い人が多く、昼と夜とで担当が毎日代わります。私は担当の看護師全員に2つの質問をしました。「なぜ、看護師になろうと思ったのか?」「看護師になろうと思ったのはいつ頃か?」 皆さん笑いながら丁寧に答えてくれました。なろうとしたきっかけで多かったのは、親が看護師という答えでした。親など身近な大人がいいモデルになることが、進路を決める上で大きいと思いました。いつなろうと思ったかという質問に対しては、小さい頃からの夢というのもありましたが、高校時代に決めたという答が多かったです。そして、全員、仕事は忙しくて大変だけど、やりがいをもって打ち込んでいる様子が伝わりました。

 生徒の皆さんも高校を卒業したら、どの道を進み、どのように生きていくかということを考えていると思います。上の学校に進学して働く人もいれば、高校を出てすぐに働く人もいます。皆さんに望むのは、やりがいを感じる仕事を選んで働いてほしいことです。どんな仕事にもやりがいはありますが、長い間働いているとやりがいを失ったり、忘れたりすることがあります。では、やりがいとは何かというと、自分が熱中して打ち込めることと、社会に貢献することです。やりがいのある仕事に出会うためにも、今はしっかり勉強し、自分を鍛えて、多くの人と出会うことで、人間としての幅を広げてほしいと強く願います。 

今年の夏休みは短いですが、二学期に皆さんの元気な顔を見ることを楽しみにしています。私もリハビリ頑張ります。

 

令和2年7月31日

神戸市立葺合高等学校長


09:44
2020/06/01

学校再開に向けて

| by:広報企画部

学校再開に向けて

 

 新型コロナウイルスの世界中の感染者数の累計は、530日現在で、約611万人、死亡者数は約37万人です。5ヶ月前、令和2年が始まる三学期の始業式の時には想像もできない事態となりました。この新型コロナウイルスの世界的感染は歴史に残る事態なので、これから社会や経済が大きく変わると思います。

 今日から学校を再開しますが、3密を避けるために、分散登校と時差登校とします。部活動も制限して認めます。手洗いと部屋の換気をしっかり行って、心と身体を徐々に慣らしながら、勉強や部活動に取り組んでください

 休業中の授業数を確保するために、夏休みと冬休みを短縮します。一学期は731日まで、二学期は818日からとし、夏休みはその間の17日間です。学校行事の変更も行います。文化祭は生徒会役員を中心に準備に取り組んでいたと思いますが、前に手紙でお知らせしましたように中止とします。体育大会は、今のところ二学期に実施の予定です。部活動も全国総体が中止になるなど、日々、練習で頑張ってきた人にとっては残念な結果です。特に三年生は最後の文化祭もなくなり、大変悔しい気持ちでいっぱいだと思います。しかし、世界中の多くの人が頑張っている状況を思い起こして、ともに我慢し、その悔しさを自分の進路実現に振り向けて、夢が叶うように前進して欲しいと思います。

 今の状況の中で、私は25年前の阪神大震災のことを思い起こします。昨年度の防災講話で少し話をしましたが、私は当時、2年生の担任でした。生徒や教員の被災状況は大変で、学校再開には今とは違う困難がありました。しかし、多くの人の協力を得ながら少しずつ復興していきました。先週の登校日の皆さんの様子を見て、生活が乱れている様子もなく、真剣に先生方の話を聞いている顔を見て安心しましたし、皆さんならばこの困難も乗り越えていくだろうと確信しました。人生にはこの先、いろいろな事が起こります。嬉しいこと、悲しいこと、楽しいこと、苦しいこと。時には落ち込むこともあるとは思いますが、家族や友達、先生の力を借りながら乗り越えて欲しいと思います。WWLの中で、皆さんに育てて欲しい12の力(Neo MAKS)の中の「他者の痛みを理解しサポートする姿勢」や「柔軟性に富んだ問題解決力」「新しい価値観の創造」を身に付ける機会ととらえてください。

 最後に同窓会の会報の中から、今年の3月に卒業した生徒の文章を紹介します。

 

 高校3年間、私は葺合高校に登校する時は、あの長くて急な坂道を毎朝通っていました。夏の暑い日は汗を気にしながら登り、遅刻しそうな時はダッシュで駆け上がっていました。それでも坂道を登ると校門の前には、毎朝しっかり目を見て、挨拶を返してくださる先生達や、教室に入ると大切な友達が居ました。卒業を間近に控える今、そういう当たり前の日常がとても幸せだったのだと感じています。

 高校3年間は本当に早かったです。勉強に時間を費やし、人間関係を学び、自分と向きあえた3年間だったと思います。そして、この3年間で経験したことをこれからの人生に活かして行きたいと思います。

 大学生、社会人になっても何事にも努力を怠らず、しっかりと将来に希望を持ちながら、人生の坂道を登り続けていきたいです。日々の何気ないことへの感謝の気持ちを忘れず、心優しい人間でありたいと思います。

 

 以上です。日々の何気ないことに感謝しながら、日常の生活を守るために、マスクをして授業を受けるなどの制約はありますが、みんなで頑張りましょう。

 

平成2年6月1日

神戸市立葺合高等学校長

 


16:55
2020/05/20

リスクを乗り越えて

| by:広報企画部

リスクを乗り越えて
(同窓会の「令和2年度筒台会報」より)

 

 青葉が美しい季節となりました。筒台会会員の皆様には、平素より本校の教育活動へのご支援、ご協力にご尽力いただき、心より感謝申し上げます。

 4月、満開の桜の下での始業式、入学式、引き続いて、新入生歓迎行事や部紹介、一年生のオリエンテーション合宿を予定していましたが、新型コロナウイルスの蔓延により、全ての行事が変更となりました。この原稿執筆時(4月上旬)には、神戸市立学校は5月6日まで臨時休校になりました。

 4月7日の夕方に、安倍首相より7都府県に「緊急事態宣言」が発令されましたが、8日の始業式と、入学式に替わる入学時説明会は、感染防止に最大限の注意を払いつつ、教室内での放送により行うことができました。例年の入学式では、多くのご家族、ご来賓の臨席の中、新入生は皆さまの歓迎の拍手で入場し、式辞、祝辞が述べられるところですが、今年はできなかったということに対して、新入生とご家族の方々には申し訳ない気持ちでいっぱいです。しかし、8日の夕方に、教育長から入学時説明会と登校日の中止の通知が出されましたので、例年と形が異なるとはいえ、本校では実施できましたことに教職員一同胸をなで下ろしました。一方、学校再開後は学習の遅れや生活の立て直しなど問題は山積しています。

 政府の「教育再生実行会議第11次提言」(令和元年)によりますと、「第4次産業革命とも言われる、AIやロボティクス、ビッグデータ、IOTといった技術の急速な発展に伴い、我が国において、Society5.0と言われる超スマート社会が到来しつつある」と言われている時代に、ウイルスによって、世界中がこのような大混乱に陥るとは、一年前の令和の新時代を迎えたときには想像もしていませんでした。しかし、歴史を遡ると、感染症との戦いは古代から続いており、国の盛衰にも大きく関わってきました。古代ギリシャのアテネとスパルタの間で起きたペロポネソス戦争中(BC431BC404)に、アテネで疫病が蔓延し、衰退したアテネが敗北しました。14世紀半ばにはヨーロッパで黒死病と呼ばれるペストが猛威をふるい、死者は3~4人に1人に及び、キリスト教会の権威が失墜し、社会秩序が崩壊していきました。1918年のスペイン風邪の流行では世界中で5000万人以上が死亡し、第一次世界大戦の終結を早めたと言われています。1918116日付の神戸新聞には、「累々るいるい遺骸いがいの山 累々棺桶かんおけ野ざらし」の記事にあるように、兵庫県内でも感染が爆発的に拡大し、学校が閉じられたり、マスクの値段が高騰したりするなど、現代と通じる場面もうかがえます。当時も行動が徹底できず蔓延を許してしまったようです。ドイツの鉄血宰相ビスマルクが「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と述べているように、歴史から教訓を学ぶべきです。

 人類は今までも感染症との戦いで、ワクチンや治療法の開発により乗り越えてきましたので、いずれその叡智によってパンデミック(感染症の世界的大流行)が終息することを信じていますが、その後、世界は大きく変わると思います。生徒達にとっては厳しい時代になることが予想されますので、乗り越えていく力をつけるための教育が益々重要になってきます。

 本校は昨年、創基80周年を迎え、神戸文化ホールで80周年記念式典が執り行われました。昭和14年の開校以来、80年間の歴史の中で、昭和20年の空襲で全校舎が焼失したことや、平成7年の阪神大震災で被災したことなど、多くの苦難に遭遇しがらも、筒台会をはじめ多くの方々のご支援とご協力によって乗り越えてきました。葺校生はいつの時代でも、教育目標の「明るく、活気に満ち、充実した高校生活の創造をめざして」います。

 平成26年から5年間の文部科学省指定のスーパーグローバルハイスクール事業(SGH)では最高の評価をいただき、昨年度からはワールドワイドラーニング・コンソーシアム構築支援事業(WWL)の拠点校に指定されました。WWLの学びのテーマが「リスクマネジメント」です。昨年度も7月のインターナショナルコンファレンスや12月のWWL等課題研究交流発表会、1月のWWLフォーラムなどで海外の姉妹校や市立・県立・国立・私立高校の生徒達と協働して、国際連合が提唱しているSDGs(持続可能な開発目標)等について、高校生としての問題意識や解決するための取組を話し合ってきました。今後、パンデミックが終息し、日常の生活が戻りましたときに、生徒達が世界のリスクについて考え、議論し、多くの人と協力し合って行動することを期待しています。

 筒台会の皆さまには、引き続き、生徒の活動と本校の発展を見守っていただきますとともに、変わらぬご支援とご協力をよろしくお願い申し上げます。

 

令和2年5月10日

神戸市立葺合高等学校長

 

 

 


14:52
2020/04/08

祝 入学

| by:広報企画部

祝 入学 

 

 新入生の皆さん、入学おめでとうございます。ご家族の皆さまにおかれましては、さぞかしお喜びのことと存じます。教職員一同、心からお祝い申し上げます。

 昨夜、安倍首相が、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために「緊急事態宣言」を出しました。神戸市は当面、入学式の実施を見合わせることとし、5月6日まで臨時休校としました。ただし、高等学校は小中学校の義務教育と異なり、校長が入学許可をしなければいけませんので、この放送での入学説明会を入学式に変えまして実施することにしましたので、何卒ご理解ください。

 葺合高校は昭和14年に神戸市立神戸中学校として産声を上げ、その後、幾たびかの校名の変更はありましたが、昨年、創基80周年を迎えました。80年間の連綿たる歴史と伝統は神戸市の高等学校教育におきまして冠たる地位を占めています。その一つが、昨年、文部科学省の指定を受けました、ワールドワイドラーニング・コンソーシアム構築支援事業(WWL)です。全国で選ばれた10校のうちの一つの拠点校に選ばれました。そのWWLの中の学びのテーマがリスクマネジメントです。

 新型コロナウイルスが世界中で蔓延し、WHO(世界保健機関)はパンデミック(感染症の世界的大流行)と位置付けました。ドイツのメルケル首相が「第二次世界大戦以降、最大の試練だ」と言うように、世界中のリスクが高まり、このリスクをどのように克服していくかという、リスクマネジメントが各国の最重要課題となりました。しかし、私は人類の叡智で必ず乗り越えていけると信じています。このパンデミックが終結した後に、世界は大きく変わることが予想されます。この新型コロナウイルスによるリスクは、その時代の証人として、皆さんにとっても生きた課題となることでしょう。

本校の教育方針は、「自主の人たれ 創造の人たれ 世界の人たれ」です。この混迷の時代に、自ら考えて行動し、目標に向かって、頑張り続ける人。いろいろな制約をチャンスと考えて、新しいものを創り上げる人。全世界が危機に直面している時に、世界的な視野をもって、世の中に貢献する人になって欲しいと願います。

 今後、学校生活でも様々な制約が生じて、不便をかけるとは思いますが、教職員一同、皆さんの学校生活が充実したものとなりますよう、精一杯力を尽くしていく所存です。皆さんに私の好きな高浜虚子の俳句を送りたいと思います。

「春風や 闘志いだきて 丘に立つ」 

新たなる挑戦に闘志をかき立ててほしいと願います。

最後になりましたが、本校の教育活動につきまして、ご家族の皆さまには、今後も、格別のご支援を賜りますようお願い申し上げまして、ご挨拶といたします。

 

令和二年四月八日

神戸市立葺合高等学校長


00:00