言語の選択:

校長室より

校長室より >> 記事詳細

2021/01/06

情けは人のためならず(三学期始業式)

| by:広報企画部

情けは人のためならず(三学期始業式)

 

あけましておめでとうございます。

令和3年が始まりました。終業式で話したように、一年間の目標を立てましたか。いい本を読み、元気に新しい年を迎えることができましたか。

今までは年賀状に「今年はいい年でありますように」と書いていましたが、今年こそは切実にいい年であることを願っています。コロナの状況はおさまる様子はなく、菅総理大臣は明日、関東に緊急事態宣言を出す予定です。ただし、小中高校の一斉休校はせず、大学入学共通テストも予定通り実施するようです。一方で、ワクチンの開発が進み、欧米では接種を始めています。国民全員にワクチン接種がいきわたるまでにはまだ時間がかかりますが、今年はコロナで大きく揺れ動いた世界の形を決める大きな分岐点になると思います。

フランスの経済学者で、20世紀最大の知識人と言われたジャック・アタリ氏は「2021年は希望の年になる」と予測しています。理由は新型コロナウイルスのワクチンの接種で、夏の初めにはパンデミックの出口への見通しが出る可能性があることや、デジタル技術の発展によって、さまざまな技術開発の可能性があるからです。一方で、すべての人々が成長や技術の利益を受けているわけではなく、格差が大きくなり、不満が高まるとも予測しています。そして、人類を救うカギに利他主義を挙げています。利己主義が自分の利益のことを第一に考えるのに対して、利他主義は他人や周りの人への利益を尊重します。

 ジャック・アタリ氏は「深刻な危機に直面した今こそ『他者のために生きる』という人間の本質に立ち返らねばならない。協力は競争よりも価値があり、人類は一つであることを理解すべきだ。利他主義という理想への転換こそが人類が生き残るカギである」と述べています。

 皆さんが周りの人への気遣いを忘れずに、目の前のことに一つずつ、誠実に一生懸命に取り組むことが、周りの人への利益につながり、最終的には自分に返ってきます。昨年の一学期はコロナで休校になり苦しかったですが、二学期の体育大会で、全校生が王子スタジアムに集まって仲間と協力し合いながら全力で競技や演技に取り組みました。全員で力を合わせて物事を進め、成し遂げていくことの素晴らしさを確信しました。

「情けは人のためならず」という格言があります。他者への思いやりや親切が、巡り巡って自分に返ってくるという意味です。マスクをすることで、他者への感染を防ぐことが、自分の身を守ることにつながります。

 まだまだ、寒さが厳しいですが、皆さんにとって充実した年、希望の年になることを強く願います。

令和316

神戸市立葺合高等学校長

 


12:19