第3回講演会(令和2年度)

 実施日時: 令和2年11月17日(火) 10:00~11:45 
 場  所: 神戸市産業振興センター 3階ホール
 参加者数: 187名
 講  師: 石川 道子 氏(小児科医 武庫川女子大学非常勤講師)
 演  題: 発達障害の子どもの育ちを支える ~家庭での支援を考える~
 
講演概要
 発達障害児への支援を考えるには難しさがある。一つは曖昧さである。「障害」と「障害ではない」との線引きや医師の診断基準、複数の障害の併存など、一概に特徴はこれだと言い難い。エピジェネティクス(遺伝と環境要因の複合)の考え方もあり、理解を難しくしている面もある。さらに、支援の多様性と関係機関の多さもわかりにくくさせている。発達障害への知見は、年代や地域によって差があり、ここ20年ぐらいの蓄積に過ぎない。
 2つ目として、年齢や環境、体験で目立つ行動が違うことだ。発達障害とは、定型発達と違う発達の経路をとるタイプの子の総称。発達の凸凹を示しやすいが、変化することも多い。合併しているとそれぞれの障害の特徴が目立たなくなる。年齢のよってつけられる診断名が変わることも多い。このように理解が難しい発達障害ではあるが、支援の必要性は間違いなく存在するので、本日の話は、家庭で実行できる支援に的を絞る。
 発達障害をもつ本人の特性として、情報処理の特性を持っていることが多く、発達が凸凹になる傾向がある。個別と集団では実際にできることが違うことや順調にいかないときに特異な発想をすることも多い。社会生活を営むうえで支援してくれる人が必要となる。なかでも家族の役割が大きい。子どもが適応できないときには、家族が味方になり周囲とのコミュニケーションを代替したり、理解が広がるように支援していくことが大切になる。情報処理特性の一例として、たとえば自閉症スペクトラムでは、視覚優位、細かくパーツに注目する、2つ以上の情報処理が困難、パターンが決まった物事が理解しやすい、記憶がよい、感覚過敏症等が特性として挙がることが多い。視覚優位にはモデルを見せることが有効で、目で見えるものとして示すとわかりやすい。逆に言うとことばだけだと聞いていないとか聞いてもイメージができないなどの伝わっていないことから問題が生じることが多く、その特性に応じた対処が有効とされている。
 発達の時期に応じて、習得できずに困ることがある。幼児期では、会話、集団行動、友達との遊びなどで、学童期では、毎日学校に通うこと、宿題を毎日すること、学習したことを覚えていること、良好な友達関係構築などがある。また、年齢にかかわらず、新しい環境や集団行動、ことばによる情報伝達、気持ちの切り替えなどが難しいことがある。
 いずれの行動も家族だからこそ支援できることがあり、また、家庭内で練習できる。家族は、お互いに無条件に味方として行動し、交流は通常一生続く。また、メンバーはあまり変わらず、生きていくための行動の主たる場所となる。家族が、ライフサイクルの切れ目に手厚い支援を行うことは特に重要だ。就学の時、進学の時、就労の時、一人暮らしを始めた時などがそれにあたる。家族だからこそ、悩むこともあるだろう。幼少時から社会的資源を有効に使い、孤立することなく支援を進めてほしい。

 追記 令和2年度は、コロナ禍の影響でこの第3回講演会だけの開催となりました。たくさんの方の参加申し込みをお断りせねばならず大変心苦しく思います。当日は、参加を可とさせていただいた方のほとんどがご出席くださり、熱心な雰囲気に満ちた講演会でした。

                                                  

  



 

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