⑤ 声かけと言葉の力(子どもの心を動かす)
子どもを動かすというより、子どもの心を動かす。
子育ては、怒るのが一番簡単で、あたたかい声かけがなかなか難しい。
子どもに合った声かけを続けていくと心が安定し、指示や提案が素直に入りやすくなっ
ていく。
怒るエネルギーを子どもに合った声かけをみつけるエネルギーに変換する。
⑥ 声かけと言葉の力(あたたかい言葉の力)
あたたかい言葉は心の栄養。(「大好きよ」「よく頑張ったね」)
共感し寄り添う。
話しかけてきたら、できるだけ耳を傾けた。
発達の不安な子ども達には負の言葉が何倍にもなって心に残り、心を傷つけてしまうの
では?と感じている。
⑦ 宿題・学習(家でよかったこと)
つらい思いをしながら宿題をしても、なかなか身につかない。
→できることからしよう。小さな積み重ねが大事。小さな小さなちりも積もるよ!
学習は苦しいものではなく、生きていく上で大切なものだと伝えていった。
(毎日の生活の中で看板や標識を理解したり、本を読んだり、買い物をしたり・・。)
⑧ 生活・社会ルール
発達の不安な子ども達は、指示・情報を受けることがとても困難。口頭だけでは分かり
にくいことがある。
目から入る情報が分かりやすいのでシュミレーションしたり、絵カードで説明していく。
⑨ 生活・社会ルール(家でしてよかったこと)
発達の不安な子ども達の中には、毎日の生活だけでいっぱいいっぱいの子もいる。
いつもとすることが変わると、不安になったり、機嫌が悪くなったりする。ガス抜きできる
場所や好きな食べ物を準備した。
生活・社会ルールを何度も何度も根気よく教えていくことで、定着させ、習慣づけていく。
→成長とともに少しずついろいろなことができるようになっていく。
⑩ 子どもの気持ち
大人は自分でストレス発散の方法を見つけることができるが、子どもはその方法を
知らない。子どもに合ったストレス発散方法を大人が提案したり、準備をする。成長とと
もに自分でストレス発散の方法を見つける子もいる。
⑪ 親の気持ち(あるある)
負の感情ばかりで、疲れる・・・ そこで
子どもが、今、できていることを褒め、自信をもたせ、その子のペースで少しずつできる
ことを増やしていく。
過度な期待はしない。しかし、子どもの特性や良さを見つけ伸ばしていく。希望を持
つ。
どんな小さなことでも褒めていく。子どもが前向きな気持ちになれるようにする。やる気
が出る。
こだわりは成長とともに、和らぐこともある。こだわりのおかげでうまくいくこともある。
しんどくなったら、信頼できる人にグチを聞いてもらう。
しっかり、心の休みをとる。親は親で趣味や好きなことをする。
⑫ 思春期に家庭でしてよかったこと
(学習)学習は難しくなり、自信をなくし、やる気をなくすことがよくあった。「できることか
らしていこう」と声をかけ続けた。
基本中の基本の学習だけでもしていくと、形になっていった。
家庭で教えるときは、命令口調にならないようにした。
家庭で教えるよりも、少人数やマンツーマンの塾の方がうまくいくこともあった。
(心・ストレス・成長)中学生の時は、毎日の生活だけでクタクタ。
ストレス発散のためにサンドバックを買った。あるだけで安心しているようだった。
イライラしていたら、放って置くこともあった。そっとしておき、時間が経つと心が落ち着い
てきた。そして感情的にならないようにさらっと対応した。
グチを聞く。ザルでもいい。アドバイスが嫌なら相槌を打つだけでもいい。
すぐに傷つき、自信をなくしやすかった。子どもの良いところを伝え続けた。
思春期はあっさり褒めるほうがうまくいった。今、できていることを言うだけでも自信にな
るようだった。
(進路)情報収集をしていく。
アンテナを張って情報収集。未来への選択肢も知り、対策することができた。
実際に足を運んで学校の雰囲気を感じることが大切だと思った。
⑬ 未来に向けて
今はまだ全く想像できなくても、少し先の未来(5年先、10年先の未来)をふんわりと
想像してみる。そうすると何をすればよいのか、何が必要なのか見えてくることがあっ
た。
命令口調や叱責よりも、楽しい言葉の方が子どもは耳を傾けた。思春期に入ると「もう
普通に言ってくれたら、いいから。僕は子どもじゃないから。大丈夫だから」と言われ
てしまった。成長を感じたことを覚えている。今はサラッとあたたかい声かけにしている。