(1) 一の谷の 軍(いくさ)破れ 討たれし平家の 公達あわれ 暁寒き 須磨の嵐に 聞こえしはこれか 青葉の笛 (2) 更くる夜半に 門(かど)を敲(たた)き わが師に託せし 言の葉あわれ 今わの際まで 持ちし箙(えびら)に 残れるは「花や今宵」の歌
明治39年に尋常小学唱歌「敦盛と忠度」として発表された曲。一の谷の戦いで討たれた平敦盛の腰に残っていた青葉の笛は、今も須磨寺に伝えられている。二番は、同じく一の谷で討たれた忠度の辞世の歌「行き暮れて木の下かげを宿とせば 花や今宵のあるじならませ」に拠っている。