COUNTER

COUNTER818146

授業動画 等がアップされています。
 

CONTENTS

ホーム校長室より学校経営計画研究指定事業学校紹介学校生活1年次のページ2年次のページ3年次のページ21期生修学旅行行事予定h28行事予定六アイ通信在校生の方へ中学生の方へ卒業生の方へアクセス・問い合わせ過去の更新記録サイトマップ重要情報今月の贈る言葉先輩の活躍再利用・保管用奨学金平成31年度(令和元年)のお知らせ平成30年度のお知らせ平成29年度のお知らせ平成28年度のお知らせ平成27年度のお知らせ六愛通信

スクールカウンセラーとの相談

 面談相談のほかに電話でも相談することができます。原則として、金曜日の13~17時、面談または電話での相談ができます。
 ご希望の場合は学校(078-858-4000 教頭)までお問合せください。
  
スクールカウンセラー電話相談について.pdf

 

神戸市立高校部活動方針










 
 

インフルエンザ対策

出席停止届・登校許可書・登校証明書のダウンロードはこちらから
外出後の手洗い・うがいの励行、予防接種等必要な予防手段をしっかりとってください。
提供→神戸市保健福祉局 予防衛生課

 

教科書採択

令和2年度使用教科図書一覧を掲載しました。詳しくはこちらをクリックしてください。
 

LINK







 



こうべっ子悩み相談 

「いじめ・体罰・こども安全
ホットライン」

フリーダイヤル 0120-155-783
有料ダイヤル (078) 361-7710
全国統一24時間子供SOS
ダイヤル 0120-0-78310
 
 
 

 
「ESD推進ネットひょうご神戸」
六甲アイランド高校はESDを
推進しています
 





相互情報連絡制度

児童生徒の健全育成のための
学校と警察における相互情報
連絡制度に係る協定について

神戸市教育委員会たより
 

同 窓 会
 

六甲アイランド地域振興会
 

 

 


 

 
 

 
 

ごあいさつ


神戸市立六甲アイランド高等学校のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
 本校は、平成10年に、県下初の全日制普通科総合選択制高等学校として開校し、平成17年に全日制普通科単位制高等学校に改編されました。1年次では基礎的な科目を中心に学習し、自分の将来の夢を実現させるために必要なことを「進路プランニング」の授業で学びます。そのための数多くの学習プログラムを用意しています。これらの取組によって、2年次から所属する「社会科学系」「国際人文系」「総合科学系」「人間科学系」「ビジネス系」「情報科学系」「芸術系」の7つの系を決める準備をします。2年次・3年次では系ごとに「進路プランニング」を引き続き学習し、より細やかな進路学習や、さまざまな系活動によって進路実現のための実践力を養います。

平成23年度には、1期目の文部科学省認定の「スーパーサイエンスハイスクール」(SSH)の指定を受けました。平成29年度には2期目の指定を受け、向こう5年間SSH校として取り組みを推進しています。2期目では1期で取り組んできたことを基礎に、国際都市、先進医療都市として発展してきた神戸市にある企業や大学などの「多彩な知の資源」を最大限に活用した探求型人材の育成に取り組んでいます。

部活動は、運動部・文化部ともに活動が盛んで、毎年、全国高等学校総合体育大会や全国高等学校総合文化祭に出場・出展を果たしています。ホームルームとはまた違った仲間づくりを通して高校生活を豊かなものにしてくれています。

今後もホームページに、日々の学校生活を掲載してまいります。これからもご覧いただき、本校の教育活動に温かいご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。   

                                      

校長 山根 修
                                                                                                 
 

「知の創造」

「知の創造」

ノーベル物理学賞を受賞された、東京大学特別栄誉教授の梶田隆章博士が、去る11月11日に六甲アイランド高等学校の生徒のためにご講演くださいました。「神岡での研究を振り返って」という演題で、ニュートリノに質量があるという宇宙の成り立ちの根源に迫る大発見をするまでの経緯や、研究を通して学んだことなど、若い心に高い志を立てる契機となる素晴らしいお話でした。世界トップレベルの研究者の一言一句を聞き漏らすまいと、約1200名の生徒たちは真剣な眼差しで聞き入っていました。梶田先生はご講演を通して、本校生徒の心に良き種を蒔いてくださいました。その種は将来必ず芽を出し、実を結んでくれると信じています。

ニュートリノを観測する施設である「カミオカンデ」は、多くの方々の思いや力が結集して画期的な研究成果を得ることができました。そこから「スーパーカミオカンデ」の研究につながり、そして次世代の「ハイパーカミオカンデ」へと研究が引き継がれていることを、梶田先生はお話しくださいました。恩師であり、ノーベル物理学賞受賞者でもある小柴博士や、その後を引き継がれた戸塚博士など多くの仲間の方がいたからこそ、今の自分がいることを話してくださいました。決して自分一人の力ではないと、謙虚に語られるお言葉に梶田先生の温かいお人柄の一端を垣間見ることができました。

梶田先生は人と人のつながりがいかに大切であるかも、話してくださいました。一人で百年かけて成し遂げるよりも、百人が一年で成し遂げるほうがよいともおっしゃいました。確かに人類の進歩を考えるとその通りだと思います。

本講演の記念に梶田先生が、六甲アイランド高生のために「知の創造」と色紙に書いてくださいました。ご講演の最後に私から全校生徒に、いただいた色紙の紹介をしました。そのときに梶田先生に、数ある言葉の中からどうして「知の創造」と書いてくださったのでしょうかとお聞きしました。すると梶田先生は「すべての学問というものは、新しい知を生み出していきます。それが、人類が人類たる非常に大切なものであると思っています」とお答えくださいました。確かにすべての学問は、過去の土台の上にさらに積み重ねることで進歩を重ねてきました。そうして知を創造してきたからこそ、月まで人類を運ぶこともできるようになったのでしょう。いただいた「知の創造」という言葉は、これから私たちにとって特別な意味のある言葉となりました。

期せずして出逢うことを「邂逅」と呼びます。邂逅は人生の不思議です。どのような計らいで人と人は出逢うのでしょうか。「人間は一生のうち逢うべき人には必ず逢える、しかも一瞬早すぎず一瞬遅すぎない時に」という森信三先生のお言葉がありますが、まさに出逢うべき人と人は、必ず絶妙のタイミングで出逢えるのです。こうして高校生のときに、六甲アイランド高生は梶田先生と出逢うことができました。この出逢いが将来の「知の創造」につながることを願っています。公務ご多忙な中、貴重なご講演くださった梶田先生に六甲アイランド高等学校生徒教職員一同、心より感謝申し上げます。

令和2年11月18日  校 長  山 根  修   
 
 

令和2年11月4日 全校集会校長講話

令和2年11月4日 全校集会校長講話

 

みなさんおはようございます。先日の体育祭では、久しぶりに全校生徒が感動を共有することができました。特に3年・2年次生の、1年次生に対する温かい応援には多くの人達が感動しました。今の六甲アイランド高校がよく表れていた一コマでした。

さて、今月の11日には2015年にノーベル物理学賞を受賞された、梶田隆章東京大学特別栄誉教授が本校にご講演に来てくださいます。ご講演の演題は「神岡での研究を振り返って」に決定しました。岐阜県飛騨市の神岡鉱山の地下1000メートルに、世界でも有数の精密物理実験サイトがあります。梶田先生は、そこでノーベル賞受賞となる研究成果をあげられました。世界トップレベルの研究者である梶田先生のお話から、みなさんは何を感じ、何を学ぶでしょうか。私はみなさんの若い心に、高い志を立てる日になってほしいと願っています。

私が梶田先生に六甲アイランド高校でのご講演をお願いしたいと思ったのは、みなさんの心に良き種を蒔いていただいきたいと願ったからです。梶田先生にもその気持ちを手紙でお伝えしました。来ていただけるお返事をいただいたときには、心の底からうれしく思いました。11日はみなさんの人生の中でも特筆すべき日となるでしょう。梶田先生のお話の一言一句を心に刻み、これからの人生を歩む力にしてほしいと願っています。

 

令和2114日 校長 山 根  修

 

 

令和2年度 後期始業式 校長講話

令和2年度 後期始業日校長講話

皆さん、おはようございます。今日は皆さんと六甲アイランド高校にとって素晴らしいお知らせがあります。
  スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の本校は、各方面でご活躍されている方をお迎えして毎年、SSH講演会を開催しております。

来る1111日水曜日、「ニュートリノ振動の初観測」により2015年ノーベル物理学賞を受賞された東京大学宇宙線研究所所長・教授の梶田隆章博士に、本校でご講演いただけることとなりました。

地球上にある、あらゆるものが原子から作られています。その原子を構成するもっと小さな粒子を素粒子と呼びます。あらゆる物質の最小単位が素粒子、ニュートリノはその素粒子の仲間の一つです。ニュートリノには質量がないと言われていましたが、梶田博士は実験を重ね、ニュートリノにはわずかながら質量があることを示す「ニュートリノ振動」という現象を世界で初めて発見されました。これは宇宙の成り立ちの解明にもつながるかもしれない、とてつもない発見なのです。そのとてつもない発見であったからこそ、ノーベル物理学賞を受賞されたのです。その梶田博士が六甲アイランド高校の皆さんのためにご講演に来てくださるのです。

梶田博士にご講演のお願いをするときに、もちろん来てくださる確証などまったくありませんでした。しかし、世界最高峰の研究者の方が皆さんのために来てくださることになりました。私は校長として言葉にならないほどの感謝の気持ちでいっぱいです。いろいろとご協力をいただいた方々にも感謝申し上げます。このような稀有な機会をいただいた皆さんには、このご講演から大切な何かを学んでほしいと願っています。

ご講演にあたり、コロナウィルス感染拡大防止の工夫をしなければなりません。アリーナは1200名が定員ですので、現在の状況では半数の600名が限界です。そこでアリーナには3年次生全員と2年次の総合科学系の生徒に入ってもらうこととします。1年次生と2年次生はホームルーム教室液晶テレビでライブ配信とします。ホームルーム教室は8月にブラウン管型テレビから液晶テレビにすべて交換しました。鮮明な画像を見ながら梶田博士のご講演をライブ配信で聴いてください。全員がそろってアリーナでお聴きすることができれば一番よかったとは思いますが、このような状況の中でも現時点では梶田博士が来てくださることを心よりありがたく思っています。

今まさに、六甲アイランド高校は上昇気流に乗っています。その上昇気流に乗って皆さん一人一人が成長してほしいと願っています。

令和2年10月1日    校 長 山 根  修

 

本校での教育実践冊子『今日の言葉』その先に

 

本校での教育実践冊子『今日の言葉』その先に

 

920日(日)の神戸新聞朝刊教育欄で「先人の名言から解決の糸口を探る。六甲アイランド高校校長が出版」との、記事が掲載されました。

本校校長は六甲アイランド高校教頭時代に、毎日一名言を教職員向けに紹介し、離任後にその名言を『今日の言葉』として冊子にまとめました。それが口コミで評判になり新聞等で紹介され出版社の目にとまり、日々の教育活動の中で、具体的な悩みに即した、教師の心に寄り添う本を執筆することになりました。そして先日、『名言に学ぶ!悩める教師のためのポジティブ・マインドセット』という書名で本を出版しました。  

六甲アイランド高校での教育実践が原点となり世に出た教育書です。学校にもいろいろとお問い合わせ等をいただいておりますのでご報告いたします。

 

令和2年度 8月始業日校長講話


 みなさんおはようございます。例年よりも短い夏休みでしたが、充実した日々を過ごすことができたでしょうか。こうしてみなさんが、登校できていることをありがたく思います。

さて、今日は「機嫌」についてお話ししたいと思います。機嫌とは、表情や態度にあらわれる気分の良し悪し、快・不快などの感情です。機嫌が良いことを「上機嫌」といい、悪いことを「不機嫌」といいます。人間ですから当然、気分が良いときもあれば、悪いときもあります。気分が良い上機嫌は、周りも明るくなるので人から嫌がられることはあまり聞いたことがありません。一方、不機嫌は周りの雰囲気を重くして気を遣わせてしまうので、あまり好ましい態度とは受け止めてもらえません。

先ほども申しましたが、人間ですから気分が良いときもあれば、悪いときもあります。ここで考えるべきことは、自分の不機嫌を周りにまき散らしているか、自分の中でおさめているかということです。自分の気分の悪さに真摯に向き合って、その理由となる出来事と冷静に向き合って解決を目指すことが、必要な行動のように思います。関係のない人までも、自分の不機嫌に巻き込むことは慎まなければなりません。

人間は気持ちで生きています。気分が良いときは上機嫌で、気分が悪いときは不機嫌な人は、考えようによっては、わかりやすいストレートな人といえるかもしれません。しかし、見方を変えると、気分の浮き沈みが激しい付き合いにくい人ともいえるでしょう。周りの人たちは大変気を遣います。赤ちゃんは時も場所も選ばず、ぐずります。それは赤ちゃんの特権であり、可愛いところでもあります。赤ちゃんは周りに気を遣うことはありません。大人がそれを温かく受け止めればよいことです。

私は大人の定義の一つは、人に気を遣うことができることだと思います。自分は人に気を遣っているだろうか、もしくは人に気を遣わせているだろうかと、静かに自分を見つめ直す時間も人生には必要かもしれません。私が今まで出会った方々で、素晴らしいと感じる人たちの多くは、常に「上機嫌」の人たちでした。しかしその方々が、毎日楽しいことばかりだったかというと、決してそうではなかったと思います。常に上機嫌の人も、様々な人生の苦しみや悩みを抱えていたことと思います。では、その人たちがなぜ常に上機嫌であったのでしょうか。それは「上機嫌に生きるという意志」があったのだろうと思います。それはその人の、周りに対する限りない優しさであったと私は思います。

世界的名著といわれている『幸福論』の著者であるアランは、その中で「幸せの秘訣のひとつは、自分の不機嫌を気にとめないことだ」と述べています。自分の不機嫌にこだわることなく、おおらかに生きることの大切さがそこには示されています。今、世の中は様々な社会変化の中で、ともすればぎすぎすしがちになっているように感じます。そのようなときであるからこそ、私たちは自分の意志で「上機嫌」に生きることの意味を、考えてみることが必要ではないでしょうか。

令和2年8月18日 校 長 山 根  修


 

令和2年度 前期終業日校長講話


 みなさんこんにちは。本来であればすでに夏休みに入っていますが、授業時間確保のために、今年は今日が終業日となりました。みなさんにとっても、今まで経験したことがない夏休みまでの日々であったのではないでしょうか。 

さて、先日本校のダンス部の活動がNHKのテレビニュースで放映されました。そこにはコロナ禍の中でも、前向きに今の自分たちに何ができるかを模索している姿が映し出されていました。昨年度、県大会三位の実績のある本校ダンス部は、今年は県大会優勝という高い目標を掲げて練習に励んできました。しかし、そのさなか県大会中止の決定が下されました。

様々な思いが交錯する中で彼女らがとった行動は、自分たちの今のダンスを映像として残すことでした。そうすることで気持ちの中で一つの区切りをつけて前に進もうとしたのだと思います。しかし一度折れかかった気持ちを立て直すことは、簡単なことではなかったと思います。それでもこの苦楽を共にしてきた仲間たちがいたからこそ、彼女たちは最後までやり通すことができました。映像の中で部員が作った日めくりが、撮影まであと三日、二日、一日と変化していきました。そして当日を迎え、今できうる限りの力を出し切り、今の自分たちをダンスで表現しました。踊り切ったあとには、何物にも代えがたい涙と笑顔がありました。映像の最後に、鮮やかな若草色の芝生の上でポーズをきめる姿が映し出されていました。私はその笑顔を見ながら、彼女たちがここに至るまでの葛藤を思うと胸が熱くなりました。

ダンス部のみならず、今年は多くの部活動で様々な苦悩や葛藤があったことでしょう。そのような中でも、前を向いて進んできてくれたみなさんに対して校長として心より敬意を表します。本当によく頑張りましたね。これから部活動によっては代替試合が行われるでしょう。もうすでに代替試合が終わった部活動もあります。いずれにせよ、それぞれの部活動で何かしらの一つの区切りが訪れることでしょう。甲子園にも出場したことがある、沖縄興南高校の我喜屋監督は「野球の試合は9回で終わるが、人生のスコアーボードは一生続く」と話されています。私は我喜屋監督のこの言葉に、部活動の本質が表現されているように思います。能力や技量が高まることも大切なことですが、それ以上にそこで学んだことをその後の人生にいかすことこそが大切だと思うからです。

人生には思いがけないことが起きることがあります。しかし、そのときにどのように対処するかにこそ、その人の真価は現れるのではないでしょうか。例えば、人間は褒められたときに謙虚であることはそれほど難しいことではありません。叱責されたときに、どれほど謙虚であることができるかに、その人の真の謙虚さが現れることにも似ています。苦難のときこそ自分の真価が問われているとの気持ちをもって、これからの日々の生活を送ってほしいと願っています。明日から夏休みとなります。例年よりも短い夏休みとなりますが、充実した毎日を健康に過ごしてください。

令和2年7月31日 校 長 山 根  修


 

令和2年度 創立記念日講話

 

皆さんおはようございます。今から創立記念日校長講話を始めます。

先日、高層の建物から外の風景をぼんやり眺めていると、木の先端部が見えました。先端部は小指ほどの細さで、風に吹かれて前後左右に揺れていました。高い所から見下ろすことで、普段見ることができない木の先端部を目にすることができたのです。

次に視線を地面に移すと、大人が両手で抱えきれないほどの、その木の幹が目に入りました。先ほど目にした小指の先ほどの木の先端も、今見ている大人が両手で抱えきれないほどの木の幹も同じ木なのです。その時私は、もし仮にその木の先端部だけを見たとしたら、小指ほどの細さの木が、実は10メートルを超える大木であることがわかるだろうかと考えました。小指ほどの細さの木の部分だけを見て、それが大木であることを知ることは実際にはなかなか難しいことだと思います。物事の一部だけを見てそれが全体だと思い込まないようにしなければならないと改めて感じました。

今皆さんは、15年から18年の人生を歩んできています。皆さんにとって今まで見て来た事や体験したことが言動の基盤になっていると思います。しかし皆さんは、これから何十年もの人生を歩んでいきます。今まで見てきた風景が皆さんの人生の全体像ではありません。例えば80歳で自分の人生を振り返った時に、18歳までの時間は、自分の人生の一部分であったことに気づくでしょう。もしかすると、今悩んでいることもあるかもしれません。しかし皆さんが将来人生を終えるときに、自分の人生の全体像を振り返れば、今の悩んでいる時間は次へ進むための貴重な学びの時間であったと実感するでしょう。

自分自身がどれほど成長するかは、その時点では誰にもわかりません。その時その時を、全力を尽くし誠実に生きることで、人生を振り返った時に自分の成長に驚くのだと思います。これから皆さんが何かを考えるときには、様々な角度から物事を見て、もしかするとまだ見えていないこともあるかもしれないという謙虚な気持ちを失わず、大局的に考えようとする意識を持ちましょう。

今、六甲アイランド高等学校は諸先輩方の努力を土台として入試倍率でも兵庫県下のトップ層となりました。進路実績も年々充実してきています。多くの中学生からの憧れの高等学校となっています。この上昇気流に乗った本校を、さらなる高みへと押し上げていくのは皆さんです。様々な社会情勢の変化にも柔軟に対応し、これからも進化し続ける六甲アイランド高等学校であり続けましょう。未来は現在の中にあります。一日一日を大切にしていくその積み重ねが歴史となっていくのです。希望を持って共に歩んでいきましょう。

令和2年7月10日 校長 山 根  修

 

 

 

 

通常授業が始まって

 

 

通常授業が始まって1週間が経ちました。ようやく全員が揃って1時間目から6時間目までの授業が行われています。以前であればあまりにも当たり前の風景が、いつもより輝いて見えます。職員室の先生方の表情も活気にあふれ、どことなくうきうきとしている気持ちが伝わってきます。放課後には校舎に楽器の音色が響き、トレーニングに励む姿など多くの部活を目にすることができます。

「治にいて乱を忘れず」という言葉があります。「ちにいてらんをわすれず」と読み、「平和なときでも、世が乱れたときのことを考えて準備を怠ってはいけない」という意味です。このままコロナ禍は収束に向かうかもしれません。また、そうあって欲しいと強く願います。しかし、今回の経験を通して私たちが学んだことを、どのように今後の生活に活かすかを考えて改善をしていくことが大切になってくるでしょう。

「治にいて乱を忘れず」、銘記しておきたい言葉です。

 

令和2623日  校長 山 根  修

 

学校再開 校長講話(令和2年6月1日)

令和2年度 休校措置解除後初登校日 校長講話

 

皆さんこんにちは。

まずはこうしてテレビ越しではありますが、元気に登校してきた皆さんに話ができる日がきたことをたいへんうれしく思います。今までの日常とは違う、先の見えない中で、不安もあり戸惑うことも多かったと思います。

 

新型コロナ感染拡大防止の観点から、長期間休校するという対策をとることになりました。しかし、今まで当たり前だと思っていたことへの感謝の気づきや、ステイホームを通して、社会の中での規範意識など、大切なことも学んだのではないでしょうか。

 

経験は受け止め方によって価値あるものにも、ないものにもなります。この度私たちが経験したことを、これからの人生にどのようにいかしていくかは、この経験をどのように受け止めるかにかかっています。

 

食物は食べただけでは栄養にはなりません。消化してはじめて栄養となり、生きる力となるのです。皆さん一人一人が今回の経験を自分の中でしっかりと消化することで、皆さんを一回り成長させてくれるのではないでしょうか。

 

今日から学校は始まりますが、初めの二週間は分散登校となります。まだまだ油断はできません。しかし、人生を振り返ったときに、あの仲間だったから乗り越えることができたと思えるように、希望をもって皆で力を合わせていきましょう。

 

令和2年6月1日 校長 山根 修
 

読書の扉(令和2年5月12日)

読 書 の 扉

『やなせたかし 明日をひらく言葉』PHP研究所編 (PHP文庫)
   

やなせたかしさん(19192013)は、デザイナー、詩人、絵本作家、漫画家など多くの顔を持っていますが、「アンパンマン」の作者と言えば一番わかりやすいかもしれません。20127月に第1刷が発行されていますので、やなせさん94年の生涯の晩年にまとめられたものです。やなせさんの74の言葉に対して、ご本人が解説を加えるという形をとっています。読み進めるうちに、やなせさんの温かさや深さが伝わってきました。アンパンマンミュージアムが全国各地に建てられ、今でも多くの人々にアンパンマンが愛されている理由が少し理解できたような気がします。

やなせさんは超未熟児で生まれ、手のひらにのるくらい小さかったそうです。多くの子供達が命を落としたスペイン風邪が世界的に大流行していた時であったこともあり、まわりからも、とても長生きはできないと思われていたそうです。しかしその自分が90才を過ぎてもこうして元気でいることからも、人生はわからなものだと述懐しています。また、アンパンマンが大ヒットして有名になったので、若い頃から順風満帆の人生を送ってきたと思われがちですが、70才になる直前にアンパンマンのアニメ化の話が持ち込まれ、それから一気にブレークし、それまでは鳴かず飛ばずの時代が長く続いたそうです。それでも人生という満員電車に乗り続け、あきらめて途中下車せずに立ち続けていたら、あるとき目の前の席が空いたと語っています。あきらめないでひとつのことを思いを込めてやり続けていると、ちゃんと席が空いて、出番がやってくるものだと教えてくれています。

やなせさんはアンパンマンのメッセージの中には「共生」があるとして「バイキンは食品の敵ではあるけれど、アンパンをつくるパンだって菌がないとつくれない。助けられている面もあるのです。つまり、敵だけど味方、味方だけど敵。善と悪はいつだって、戦いながら生きているということです」と述べています。そしてその解説の中で「バイキンが全滅すればいいのかというと、実はダメなのだ。人間も生きられなくなる。人の体内にはおびただしい数のバイキンが生きている。健康な人は、バイキンと戦いながら、両方が拮抗して、ある種のバランスを保って生きている。一度戦った細菌やウイルスに対して免疫ができる場合もある。だが、これで安心かというとそうではなく、次から次へと新型ウイルスが出現し、人は永遠にそれらと戦っていくことになる。そうした戦いをせずに、ウイルスや菌と共生する知恵、それがワクチンだ。こうして敵対するものとも共生していく。それが人間の知恵のすばらしさなのである」と、まるで現在の新型コロナウイルスと人間の戦いを予見していたかの如くの卓見を述べています。その他にも多くの言葉で私たちを力づけて励ましてくれています。「一寸先は闇でも、その一寸先には光がある」今だからこそ、希望を持つことの大切さを教えてくれている、やなせさんのこの言葉の意味を噛みしめていきたいですね。

令和2512日  校長 山 根  修
 

読書の扉(令和2年4月28日)

読 書 の 扉


『菜根譚』(さいこんたん)洪
自誠(こうじせい)(講談社学術文庫)

駒澤大学名誉教授 中村璋八 駒澤大学教授 石川力山 全訳註  


 洪
自誠(こうじせい)(15731620諸説あり)は、中国明代の著作家で、本名は応明で自誠は字(あざな)です。経歴の詳細は不明なところはありますが、若くして当時最難関と言われた官僚登用試験である科挙に合格し官界に進み、その後隠遁生活を送ったと言われています。『菜根譚』の菜根とは野菜の根のことで、質素な食事という意味もあります。譚は、はなしという意味で普通は「英雄譚」や「冒険譚」などのように接尾語的に用いられます。野菜の根のような質素な食べ物でも、よく噛んで味わえば真の味わいがわかるように、この書物を読めば処世の極意を体得して日常生活の指針にできるという意味が込められていると言われています。 

 日本でも多くの方に読まれており、経済界や教育界など著名人が『菜根譚』に関する本を著しています。本の形態も様々で、『菜根譚』を読んだ感想や、その言葉から学んだことを書いていたり、意味を現代語で書いてあるだけであったりと、どの本が『菜根譚』の全体像がよくわかるか迷ってしまうと思います。中村璋八先生と石川力山先生が全訳註の『菜根譚』は、まず書き下し文が示され続いて原文が書かれています。その後に語義があり、言葉の細かい説明が丁寧に書かれています。そして最後に訳文として現代語訳が書かれています。読み始めの時は、まずは訳文から読めばわかりやすいと思います。訳を読んで意味がわかれば、書き下し文を読むことに挑戦してみるのも面白いかもしれません。その読みを繰り返しているうちに、漢文独特の簡潔な文体が自然と理解できるようになるでしょう。

 『菜根譚』は前集目録に222話、後集目録に134話と、合計356話が書かれています。目録を少し抜き出してみると「好調の時もおごらず、失意の時もあきらめず」「静寂の中にこそ見える人生の真実」「学んで後に自ら実行する」「自らの内にある真実を開拓する」「読書人の心がけ」「福を招き禍を避ける妙案」「大いなる奮発が進歩をもたらす」「心の保ち方の秘訣」「窮地にあっても心は高潔に」「人の真価がわかる時」「諸行無常の真実相」「静かな心、ゆったりした心」「ままならぬ世を生きるには」「生者必滅の道理」「最高の幸せ」などが述べられています。具体例をあげると「真実の英雄」という話の現代語訳は「小さなことであるからといってなおざりにすることなく、人が見ていないからといってごまかしたり隠したりすることなく、失意のどん底に落ちてしまったからといって、怠けたりやけになったりしない」と書かれています。書き下し文では「小処にも滲漏せず、暗中にも欺隠せず、末路にも怠荒せず」、原文では「小処不滲漏、暗中不欺隠、末路不怠荒」と書かれ、漢文の勉強にもなります。何か一つでも皆さんの人生の指針となる言葉に出会えたらいいですね。

                    

令和2428日  校長 山 根  修
 

読書の扉(令和2年4月20日)

読 書 の 扉


『読書力』
齋藤 孝(岩波新書)   

 

教育学者であり明治大学教授でもある齋藤孝先生の『読書力』は、本を読むことがどれだけ大切なことであるかを実に理路整然と教えてくれています。携帯電話一つを例にとってもわかるように、技術革新は最新の研究結果を土台にして、さらに研究を進めることで性能も良くなってきています。しかし自己形成はいくら時代が進んでも、誰かが自分のために考えてくれることはありません。自分自身が試行錯誤を繰り返す中で自己が形成されていくものだと思います。ただ、実生活での体験だけでは、どうしても考えることができる範囲が限られてくるこることは否めません。

第Ⅰ章の「自分をつくる」では、読書が自己形成にとって強力な道であると同時に、自己形成の王道であることが述べられています。自分ではうまく言語化できないけれども、何となくからだではわかっているようなことがあります。齋藤先生はそれを「暗黙知」と呼んでいます。しかし、本を読んで優れた著者の言葉によって自分が考えていたことがはっきりと言語化されると述べています。私もこれと同じような体験があります。作家の井上靖氏の「あじさい」という題の随筆の中で筆者が幼時、庭の隅を流れている小川で毎朝顔を洗っていたある時、洗濯石鹸を流してしまった経験が書かれています。石鹸は手から脱け出し、水の中をいきもののように泳いでどこかへ行ってしまったそうです。「ただ、これだけのことを今でも憶えているということは、その小さな事件から受けたものが容易ならぬものであったからである」とし、なぜその出来事が生涯忘れることができないような心への刻まれ方をしたかについて次のように書かれています。

「今の私には、その石鹸を流した時の幼い私を襲ってきたものに表現を与えることができる。それはおそらく、完全に物を失い、それを再び取り戻すことはできないという喪失感であったに違いないと思う」この文章を読んだ時に、幼い頃に母に買ってもらった赤い風船の糸が小さな私の手からするりとぬけて、真っ青な空に吸い込まれていった時のことを鮮明に思い出しました。私の中で長く心に刻まれていた思いが言語化された瞬間でした。そうか、あれは自分の人生で初めて完全に物を失い、それを再び取り戻すことはできないという喪失感であったのだと。何となくわかってはいたけれどもうまく言葉にできなかったことが、優れた著者の言葉によって言語化された時の感動は今でも忘れられません。

第Ⅱ章では「自分を鍛える」(読書はスポーツだ)、第Ⅲ章では「自分を広げる」(読書はコミュニケーション力の基礎だ)と、次々と読書の本質が示されています。皆さんも『読書力』を読めば、無性に本が読みたくなってくるかもしれませんね。

 

令和2420日  校長 山 根  修
 

読書の扉(令和2年4月15日)

読 書 の 扉


『自助論』サミュエル・スマイルズ 東京大学名誉教授 竹内均訳 (三笠書房)   

『Self-Help』 by Samuel Smiles

サミュエル・スマイルズ(18121904)はイギリスの著述家です。はじめは開業医でしたが、1859年に出版したSelf-Help』が好評を博し、その後は文筆活動に専念しました。日本では明治4年に中村正直によって翻訳され『西国立志編』と題して出版されました。福沢諭吉の『学問のすゝめ』と並んで明治の若者に広く受け入れられ、明治当時で100万部は売れたと言われています。総務省統計局の人口推計によると、202031日の日本の総人口数は12,595万人となっています。明治5年の日本の総人口は3,480万人であったことを考えると、いかに当時の若者が『西国立志編』を貪り読んだかがうかがえます。

序文の「天は自ら助くる者を助く」(Heaven helps those who help themselves.)は、あまりにも有名な言葉なので、皆さんもどこかで聞いたことがあるかもしれません。その言葉に続いて「この格言は、幾多の試練を経て現代まで語り継がれてきた。その短い章句には、人間の数限りない経験から導き出された一つの真理がはっきりと示されている。自助の精神は、人間が真の成長を遂げるための礎である」と述べられています。ここにスマイルズの思想の根本が示されているように思います。いくらすぐれた制度ができたとしても、最後は本人がどのように考え行動するかにかかっているとスマイルズは考えています。『自助論』の中で「どんなに厳格な法律を定めたところで、怠け者が働き者に変わったり、浪費家が倹約に励みはじめたり、酔っ払いが酒を断ったりするはずがない。自らの怠惰を反省し、節約の意味を知り、酒におぼれた生活を否定して初めて人間は変わっていく。われわれ一人一人がよりすぐれた生活態度を身につけない限り、どんなに正しい法律を制定したところで人間の変革などできはしないだろう」と喝破しています。

全編を通して「自助の精神」「忍耐」「人生の転機を見抜く才覚、生かす才覚」「仕事」「意志と活力」「時間の知恵」「金の知恵」「自己修養」「人生の師・人生の友・人生の書」「人間の器量」などについて述べられています。また、この書の特長として多くの人物の例をあげて困難を乗り越え自分の運命を切り拓いた実践例があげられています。訳者の竹内均先生は、これは自己実現のための本だとし、特に若者に読んでほしいと訳者解説で述べています。それは人生の基本を教えてくれるような良書を得て生きる指針にすることによって、しなくてもよい回り道を回避すると同時に、人生とは何か深く考える契機となるからです。人生には思いがけない困難に直面することがあります。そのような時には共助の精神で共に助け合うと同時に、自助の精神で歩むことの大切さを改めて考えさせてくれる一冊です。

令和2415日  校長 山 根  修
 

令和二年度入学時説明会 校長講話(令和2年4月8日)

  
 みなさんこんにちは。校長の山根でございます。
 
 本日、 新入生三百六十名の入学を許可します。

 ただ今、入学を許可しました新入生の皆さん。多くの困難を乗り越えて、ここ六甲アイランド高等学校にご入学、誠におめでとうございます。教職員を代表し、心よりお祝いを申し上げます。

 保護者の皆様も 普段では考えられない状況の中 、 お越し いただき誠にありがとうございます。お子様のご入学を心よりお祝い申し上げ る と同時に 、 責任の重さに教職員一同身が引き締まる思いです。どうか今後、本校教育にご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 さて、本校には正門を入り向かって右側に掲示板があります。4月の言葉として私は「有り難いという字は、有ることが難しいと書きます」と掲示しました。皆さんは新型コロナウイルスの感染拡大防止の臨時休校措置になるまで当たり前のように中学校に通い、友達や先生と過ごしていたと思います。しかし、臨時休校措置後は以前では考えられないような生活を送ってきたのではないでしょうか。

 私たちは普段、多くのことを 当たり前だと思っていた の かもしれません。 たとえば、 普通に呼吸ができることが、実はどれほど有り難いことかということに気づかされました。朝目が覚めて、学校へ行き、友達と一緒に勉強し、部活動をすることが実は当たり前ではなかったことにも多くの人が気づいたことでしょう。

 この入学 時説明会も 限られた時間の中で行わなければなりません。例年の式辞とは随分違ったものになりますが、私が今皆さんに伝えたいことは「物事には当たり前というものはなく、本当は有り難いことなのだ」ということです。 これから人生を歩んでいくにあたり、ささ やかなことにも当たり前と思わずに、感謝の気持ちで過ごしていく習慣を身につけることができれば、それは皆さんの人生において大きな学びとなるでしょう。

 六甲アイランド 高等学校 は今、上昇気流に乗っていると言われています。 皆さんの力で更なる高みに向けて駆け抜けて ほしいと願っています 。全世界が今直面している困難も、人類の叡智によって必ず終息することを信じて皆で心を一つにしてこの困難に立ち向かっていきましょう。朝の来ない夜はありません。必ず道は開けます。
 

『読書のすゝめ』 (令和 2年3月23日)


   現在、新型コロナウイルスの感染拡大防止を目的として、神戸市立学校園において、臨時休業措置を実施しております。まさしく前代未聞の異例の措置と言えます。このような状況の中でも 、皆さんは 自分たちがやるべきことをしっかりと行ってくれていると思います。各年次ともに学習課題がでておりますが、この機会にみなさんには読書 の時間をもって ほしいと願っています。

 そもそも本を読むことの意義とは何でしょうか。私たちは無意識のうちに言葉を駆使して物事を考えています。語彙が豊かになれば、それだけ深い思考が可能になります。英作文も百の単語と千の単語とでは表現できる範囲や深さが自ずと変わってきます。十の食材と百の食材とでは 、作ることができる料理のレパートリーが違うことと同じ原理です。語彙が増えるごとに相手の言葉を正しく理解し、自分の考えを正確に伝えることができるようになるのです。

 自分では何となくわかっているけれども、うまく言葉で言い表せ なかったことが、本を読んでいると 「自分 が言いたかったことはこれだ!」 と思う瞬間があります。優れた著者の言葉によって、自分の考えがはっきりと言語化されるのです。小さな子供が癇癪を起して泣き叫ぶのは、自分の伝えたいことがうまく言葉で表せないもどかしさからではないでしょうか 。 大人になると癇癪を起すことは少なくな るの は 、 自分が伝えたいことを言葉できちんと表現できるようになるからです。

 勉強をすることの基本は何でしょうか。それはとにかく一度自分の中に受け入れることです。 理解できなく ても耳を傾ける習慣が勉強には求められます。自分に理解できないことを価値がな いと切り捨てるのではなく、理解しようと努力すること自体が学びを深めることにつながっていくのです。集中して読書をする習慣は、みなさんの学びを一段と深めてくれるでしょう。

 『声に出して読みたい日本語』の著者で、明治大学教授の齋藤孝氏は著書の『読書力』(岩波新書)の中で、「大学で教える立場からすれば、高校卒業時には高度な読書力 さえ あればいいと言ってもいい。現実には、受験勉強のために読書を しない本末転倒がおきている 」 と、本を読むことの大切さを 力説 しています。 また、「人間の総合的な成長は、優れた人間との対話を通じて育まれる。身の回りに優れた人がいるとは限らない。しかし、本ならば、現在生きていない人でも、優れた人との話を聞くことができる。優れた人との出会いが、向上心を刺激し、人間性を高める」とも述べています。 読書を通して古今東西の偉人や知識人と対話ができる楽しさを教えてくれています。 今回の休業措置が一つの契機となり、読書の楽しさに目覚めたとすれば、 それはみなさんにとって大切な気づきとなるでしょう 。
 

令和元年度 六甲アイランド高等学校創立記念講話(令和元年7月10日)

 

令和元年度 六甲アイランド高等学校創立記念講話


 みなさんおはようございます。今から令和元年度、六甲アイランド高等学校創立記念講話をいたします。


みなさんは毎日、授業で教科書の内容を学んでいますね。自分達が毎日学んでいる教科書とはいったい何であるかをじっくりと考えたことがあるでしょうか。

教科書は正式には教科用図書と言い、義務教育や高等学校などで児童・生徒が用いる教科用として編修された図書ですが、私はここでみなさんに教科書の定義を話したいわけではありません。私が話したいことは、教科書がそもそも何であるかということです。

小学校からずっと身近にある教科書を、もし一言で表現するとしたらみなさんはどのように表現しますか。私は教科書とは「文化遺産の集積」だと考えています。人類の歴史の中での偉大な発見、発明や文物などが、網羅されているとてつもない「知識の集合体」です。偉大な先人たちの発見、発明、創作によって生み出されたものが最も効率よく整理されています。何百年、何千年という気が遠くなるような人類の歴史の中で、発見、発明、創作された第一級のものばかりです。

例えば高等学校の物理で習う運動方程式F=maという公式です。Fは力、mは質量、aは加速度のことです。力は質量と加速度を掛け合わせたものということです。この公式はニュートンの第二法則とも呼ばれています。ニュートンは1643年にイングランドに生まれ、ニュートン力学を体系化し、万有引力の法則を発見し、光のスペクトル分析など数多くの業績を残した天才物理学者です。ニュートンという天才物理学者が出現するまで、力は質量と加速度を掛け合わせたものということを、人類は誰一人知りませんでした。もしかすると、それに近い認識をもっていた学者はいたかもしれませんが、公式としてあらわしたのはニュートンが初めてでした。ニュートンの運動法則は今でこそ当たり前のこととなり、多くの人が知っていますが、このF=maという公式がニュートンという天才物理学者を通して我々人類の前に現れなければ、その後の産業革命もなかったかもしれません。

私が今話したニュートンの運動法則はほんの一例ですが、それぞれの教科で第一級の重要なことが教科書には書かれているのです。教科書に書かれていることを学ぶことで、人類何千年何万年の文化遺産を受け取っているのです。ただ、教科書はある意味では冷凍状態ともいえるでしょう。しかし、先生の教えや自分自身の思考作業を通して冷凍状態のものを解凍することで、そのすごさが伝わってきてきます。この解凍作業こそが勉強と言えるのではないでしょうか。例えば先ほど話したF=maという公式ひとつをとっても、本当にそのすごさがわかれば「なんてすごいんだ!」という感動がうまれ、学ぶ意欲になるのだと思います。学校とは広い意味での文化遺産継承の場です。みなさんは先人たちが後世に残してくれた文化遺産を享受できる立場にあるのです。その文化遺産をしっかりと相続してください。

本校は赤塚山高等学校と神戸商業高等学校を再編し、神戸市の先進的取組校として平成10年4月に開校し、今年で22年目を迎えました。その源流をたどれば明治45年創立の神戸市立第一高等女学校と大正12年創立の第三神港商業学校との100年以上の歴史を有する学校でもあります。多くの先輩方の努力とみなさんの頑張りで、去年の高校入試でも兵庫県下トップクラスの高倍率の人気校になっています。先日、「2019年入試を振り返る!ユニバプレス」という大学進路雑誌の6月号に、この10年で北陸・近畿で伸びた高校としても掲載されました。 

今、六甲アイランド高等学校は平成の取り組みを土台にして、様々な面で上昇気流に乗っています。上昇気流に乗った六甲アイランド高等学校の、新たな令和の歴史を作っていくのはみなさんです。先人の思いをしっかりと受け止めて、これからも日々励んでいきましょう。

 

令和元年7月10日


                                                                                                                               

神戸市立六甲アイランド高等学校長

山根 修