神戸市立六甲アイランド高校いじめ防止基本方針
平成26年4月1日
改定 平成30年4月1日
はじめに
本校は、平成25年6月28日に公布された「いじめ防止対策推進法」を受け、いじめ防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進するために基本的な方針を策定する。本方針に基づき、教職員・保護者・地域が一体となって、いじめのない学校づくりを目指す。
1.本校の教育方針
教育目標 「心豊かに生きる生徒を育む」
教育方針
(1) 自主性を育む
・生徒一人一人が思考力を高め、行動できる自主性を育成する。
・個性豊かな人格形成を目指し、想像力あふれる豊かな感性を養う。
(2) 国際性を育む
・言語に対する理解力と表現力を高め、コミュニケーションを図ろうとする態度を育てる。
・異文化に対する理解を深め、国際感覚と国際協調の精神を養う。
(3) 豊かな社会性を育む
・人間と社会について理解を深め、互いに認め合い助け合う心、共に生きる態度と力の育成を目指
す。
(4) 地域社会に根ざした学校文化を創造する
・生涯学習社会における地域のセンターとしての役割を担い、地域社会に貢献し市民とともに歩む学
校づくりを進める。
2.いじめに関する基本的な考え方
文部科学省におけるいじめの定義は「いじめとは、生徒等に対して、当該生徒等が在籍する学校に在籍している等当該生徒等と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった生徒等が心身の苦痛を感じているものをいう。」とされている(下記注1.2.3.4.5参照)。本校では、すべての生徒がいじめに巻き込まれる可能性があるものとして、全員を対象にした、いじめの未然防止と早期発見を行うことが最も合理的で有効な対策であると考える。加えて、他の生徒や大人との関わりあいを通じて、生徒自らが人と関わることの喜びや大切さに気づいていくこと、人との絆を深め、他人の役に立っている、他人から認められているといった自己有用感を獲得することが、いじめを始めとした生徒指導上の諸課題の改善につながるものとして、その推進に努めることとする。また、学級活動や生徒会活動の中で、自主的にいじめの問題について考え、議論すること等のいじめの防止に関する活動に取り組む。
いじめをなくすために、神戸市いじめ指導三原則「するを許さず」「されるを責めず」「第三者なし」に則り、学校教育全般で実践される必要がある(下記注5.参照)。また、日頃から、個に応じたわかりやすい授業を行うとともに、深い生徒理解に立ち、生徒指導の充実を図り、生徒が楽しく学びつつ、いきいきとした学校生活を送れるようにしていく。
(注1)「一定の人間関係のある者」とは、学校の内外を問わず、例えば、同じ学校・学級や部活動の者、当該児童生徒が関わっている仲間や集団(グループ)など、当該児童生徒と何らかの人間関係のある者を指す。
(注2)「心理的な影響」とは、「仲間はずれ」や「集団による無視」など直接的にかかわるものではないが、心理的な圧迫などで相手に苦痛を与えるものも含む。
(注3)「物理的な影響」とは、身体的な攻撃のほか、金品をたかられたり、隠されたりすることなどを意味する。
(注4)けんか等があっても、その背景にある事情を確認し、いじめに該当するか判断する。
(注5)「するを許さず」いじめはその人の将来にわたってまで内面を深く傷つけ、健全な成長に影響を及ぼす重大な人権問題である。そのような卑劣な行為は人間として絶対に許されるものではない。「されるを責めず」いじめられる子供にもそれなりの理由や原因があるという考え方は徹底して一掃しなければならない。いじめはだれよりいじめる子供に非があるのであり、いじめられる子供の責めに帰すことは断じてあってはならない。「第三者なし」いじめをはやしたてたり、傍観したりする行為もいじめる行為と同様に許されない。いじめに関する正しい認識を子供たちに持たせ、いじめを見たら見捨てておけないという正義感と思いやりある子供たちを育てなければならない。
3. いじめ問題対策委員会の設置と役割
(1) 六甲アイランド高校 校内いじめ問題対策委員会を設置する。
委員の構成は、校長、教頭、指導部長、生徒指導担当、関係教員、養護教諭、スクールカウンセラーとする。ただし、必要があると認められる場合は、特別支援コーディネーターの教員、スクールソーシャルワーカー等を加える。
(2) 校内いじめ問題対策委員会の役割
いじめ対策についての総括的組織としての「校内いじめ問題対策委員会」を設置する。校内いじめ問題対策委員会は、いじめ対策について意志決定を行い、すべての教員が一致団結していじめの問題に取り組むための指導的役割を果たす。いじめの問題の指導には、学級担任等が個々に取り組むのではなく、学校をあげた取組を推進し、状況に応じたメンバーでチームを組んで指導する。
4. 対応方針
(1) いじめの未然防止
すべての生徒が安心・安全に学校生活を送ることができ、規律正しい態度で授業や行事、部活動に主体的に参加し活躍できる学校づくりを進めていく。学級活動や系活動、行事、部活動等を通して、生徒一人一人が「自分を理解する」「自分を表現する」「仲間を理解して受け入れ信頼関係を築く」等の人間関係力、コミュニケーション力、社会的スキル等を育てる取組を進める。そして、仲間同士で認め合い支え合う関係を深め、すべての児童生徒が達成感をもち、自尊感情を高め、常に心のエネルギーを満たし、自分の居場所がある温かい集団づくりを進める。
また、すべての教育活動の中で、いじめを許さず、阻止するという強い意識といじめを解決できる力をもった自浄力のある生徒集団を育成することにより「いじめを許さない学級・学校づくり」を実現していく。
さらに、社会における規範や決まりを守ることの意義等を指導し、規範意識の醸成と道徳性、社会性の伸長を図る。いじめ問題に関する校内研修を年に複数回実施し、全教職員のいじめ問題に対する意識向上を図り、共通理解のもと未然防止・早期発見・早期対応に努める。
(2) 早期発見と早期対応
早期発見の基本は生徒の些細な変化に気づくことから始まる。そのために、日常の学校生活の中で教員が積極的な言葉かけを行い、生徒の状態の把握に努めることを心掛ける。
また、いじめに関するアンケートを定期的に実施し、アンケートを通して、生徒にいじめへの認識を深めさせるとともに、アンケート結果をもとに実態把握を行い、必要に応じて個別相談を実施する。さらにスクールカウンセラーや養護教員と効果的に連携し、生徒の悩みを積極的に受け止める機会を設定する。いじめの兆候に気づいたときには、問題を軽視することなく早期に事態把握を行い、対応する。
いじめを発見したときには、生徒から個々に事情を聴き取り、事実確認を行うとともに、関係教職員で情報共有して、指導体制、方針、役割分担を明確にして対応する。被害生徒・保護者には、心情を汲み取りながら、解決に向けた指導方針・相談体制等を伝達する。
なお、暴力的な行為や暴力を伴ういじめなど重大事態については、状況に応じて、神戸市教育委員会事務局、所轄警察署、青少年サポートセンター、こども家庭センター、医療機関等と適切な連携をして解決にあたる。
(3) 特別な支援を必要とする生徒への対応
障害のある生徒一人一人がいじめを受けることなく、充実した学校生活を過ごし、将来の自立に向けた適切な支援を受けることができるようにするため、次のような取組を進める。
①一人一人の生徒のニーズに応じた一貫した教育的支援を進めるため、学びの支援ネットワークプラン(個別の教育支援計画)や個別の指導計画を作成しこれらの計画に基づいた適切な支援が行えるよう指導を行う。
②特別支援コーディネーターの資質向上や、特別支援教育校内推進委員会の活性を図ることにより、特別な支援を要する生徒の見守り態勢の強化・充実を図る。
③教職員間の情報交換を密に図り、個々の生徒への支援を行うとともに、校内の特別支援教育に係る研修を行い、教職員の資質の向上を図る。
(4) 特に配慮を要する児童生徒への対応
特に配慮を要する生徒がいじめを受けることなく、充実した学校生活を送ることができるよう、正しい理解を深めていくための校内職員研修の実施や、個々の生徒の状況に応じて学校として必要な対応を行う。
①海外から帰国した生徒・外国人の生徒・国際結婚の保護者をもつなどの外国につながる生徒。
②性同一性障害や性的指向・性自認に係る生徒。
③各地での災害や事故等により被災した生徒や避難をしている生徒。
④特別な事情があり、親元を離れて生活をする生徒。
(5) インターネットやソーシャルメディア利用によるいじめへの対応
インターネットや携帯電話、スマートフォン等の扱いについては、ネット社会の利便性と特殊性に起因
する危険性やトラブルの発生形態などについて最新の情報を把握し、情報モラルの教育を実施する。加
えて、その使用に際してのマナーやルール、仕組みなどを正確に理解し正しく活用できるよう、学校と家
庭で十分に連携し指導していく。学校だけでは十分な対応が困難な場合など、状況によっては警察や法
務局等の関係機関と連携して対応する。
(6) いじめの解消について
いじめが「解消している」状態とは、少なくとも次の2つの要件が満たされているものとする。
① いじめに係る行為が止んでいること
いじめを受けた生徒に対する心理的又は物理的な影響を与える行為が止んでいる状態が、少なくとも3か月の間継続していること。
② いじめを受けた生徒が心身の苦痛を感じていないこと
いじめを受けた生徒本人及びその保護者に対し、心身の苦痛を感じていないかどうかを面談等に
より確認する。
上記2つの要件に捉われることなく、学校は必要に応じて他の事情も勘案して判断し、中長期的な視点でも児童生徒の人間関係・生活状況を見守り、改善に向け導いていく。
5. 重大事態への対処
重大事態とは、いじめにより、生命・心身または財産に重大な被害が生じた疑いがある場合、または、相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがある場合、生徒や保護者から、いじめられて重大事態に至ったと言う申し立てがあったとき、をいう。
重大事態が発生したときは、速やかに神戸市教育委員会事務局に報告する。教育委員会事務局の判断のもと第三者からなる組織を設け、事実関係を明確にするための調査を行い調査委員会に報告する。いじめを受けた生徒やその保護者に対しては、調査委員会により明らかになった事実について、随時、適切な方法で報告・説明する。調査結果を踏まえたその後の必要な措置については、神戸市教育委員会と協議して決定する。
6. 保護者・地域・関係機関との連携
学校でのいじめの現状や取り組みについて発信し、家庭や地域と連携して、いじめを撲滅するための情報交換や啓蒙活動を行う。また、朝の挨拶運動や登下校時の声かけ運動などを通じて生徒の様子を積極的に見守る事を実践する。いじめの問題については、学校のみで解決することに固執してはならないことや、学校においていじめを把握した場合には、速やかに保護者に報告し、適切な連携を図っていく。学校におけるいじめへの対処方針、指導計画等の情報については、積極的に公表し、保護者等の理解や協力を求めるとともに、各家庭でのいじめに関する取組のための具体的な資料として役立ててもらえるよう発信していく。
7. その他
本校は、いじめ問題対策委員会によって、適宜、基本方針を見直し、必要があると認められるときは改訂を行う。
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