SSHの取組の一環として、9月30日(火)にSSH課題研究発表会を実施しました。神戸ファッション美術館・オルビスホールにて、本校総合科学系3年次に加え、音楽コースや社会科学系生徒が科学研究発表に臨みました。
司会はESS部が英語で行い、流暢な英語司会は来賓の方々から高く評価されました。本校のSSHは、生徒自身の興味関心に応じたテーマを設定し、科学課題研究を行う活動を推進しています。
1班 「ミドリムシの油成分の抽出」
栗本雄飛(鷹匠中)、久保添智成(向洋中)、後藤大樹(向洋中)、土居知己(上甲子園)
近年、ミドリムシは大量培養の道が開かれ、豊富な栄養素から飲料・食糧への活用や、代替燃料としての活用にも注目されている。私たちは、特に培養技術とエネルギーや環境問題対策の1つとして、代替燃料の活用に強い興味を持った。本実験では、ミドリムシを培養し、抽出した油の燃料としての機能を検証する。
2班 「水質調査について」
小堀有輝(本山南中)、小寺絢子(住吉中)
私たちの生活のすぐそばにある六甲アイランドの海では赤潮が発生していることが多く、その原因と考えられる富栄養化について調査した。本実験では、紫外可視分光光度計を用いたリン酸濃度の測定を行った。
3班 「プラナリアの再生実験」
稲垣実央(長峰中)、加島由貴(上野中)、一色由衣(本庄中)
切っても切っても再生するプラナリアという生物がいることに驚いた。そこで、自分たちでプラナリアの再生を観察しようと思った。本研究では、プラナリアの口の再生に興味を持ち研究した。また、プラナリアの生態を知ることができた。
4班 「生物発光とpHの変化」
川勝薫平(長峰中)、掛谷優介(魚崎中)、田中健太郎(鷹匠中)
ホタルとウミホタルの発光を、pHを変えた水溶液中で行って発光の変化を記録する。そこから、ホタルとウミホタルの発光の違いその理由を調べ、ウミホタルとホタルでは発光基質ルシフェリンがまったく違うことが改めてわかった。
5班 「タテジマイソギンチャクの闘争行動を指標としたクローン調査」
森拓磨(本庄中)、松田良生(上野中)
学校周辺の海岸にはタテジマイソギンチャクが生息している。このタテジマイソギンチャクの闘争行動を利用して兵庫県南部で同じクローンのタテジマイソギンチャクがどのように分布しているのかを調べる。
6班 「アイスプラントを用いた細胞融合による雑種作り」
近藤凌介(大原中)、春田秀匡(本山南中)、辰己司(伊丹・松崎中)
私たちは難民を救う作物を作るため、塩性土壌に耐えうる食用作物を作りたいと考えました。その中で、遺伝子操作などの難しい実験は高校生には限界があることに気づき、私たちにも実行可能なプロトプラストを使った細胞融合で作る事が可能か確かめることにしました。
7班 「Collection and distribution of water bear」
Marina Kotani(Hyogo jr.)、Yuri Hino(Mikage jr.)、Marina Yamanaka(Sumiyoshi jr.)
We are interested in Water Bear, because it is said they have strong life power. We have a question. If we can find any Water Bear on Rokko Island, which is relatively new island, and man made. Whether Water Bear would be in Rokko Island where a sea breeze is strong.
8班 「ロクアイタンポポ」
越智佳歩(舞子中)、内野佳世子(神戸生田中)
ロクアイタンポポとは、六甲アイランド島内で発見された巨大タンポポです。本実験では、コルヒチン処理により、染色体の本数を数えることができるようになった。
9班 「シロツメクサの大きさと土壌中に含まれる窒素化合物ついて」
太田圭祐(本山中)
正門前にとても大きなシロツメクサがあることに興味を持ちその理由を調べることにした。本実験では正門前とアリーナ前にあるシロツメクサの茎の長さを調べそれが生えている土壌中に含まれている窒素化合物の量との関係について調べることにした。
10班 「なぜ、いよかん寒天が固まらないのか」
坪郷千絵(住吉中)
家で、いよかんゼリ-を作ったとき、固まりませんでした。この作り方は、寒天といよかんを絞った汁を一緒に煮込んでから、冷蔵庫で冷やしましたが、固まりませんでした。なぜ固まらなかったかを知るために、実験しました。
11班 「蛍光物質の合成と測定」
矢野君晟(西宮浜中)
蛍光について興味を持ったため、蛍光物質を作成した。今回、蛍光物質であるフルオレセインを合成した。また、希土類元素のセリウムの化合物である硝酸セリウムを合成し、蛍光物質を作成した。作成した蛍光物質の蛍光スペクトルを蛍光分光光度計を用いて測定した。
12班 「ルミノール発光」
渕上翔貴(御影中)、山田晟登(鷹匠中)、佐々木皓大(本山中)、藤原昌幸(本山南中)
ルミノール発光とは、ルミノールという化合物が酸化されて青色の蛍光がでるのが特徴です。ルミノール発光は鉄分を触媒として起こる反応で、警察などの鑑識などで主に使われています。これまでの文献調査によってルミノール発光の時間を延ばすことが可能だとわかったため、今回の実験では2種類の濃度の異なるルミノール溶液を用意し、濃度の違いが発光時間に影響するかどうかを調べました。
13班 「紙の黄ばみ」
阿部遥(精道中)、飯野有紗(向洋中)、谷澤美咲(横浜・上菅田)
紙が黄ばむ理由を調べ、紙の黄ばみを防ぐ方法はないか、また紙の黄ばみを取り除き、もとの白さに戻す方法はないかを、実験を通して研究してきた。
14班 「炎色反応と光スペクトル」
黒田裕也(鷹匠中)
私は、炎色反応に興味があったため、文献調査を行いました。そのとき、炎色反応と光スペクトルは関係があることを知りました。そこで、本実験では、炎色反応により肉眼で確認できる色と、分光器を使い観察した色を自分で確かめるためです。
16班 「クラゲタンパク質の分子量測定」
新洋佑(烏帽子中)、大柄翔輝(原田中)、大橋風音(本山中)
金魚の鱗の表皮細胞の増殖やプラナリアの再生芽細胞の増殖の阻害、また、ムラサキイガイの足糸の接着忌避ができるクラゲのタンパク質抽出画分に含まれるのはどのようなタンパク質なのかを分子量を測定することにより調べた。
17班 「X線を用いて解析する超新星」
下出水彩(浜脇中)
X線を使って「ティコの超新星」と「ケプラーの超新星」を解析することにより、2つの超新星の構造と、それを構成する元素を知ることができた。2つの超新星を比較して違いについて考察する。
18班 「パプリカのビタミンC」
鶴田七海(本庄中)、新居祐希(本庄中)、中西琴利(渚中)
私たちの研究は、日常の健康維持に不可欠なビタミンCが、身近な野菜や果物にどれくらい含まれているのか。また、保存期間や保存方法の違いにともなうビタミンCの酸化による損失量の変化や、野菜や果物に含まれている色素との関係を調べることを目標にしている。測定は試料として二色の色鮮やかなパプリカとレモンを選び、濃度既知のヨウ素溶液による酸化還元滴定法で行った。
19班 「香りつきマイクロカプセルの試作」
兼本祐生(鷹匠中)、吉田隼樹(鷹匠中)、雲丹亀博美(本庄中)
P&Gジャパン(株)による特別授業の中で、自分好みの香料作成実習を体験したことから香料や界面活性剤に興味を持ち、すでに製品化されている潰れたときに香りがあふれるマイクロカプセルが、私たちにもできないか試作してみることにした。
20班 「バイオエタノールの精製」
花岡優樹(鷹匠中)、増谷龍一(筒井台中)
バイオ燃料にはトウモロコシなどの食品を大量に消費するなどの問題点があり、食糧不足の拡大などの恐れがあります。そこで私たちは食品を使用せずに竹を使用してバイオエタノールを精製する方法を調べることにしました。
21班 「放射線源による過飽和状態への影響」
氏家弘貴(本庄中)
本実験の目的は、過飽和状態にある溶液が、放射線の影響により結晶化することを確かめることです。また、なぜ結晶化が起こるかを考察し、また、自然に結晶化する場合と放射性物質が在った場合との時間の差を計測します。
22班 「活性酸素の分解」
本田佳輪(向洋中)、勝間田初音(神戸生田中)
私たちの目的は、「身近にあるけどあまり使わない」料理の際に残ってしまったかぼちゃの種などから活性酸素を分解する物質を探すことです。しかし、思っているように種をつぶすことができなかったので、今回は市販のナッツ類で実験しました。
23班 「バナナを使った身体への光の影響」
菅勇登(御影中)、籔野大希(井吹台中)、丸岡悟朗(長峰中)
今日、私たちは学習や仕事に電子機器を日常的に長時間使用しなければならない環境におかれている。特に、液晶画面やLED照明などの光には波長が380nm~500nmのブルーライトと呼ばれるものが含まれており、ブルーライトが眼に悪いといわれていることから、この原因を実験で調べてみることにした。
24班 「六甲アイランド高校に吹く風」
藤田桂(原田中)、仲西航平(本山南中)
私たちは気象分野に興味があり、六甲アイランド高校独自の気象環境を調べようと思った。特に校内の風の特徴を調べることは、教室の窓の開閉によって少しでも夏場のエネルギー節約に結びつくのではないかと考えた。その中で風という点に着目し、このテーマを選んだ。
25班 「コンパスと定規を用いた正n角形の作図」
大塚瑠花(垂水中)
本研究は、コンパスと定規のみを用いてさまざまな正多角形を作図することを目的としている。今回、正12角形を簡単に作図する方法を見つけることを目的とした。
The objective of this study is to draw a variety of regular polygon by using only ruler and compass. This time, the object is to find a way to draw easily regular dodecagon.
芸術系音楽コース 「植物の生長と音楽」
岩崎有里加(御影中)、柏本佳樹(本庄中)、三神山愛(西代中)、森野萌(住吉中)
私たち芸術系音楽コース2班は、昨年度からの継続研究として音楽が植物の生長に与える影響について調べた。同様のテーマの課題研究は他校でも実施されているが、本校の強みは、音楽コースに防音設備が整ったレッスン室が複数設置されていることである。本研究は植物に長時間音楽を聞かせ続ける必要があるため、本校は本研究に非常に適した場であるといえる。私たちはこの利点を大いに生かし、2ヶ月間、ほぼ毎日夜間の間植物に音楽を聞かせ、昼間は日当たりの良い本校の屋上に置いて植物を育て、音楽の種類によってどのような変化が見られるかを調べた。
社会科学系 「銅鐸の研究(実験考古学)」
川村勇貴(原田中)、高島潤(上野中)、齊藤雄大(山手中)、渡邊皓輝(上野中)、山本竜士(向洋中)、松浦健悟(御影中)
兵庫県の銅鐸の出土数は全国一位であり、神戸市灘区の桜ヶ丘から出土した銅鐸は特に有名である。しかし、神戸市内での石鋳型の出土は1件だけで稀少であること。昨年度の鋳造実験では、鋳型上の湯口配置や形状が原因で湯の回りが不充分となり、上身約2/3が未完成に終わったことから、再度挑戦したいと思った。
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