神戸の自然シリーズ20 神戸の淡水魚 原著
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(オヤニラミの続き)
■オヤニラミの習性と採集

 オヤニラミは最近激減しており、その保護が叫ばれている流水魚の1種である。オヤニラミの減少の理由としては河川改修工事があげられるが、他にも採集がきわめて容易であることも大きな原因である。

 オヤニラミの採集方法にはいくつかあるがそのうちの一つに習性を利用したものがあげられる。

 オヤニラミの習性とは、石のくぼみや、土管の中、あるいはジュース・カンなどにかくれることが多く、それぞれの中に単独で入ることである。

 水槽内でオヤニラミを飼っていて塩ビパイプなどをしずめておくとその容器を巣として入っている。オヤニラミの入っている容器を水面上にとり出そうとしても、その中にとどまったままでいる。その中をのぞくとマナ板のコイのようにおとなしく静かに横たわっている。オヤニラミは巣にしている容器と運命を共にするのである。

 これに比べて他の魚はどうか。ナマズにしろ、あのブラックバスにしろ、水面にとりあげる寸前には、さっと容器からとび出してしまう。巣に対する執着の違いである。


オヤニラミの巣になるもの


 では、オヤニラミの習性を利用した採集法はどのように行うか。

 これは神戸市内ではなく、まだかなりの数が生息する兵庫県西脇市以北の河川の例であるが、次のように行う。

1. 河川に投げこまれている空かん(ジュース・カン)や捨てられた長ぐつ、 古タイヤなどをひき上げる。
2. その中にかくれているオヤニラミをとり出す。

 オヤニラミの採集はこれだけで、網も、釣用具もいらなくて獲れる。実際、著者がオヤニラミの生息地にいく時は、空のジュース・カンをいくつか持っていくことにしている。そしてすぐにそれを川に投げ込み、オヤニラミが中に入るのを待つ。しばらくして、川の中のゴミ類(空かん)をひきあげる。つまり清掃するのである。これを何度かくり返す。おもしろいのでつい夢中になって時間がすぎてしまう。

 しかしこの清掃作業は、一日中熱中して続けるべきではない。

 翌日、次のような後遺症が残る場合がある。街を歩いていて空かんを見つけると、ついその場所へ急いでいってしまう。無意識のうちにその空かんをとりあげて中を期待をこめてのぞいてしまうのである。中はまっ暗で、ほどなくジュースの残りしずくがポタリとほほに落ちて「ああそうか」ここは陸の上であったのかと気づくのである。

 オヤニラミの採集はほかにサデ網による方法がある。

 この方法は河川の両岸や、水の中から生えている雑草や水草をすくうようにして採る方法である。柳の葉の下にも多いといわれている。

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