神戸の自然シリーズ2 神戸のかたつむり
  前ページへ 目次へ 次ページへ
陸に住む貝

 「陸に貝が住む」と聞くと「陸に住む貝があるって? 貝は海のものじゃないのか」と言う人がある。貝→海、砂浜にちりばめられた美しい貝がらを想う、ロマンチック派、アサリ、カキ、サザエなど魚屋さんの店頭で見られる食用の貝を思い浮かべる実利派、それぞれ海のイメージが強すぎるのかもしれない。陸にどんな貝が居るのと聞かれて「例えばカタツムリ」というと、ああそうだった、そういえばそうだね、巻いた貝殻を背負っているねということで、始めからカタツムリといえばよいのにという顔をされる。

 もっとも普通にいう「かたつむり」は陸産の貝類のうちの、大型で人目につきやすい仲間をさして一般的にいわれる言葉で、陸貝のすべてを指してはいない。陸産貝類の大部分は貝殻の大きさが10mm以下で、中に成貝でも2mm程度のものもあり、ふつう目立たない存在のもので占められている。種類数はかなりあって、神戸市域に90種(亜種、地方型を含む)以上の生息が認められている。その生息地点も海岸から山頂部まで、市街地の小さな庭にも、ちょっとした畑地にも何種かの陸貝がみられる。

 「かたつむり」というと、動作が緩慢で、水分がないと動かず、のろまなものの代表として、よく扱われる。たしかに陸貝は、小形で、移動性に乏しいので、地理的変異に富み、それぞれ分布を調べると、興味ある事柄が浮かび上がってくる。また陸貝は飼育も容易で、我々の身近かで安全に触れることのできる動物として、教材に適している。身近かにありながら、意外と知られていない、この小動物を調べてみよう。

前ページへ 目次へ 次ページへ