神戸の自然シリーズ2 神戸のかたつむり
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II.神戸に住む陸貝

(1)陸貝の豊庫・神戸

 神戸市は大阪湾岸から、六甲山系の西半分を含み、更に西北部に帝釈山地及び周辺の丘陵地帯から、播州平野まで広大で変化に富んだ地形を持っている。もっとも近年、大規模な開発が進み、丘陵地どころか、山地変じて大住宅地になるという状況が随所に見られ、昔のおもかげを止めないところが多くなっできた。私が神戸の陸貝を調べはじめた昭和27年(1952年)ごろからでも大きな変化である。そうはいっても神戸は他の大都市に比べ自然に恵まれたまちといえる。陸産貝類も90種を数え、日本全国に産するものの一割以上ということになる。この数は他都市と比べてかなり多い数といえる。次に述べるように平野に住むもの、山地のもの、人間が持ち込んだ?ものなど、いろいろな特性を持ったものがいるというわけである。意味は違うが、国際都市にふさわしい雑多性を陸貝も持っているようである。

 もっとも種類の多いのは山地性の昔からの自然状態が残っている地域であって、灘区摩耶山天上寺周辺、北区丹生山頂上など社寺林として保護されたところが部分的にあるにすぎない。しかし神戸では、山地及び周辺の集落、市街地でも樹木の多いところでは、かなりの種類の陸貝が住んでいるもので、ただ人目につかないだけといえる。例えば、兵庫区の夢野中学校は山地を開いた学校で、昭和30年ごろは校舎裏に茂みや、畑地の部分も一部残っていた。この学校の敷地内をくわしく調べると、20種の陸貝が得られた。また裏山一帯では実に43種の生息が認められた。「かたつむり」は公害に弱い代表のようにいわれる。これは事実と思うが、一方悪条件の中でも生息を続け、あるいは拡げているものもある。東灘区の本庄中学校は昭和20年に周辺一帯が戦災に会い、焼け野原になった地区であり、校舎も一度火災に会い、今また、43号線公害のまっただ中にあるのだが、ここの人工的な中庭にも6種類の陸貝が認められた。あなたも家のまわりを調べてみられては?

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