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| II.神戸にすむ陸貝 |
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(3)人間が分布を拡げた陸貝
人が動植物の分布を拡げるといってもいろいろな場合があり、その原因が古い時代にあると、今となっては何ともいえないということになり、厳密にいえないことが多い。
陸貝の場合も、この貝をここへ持ち込んで増やそうと考えて実行されたことはほとんどない。しかしそういう人間の意志は働らかなくても、栽培植物について分布地域を拡げたものがある。農作物に付いて拡がったもので、よく知られているものに、オナジマイマイとウスカワマイマイがある。オナジマイマイは原産地チモール諸島といわれ、サトウキビ等について東南アジアなど熱温帯地方のかなりの部分へ拡がっている。日本へもかなり以前に入ってきたもののようで、ほとんど日本全土に拡がっている。このように外国から入ってきたものでなくても、国内で農作物について分布を拡げていったものも多い。
神戸市城でも、オナジマイマイ、ウスカワマイマイともに畑地及びその周辺の人間の手の加わった地区に分布するが、人手の入らない山の中には住んでいない。
畑地だけでなく、人家周辺に多い陸貝も人の手により分布を拡げたものと考えてよいものがある。庭の植木鉢の底によくついているコハクガイ、ヒメコハクガイ、オカチョウジガイ、ホソオカチョウジガイや海岸地方ではミジンマイマイなどがその例である。また同じくトクサオカチョウジガイは近年、非常に勢力を強めた貝といえよう。また南方系の観葉植物を育てることが流行しており、喫茶店などの営業用に貸鉢もさかんである。これらの鉢植の養生に八丈島、屋久島などの南方の島々に送られている。このような鉢植に南方のキセルガイが付いてきていた例が、最近神戸市周辺の兵庫県内で、数例知られている。
似たような例で神社などへの献木について分布を拡げたと思われるものが、全国的にはかなりあるが、神戸では、それらしいものはあっても確実にいえるものはない。
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