写真からもわかるように胞子のう群は長楕円形から円形で包膜はない。胞子は7月頃から熟しはじめる。夏緑性のシダなので、秋が深まってくると地上部は枯れてしまう。
六甲山で、このシダの生えていた場所は水の流れている谷筋なので、大水などの被害を受けるのではないかと心配していた。はたせるかな、1967年7月7日、1938年(昭和13年)の大水と同じくらいの記録的な大雨が降った。数日後、エビラシダの自生地を訪れた。付近の谷は荒れ、無惨な状態で、エビラシダの姿をどこにも見ることができなくなっていた。
川崎正悦先生は、六甲山頂の東、石の宝殿付近にも自生地があると話しておられたが、詳しくお聞きできないうちに他界されてしまわれた。エビラシダは、兵庫県では六甲山だけしか見つかっていないシダである。近畿地方でも、三重県・奈良県に数か所生えているだけの稀産のシダである。
日本では、群馬県を北限にして関東地方から南の十数県に分布する。四国に生えているが九州にはない。世界でほ中国・ネパール・フィリッピンなどに分布している。
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