神戸でいちばん欠けているのは,大河川の中・下流域という水環境でしょう.しかし,北区道場町にごく一部ですが武庫川が流れています.この本流,および武庫川水系の有馬川,有野川,船坂川,波豆川には,やはり他とは少しちがうトンボがみられます.また,道場町には湿原が残っています.
この付近にはグンバイトンボやオナガサナエがすみついています.ヤマサナエ,オジロサナエ,コオニヤンマの個体数もかなり多く,ハグロトンボもいます.キイロヤマトンボの記録があるのもここです.また場所ははっきりしませんが,この付近で過去にはアオハダトンボが記録されています.ホンサナエ,アオサナエという中流域のトンボも健在です.湿原ではハッチョウトンボが群れ飛んでいて,サラサヤンマ,エゾトンボ,ハネビロエゾトンボ,オニヤンマがみられます.また湿原へ通じる道の途中には水がしみ出しているところがあって,ムカシヤンマがひっそりとくらしています.
以上神戸のトンボのすみかをおおざっぱに説明しました.このように紹介するとたくさんのトンボがいるようにみえますが,神戸のトンボたちも数が減っていて,かなり「熟練」しないとすべてのトンボと出会うことはできません.私の子どもの1960年代はじめころは,現在新神戸駅があるあたりの生田川でも,夕方無数のギンヤンマが飛び交い,ぶりという道具をつかってそれを採ったのを覚えていますが,現在はそういう場所はなくなってしまいました.
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