新・神戸の自然シリーズ1 神戸のトンボ
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16.オツネントンボ Sympecma paedisca
写真2-23.オツネントンボ.須磨区多井畑.1990.4.25. オスの静止.


分布:神戸ではかなり限られた場所でしかみつかっていないトンボですが,筆者の調査不足の感もあります.今のところ,北区道場町,西区櫨谷町,須磨区多井畑,長田区一里山町などの記録があります.1928年に芝川又之介という人が「須磨」で採集したという記録が宝塚昆虫館の標本目録にあります.

生態:成虫で冬を越す3種類のトンボのうちの一つです.あたたかい春には4月の中旬に水辺に現れています.4,5月に産卵を終えいったん成虫はすがたを消します.産みつけられた卵は2週間ほどでふ化し,幼虫はその後1か月半もすれば羽化します.ですから次の世代の成虫は,早ければ6月の終わりには出てきます.この成虫はそのまま夏,秋,冬を越し,翌年の春に交尾・産卵をすることになります.

 他県では倉庫などの建物のなかで冬を越している個体がときどき発見されていますが,夏にどこにいるのかが意外と知られていません.また,新しくトンボ池などをつくると,その最初の春にどこからともなく飛来し,その6月にトンボ池第一号の生育種として大量に羽化することがあります.これらのことから考えて,かなり広い範囲を移動しているイトトンボであるといってもよいと思います.ふつう連結植物組織内産卵をします.

形態:腹長26〜31mm.からだがかっ色のイトトンボで,成熟すると複眼が青くなります.地味ですが美しいトンボです.

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