新・神戸の自然シリーズ1 神戸のトンボ
  前ページへ 目次へ 次ページへ
47.ルリボシヤンマ Aeshna juncea juncea
写真2-60.ルリボシヤンマ.東灘区本山町.1989.9.10.オスの縄張飛翔.(近藤祥子氏撮影)


分布:北方系のトンボで,最後の氷河期後の温暖化とともに高地に取り残されたと考えられる種です.兵庫県下では,ハチ北高原,氷ノ山,杉が沢高原,砥ノ峰高原などの高標高地におもに分布しています.松本健嗣氏は,1982年の神戸市とその周辺のトンボの概説で,六甲山には本種はいないだろうと予想していました.ところが,近藤祥子氏によって1988年10月1日に東灘区の岡本梅林(標高70mの低地)ではじめて目撃され,さらに翌1989年8月に同氏らの調査によって,芦屋市と神戸市の境界線上にある谷の神戸市側で羽化殻と成虫が採集されて六甲山系での定着が確認されました.その後,岡本洋一氏によって1991年9月29日に山田町下谷上森林植物園学習の森でオスが確認され(岡本洋一氏私信),分布が六甲山系の広い範囲に広がっていることが示唆されました.筆者は1992年9月26日に同じく学習の森で,産卵に訪れていたメスを確認しました.今のところ市内の記録地はこれら3ヶ所しかありません.

生態:羽化殻の採集記録によると,8月の上旬には羽化をはじめているようで,10月まで成虫が見られるようです.9月ころになると,オオルリボシヤンマのいないときに,湿地や池の上をホバリングをまじえてパトロールしているすがたが観察できます.湿地や池の,岸辺の土やコケの中,あるいは水生植物の茎などに産卵するようです.

形態:腹長48〜58mm.オオルリボシヤンマと,とくにメスは非常によくにていますが,胸の横の淡色条の形のちがいでみわけられます(写真2-62参照).

前ページへ 目次へ 次ページへ