新・神戸の自然シリーズ1 神戸のトンボ
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66.ハッチョウトンボ Nannophya pygmaea
写真2-82.ハッチョウトンボ.北区山田町.1990.6.12. オスの静止.


分布:神戸では,丹上・帝釈山地に点在する湿原や,道場町の湿原,また西区ではため池の奥手で,水がわき出して湿地状になったところなどに生息しています.明石では現在でも住宅街に取り残された池でもみいだされますし,また宝塚昆虫館の標本目録中に,「1935年7月7日,1♀,御影」というM.Kometani氏の採集記録があったりして,かつては,平野に広く分布していたことがうかがえます.地層の間を地下水が流れ,それが地表に出ているところから水がしみ出すという場所が多くあります.有史以前はこのような場所は無数にあったと思われ,そこには湿地ができ,ハッチョウトンボはふつうにみられるトンボであったと考えられます(裏表紙写真参照).しかし,農耕が始まるとそういうところはいち早くため池にされ,湿地が水没し,生息環境が徐々に失われていったと思われます.とくに最近のコンクリート張りで,よく手入れされたため池では生息できません.最近,休耕田でみつかるという報告がありますが,筆者は神戸ではまだそのような事例はみたことがありません.松本健嗣氏の採集記録の中に押部谷町福住(湿田)というのがあり,これがその事例になるかもしれません.

 記録は,北区道場町,淡河町,山田町,西区押部谷町,櫨谷町,垂水区多聞町,長田区鹿松町,灘区六甲山町などというのがあります.筆者はこれらの記録地を1989年以降一通り調べましたが,押部谷町,花山町,北六甲,小部ではみつけることができませんでした.

生態:神戸では5月下旬に羽化が始まり,9月中旬まで成虫をみることができます.オスが警護する中で♀は単独で打水産卵をします.

形態:腹長10〜13mm.この小ささで他種と絶対にみまちがうことはありません.

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