新・神戸の自然シリーズ1 神戸のトンボ
  前ページへ 目次へ 次ページへ
71.タイリクアカネ Sympetrum striolatum imitoides
写真2-86.タイリクアカネ.東灘区向洋町.1994.10.9. 休息するメス.


分布:神戸では,秋に,海岸近くの市街地でそのすがたをみることができます.幼虫は学校のプールや,街中の公園の池で繁殖していることがあります.北区有野町,山田町,西区平野町,垂水区平磯,名谷町,須磨区菅ノ台,多井畑,妙法寺町,長田区蓮池町,中央区港島中町,東灘区岡本,向洋町などの記録があります.

生態:神戸市周辺では羽化は5月から7月にかけておこなわれます.羽化した成虫は夏が終わるまで山地へ移動して過ごしますが,アキアカネのようには簡単にはみつかりません.谷筋にそった山の中腹にいるのではないかと思われます.10月ころに海岸近くの水辺へすがたをあらわします.このころの晴れた日,午前10時過ぎになると,オスは,停止飛翔をしながらゆっくりとすべるように移動して水面上をパトロールしはじめます.こうなると,他のアカトンボのように止まることはなく,また他のオスや連結産卵するペアに干渉します.池にあらわれたメスをみつけるとつかまえてタンデムになり,交尾をします.交尾は池のそばの植木などに止まっておこなわれます.本種はふつう開けた水面で連結打水産卵をおこないます.また汽水域に産卵するといわれていますが,六甲アイランドでも,水門一つで海と隔てられているような水路に産卵するのをみています.産卵のピークは約1時間ほどで終わり,ペアがいつのまにかいなくなって,パトロールしていたオスも岸辺に止まるようになります.小さな幼虫で越冬するという報告があります.

形態:アキアカネより一回り大きい感じがします.胸の側面の黒条がアキアカネより細く,体色もくすんだ感じです.翅は黄色っぽいことが多く,また光が反射すると翅脈が赤っぽく見えます.肢の脛節(けいせつ)の外側が黄かっ色をしている点でアキアカネと区別できます.

前ページへ 目次へ 次ページへ