新・神戸の自然シリーズ1 神戸のトンボ
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77.ミヤマアカネ Sympetrum pedemontanum elatum
写真2-91.ミヤマアカネ.養父郡関宮町.1997.7.20. 腹部挙上姿勢(ふくぶきょじょうしせい)で静止するオス.


分布:本種は,神戸においてこの十数年のうちにいちじるしく衰亡(すいぼう)した種の一つです.1970年代以前には,北区道場町,有野町,有馬町,山田町など,道場町と裏六甲一帯に記録があり,多くが「多数」と記されています.当時の道場村で,1935年8月25日,1♂1♀,柴田慶蔵という記録もあります.しかし,筆者が再調査を開始した1988年以降では,北区道場町,有野町,灘区六甲山町,東灘区本山町,住吉本町でそれぞれ1頭ずつの記録があるだけです.

生態:神戸での観察例がないのですが,兵庫県下の他の産地では7月中旬には羽化が始まるようです.アカトンボの中ではめずらしく流水環境を好む種です.氷上郡青垣町の遠坂川で幼虫をたくさん採集したことがあります.羽化してもその場所からあまり遠くには移動しないようで,近辺の草むらで未熟な成虫がみられます.神戸での採集記録はほとんどが8月中旬から9月中旬にかけてのものです.谷上では,1970年代には,9月に水田の稲穂の上で止まっている個体が数多くみられました.連結打水産卵をおこないます.

形態:腹長20〜26mm.翅の独特のバンドで,他種とみまちがうことはまずありません.

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