新・神戸の自然シリーズ1 神戸のトンボ
  前ページへ 目次へ 次ページへ
77.ノシメトンボ Sympetrum infuscatum
写真2-92.ノシメトンボ.西区櫨谷町.1997.10.1. 昼下がりの谷戸で休息するメス.


分布:神戸ではこの10年ほどで数が増えたと思われるトンボです.本種と同じく水のない水田に連結打空産卵をするナツアカネも相変わらず神戸に多く,減少は感じられません.一方稲刈り後の水田の水たまりに産卵するアキアカネは,兵庫県南部の観察者の間では,最近数の減少が語られています.市内での記録は,北区有野町,淡河町,山田町,鈴蘭台,西区神出町,押部谷町,玉津町,櫨谷町,伊川谷町,垂水区名谷町,平磯,須磨区多井畑,妙法寺町,中央区葺合町,港島中町,東灘区岡本,本山町,向洋町などがあります.

生態:神戸では6月から11月にかけて記録があります.6〜8月のものは,標高300〜400mにかけての低山地でのものが多く,9月にはいると平地ですがたがみられるようになって,10月にその数が増加します.このことから,水田などで羽化した個体は,いったん丘陵地や低山地の樹林へ移動し,そこで未熟な期間を過ごして,秋になってから平地へ降りてくるという生活を送っていることが考えられます.水のない水田や干潟化したため池の浅い部分などで,とくに植物が適当に茂っているところで連結打空産卵をします.

形態:腹長24〜32mm.翅の先端部に黒い部分があるアカトンボです.コノシメトンボマユタテアカネのメスとは胸の側面の黒のもようで,リスアカネとは,腹部の斑紋のちがいをていねいに標本写真と比較することで区別できます.

前ページへ 目次へ 次ページへ