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■ヤマツツジ
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6.ヤマツツジ
ヤマツツジの名からうけるイメージは、山に咲くツツジ、つまり野生のツツジを代表する名である。鉢植えのツツジの総称的な名としてサツキが拡大解釈されているのに似ている。ヤマツツジもサツキもれっきとした一つの種についた名である。
しかし、ヤマツツジとサツキは、数多いツツジ科の中でも、比較的かんたんに栽培できるのと、花の色に変異が多いことなどの理由で、非常に古くから歌に詠まれたり、鉢植えで楽しまれたりしてきた。
ヤマツツジの高さは人の背丈を少し上向る程度で、あまり大きくならない(1〜3メートル)。幹は1本の主幹にならないで、根元から多く分れる株立ち状である。枝はよく分れる。ひとつひとつの枝は、内側にわずかに弧状に曲がり、全体としてゆるく木の中心にわん曲する。そのため、輪状になった枝が木全体を包む形になり、まとまりの良い樹形をつくる。開花期には、花が木いっぱいにこぼれるほどの景観をつくる秘密は、この樹形による。
葉は春葉と夏葉と年2回出る。春の葉は、楕円または広い楕円形で、互生する。葉の先はとがり、基部はくさび形をし、葉柄につながる。この葉は秋に落ちる。夏から秋にできる葉は、春の葉にくらべると、小型で枝の先に集まってつき、大きくならないで冬を越す。葉は倒披針形で表面には細い毛がねたような状態に生えている。裏面は色がうすく、かたい毛がねた状態で密生する。
花は5〜6月ごろ枝先に2、3個ずつつく。花は朱がかった赤色で、5つに裂けている。花冠の先は広く漏斗状に開き、上面には濃紅色の斑点がある。5本のおしべと、長くつき出ためしべがある。がくは5つに深く裂けているが、短く、先はとがらない。楕円形で褐色の毛がびっしりついている。刮ハは長さが7ミリ前後で、褐色の毛が密生している。
日本各地に広く分布しているので、変異もかなりある。花びらが小さくなったものや、キンシベといって花びらが発達せず、おしべの目立つものなどがある。須磨の鉢伏山などで見つかったことがある。
六甲山では麓からあるが、中腹以上の所に高さに多く生え、とくに山頂付近や尾根筋のいたるところに群生している。
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