1.人間関係の目的 ~人間関係形成能力の育成を目指します~
須磨翔風高校は、「人・社会・希望につながる学校」をコンセプトとし、「充実したキャリア教育」「徹底した学力の伸長」「積極的な地域連携」「豊かな心の育成」を教育目標として日々の教育活動を行っています。
その中で本校教育のベースとなっているものが、総合的な学習の時間を使って行っている『人間関係』の授業です。生徒一人ひとりの夢を受けとめ、夢をかなえるのが『キャリア・プランニング』であるならば、「人と社会につながる」ための能力と資質を磨くのが『人間関係』ということができます。「『人間関係』の授業を通した豊かな心の育成」は、本校創設当初以来の研究主題となってきました。
少年犯罪の凶悪化など青少年の規範意識の低下が社会問題化してきている昨今、高等学校における心の教育の重要性はますます高まってきています。学習指導要領の第1章総則に「学校における道徳教育は、生徒が自己探求と自己実現に努め国家・社会の一員としての自覚に基づき行為しうる発達の段階にあることを考慮し人間としての在り方生き方に関する教育を学校の教育活動全体を通じて行うことにより、その充実を図るものとし、各教科に属する科目、総合的な学習の時間及び特別活動のそれぞれの特質に応じて、適切な指導を行わなければならない」と規定されています。また、社会の変化に対応して、主体的に判断し行動するために、様々な体験や思索の機会を通して自らの考えを深めることにより、「自分にふさわしい、しかもよりよい生き方を選ぶうえで必要な、自分自身に固有の選択基準ないし判断基準」を持つことも求められています。そのためには、すべての高等学校においてそれぞれの特色を生かした心の教育についての意図的・計画的な実践がなされるよう、学校としての指導の重点や方針を明確にし、心の教育の全体計画の作成や各教科や特別活動、総合的な学習の時間における指導内容を心の教育の視点から整理し確認する必要があります。そしてその過程において、教職員全員が学校のビジョンや目標、育てたい人間像に対する共通認識を持って日々の教育活動に当たることが重要です。
国際学力調査(PISA)を実施しているOECDという国際機関が,国籍を問わず現代社会に生きるすべての人が身につけておくべき能力(キーコンピテンシー)の一つとして「人間関係形成能力」を挙げています。その内容は次の通りです。
須磨翔風高等学校の学校設定科目『人間関係』では、これら3つの能力の育成をめざして行います。