玉津中学校は「仁恕(じんじょ)」という言葉をとても大切にしています。みなさんは本校に「仁恕」(じんじょ)と書いた碑があることを知っていると思いますが、この「仁恕の教え」の由来と教えについてお伝えしたいと思います。
① 碑の建設
この碑の除幕式が行われたのは、昭和46年7月6日のことでした。今から40年以上前、玉津中学校には管理棟もなく、今の第2理科室が職員室の時代の頃です。季節に四季があるように、玉津中学校も厳しい冬を迎え、乗り越えようとしている時期でした。
② 仁恕とは
そのような中、当時の神戸市の教育委員長であった木戸只一先生が思いをこめて玉津中学校、玉中生の心のよりどころとして示して下さったのが「仁恕の教え」でした。碑の傍らに、「仁恕」を次のように説明されています。
この「仁恕」とは昔のことばでございます。
仁というのは、お互いになかよくすることです。
恕というのは、他人を思いやることです。
あなたがたは、広く温かいおもいやりの心をもって
人様に接してくださればありがたいのです。
③ 木戸先生の思い
先生は昭和46年7月6日、除幕式によせて次のように話されています。
「わたしはこの碑の文字を書きましたが、私も玉津中学校の同窓会のひとりに加えていただきたい、そういう気持ちをこめて書いたのです。どうぞこの学校の卒業生ではないけれども、できたら字を書いたことによって、あなたがたと同じようにこの学校の同窓会の正会員には難しいから、準会員にしていただいたら非常にありがたいと思います。この「仁恕」とは昔のことばでございます。仁というのは、互いになかよくすることです。友どうしがいたわりあい、なかよく人生をおわっていく。これが仁です。恕というのは、他人をおもいやることです。つまり、友達の悲しいときには自分も悲しんであげ、友達の喜びには自分も心から喜んであげるのです。また、友達が失敗してもゆるしてあげる、こういうのが恕なのです。この仁と恕のふたつができたら最高ですが、そんなすばらしい人はこの世の中には、なかなかおりません。だから、あなたがたは、ひとつだけでもよいから行いに心がけてください。仁ひとつでもよし、恕ひとつでもよいのです。どちらでもよいから、広くおもいやりの心をもって、人様に接してあげられる人になってくださればありがたいのです。」
④ 広げよう「仁恕の教え」
このように仁恕とは、友達が人間として生まれて生きていくなかで最も大切なものです。玉津中学校の先輩たちは先生の教えを受け継ぎ、守り、今日の素晴らしい学校を築きあげてきました。
相手の立場にたって考えられ、行動ができる人間を目指す集団からは、いじめなどは生まれてこないはずです。「善行賞」などの取り込みもこの「仁恕の教え」の実践そのものと言っても過言ではありません。相手の身になって考える、そういう思いで学校生活、家庭生活を送って欲しいのです。そうすれば、もっともっと楽しい生活が送れると思います。学級、学校、家庭、地域へこの輪を広げていきましょう。
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