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| ヒツジグサ 社町 1984.8. |
はじめに
一年を通じて天候に恵まれ、雨の少ない瀬戸内海沿岸地方では古くから、かんがい用ため池がつくられてきました。全国のため池数24万数千に対して、その半数が瀬戸内海沿岸地方に集中しています。なかでも兵庫県には5万4千あまりあり、全国一のため池保有県となっています。とくに神戸市や東播磨にはその約半数が分布していて、いたるところに大小さまざまなため池を見ることができます。
私は、昭和59年の夏、神戸西部から印南野台地とよばれる一帯のため池約400か所をたずね、そこに生育する植物の調査を行いました。
ほとんどの池にはヒシやガガブタなど、水草とよばれる植物が見られ、1つ1つの池に景観を与えていました。水面を一面におおうオニバスや池全体にびっしりと根づいたコカナダモなどさまざまです。
神戸やその周辺にはどのような種類の水草が見られるかこの調査から得た結果をもとに、紹介してみたいと思います。
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