神戸の自然シリーズ14 神戸の水生植物
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スブタ
上左:社町1984.8.
上右・下:三木市1983.8.

27.スブタ

 茎はきわめて短く、下部から多数の丈夫な根を出す。葉は根生し、長さ10〜40cm、幅4〜8mm、線形で、先はしだいに細くなり、縁に細かいきょ歯がある。緑色ないし紫褐色をおびる。花は8〜10月に3枚の白色の花びらを水面上に出して咲く。
 ヤナギスブタとは茎がきわめて短かく、葉が根生することと、花のつく苞鞘に柄がある(ヤナギスブタにはない)ことで区別する。
 スブタの名の由来は牧野日本植物図鑑(昭和15年発刊)には


とある。しかし、古語のすぶはすぼめるとか、分かれたものを1つにまとめるという意味のことばで、女性の長くのばした髪を束ね、たれ下げたものをすべしがみ(垂髪)というのをすぶたがみとしたものではないかと考えると、スブタはその束ねた髪のように葉が根生している状態を意味していると思う。

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