住吉川河口の生きもの(1)


 河口近くで見られる生きもののいくつかを紹介します。生き物の名前だけで図や写真のないものについては「神戸の自然シリーズ」で調べてください。




 模式図は阪神高速湾岸線道路の高架下から約20m上流側の河口部の横断面です。ほぼ干潮のころを示します。

 神戸港の年平均潮位は183cmと15cmで干満の差は約1.7mです。満月や新月のころはこの値よりも大きくなります。また季節では冬から春にかけ平均海面が低くなります。

 海岸や河口の観察には新聞や「気象の暦」という本であらかじめ潮の予報を調べておきます。多くの生き物に接するには干潮時がよいでしょう。

            〈例〉神戸港2006年4月29日(土) 新月から3日
時刻 潮位(cm) 差(cm)
干潮 午前 1:18 77 -
満潮  〃  7:05 147 70
干潮 午後 1:57 -7 154
満潮  〃  8:23 151 158



■アラレタマキビ
 
 軟体動物 腹足綱 エゾタマキビ科

 潮間帯の最も高いところ(高潮線という)に群がっていることが多い。最も乾燥に耐えられる海の巻貝、これより1.5倍ほど大きいのはタマキビで、アラレタマキビよりも少し低いところにいて両者は住み分けている。




■ナガレカンザシ
 
 環形動物 多毛綱(ゴカイやケヤリのなかま)

 石灰質棲管。管の太さは2〜3mm、長さ1〜6cmほどだが、一部壊れているところもある。

 下図のように蛇がとぐろを巻いたような形になるものもある。直径が1cm以上あって太いパイプ状になったのはオオヘビガイといい、巻貝の仲間である。珍しいものだから捜してみよう。



■タテジマフジツボ
 
 青紫色のタテしまもようがはいる(写真502)

■ヨーロッパフジツボ  
 節足動物 甲殻亜門(カニ・エビのなかま) フジツボ科

写真502 タテジマフジツボ
6月、住吉川河口

写真503 フナムシ
8月、生田川河口
写真504 ヨロイイソギンチャク
10月、垂水漁港


■フナムシ
 
 枯葉、朽木(くちき)、石の下などに住む、おなじみダンゴムシと同じなかまで、体が多くの節(ふし。体節といいます)から出来ている甲殻類(こうかくるい。エビ、カニのなかま)の等脚目(とうきゃくもく)に属します(写真503)。
 海辺に住んでいるくせに海中へ入ると溺れて死にますからもっぱら、岸にあがって、腐ったものを食べます。それで海岸の掃除屋さんです。

■ヨロイイソギンチャク  
 ヒドラ、クラゲ、サンゴなどと同じなかまの腔腸(こうちょう)動物です(写真504)。口のまわりにたくさんの触手(しょくしゅ)をはやし餌をおびき寄せます。

 潮の満ち引きの起きる潮間帯(ちょうかんたい)に見られます。


写真505、マツバガイ
10月、須磨浦海岸
写真506、イシマキガイ
10月、住吉川


■マツバガイ
 
 これも潮間帯で見られますから須磨や垂水の海岸で見つけてください(写真505)。

 殻のもように筋(すじ)状のと、網目模様のと変化があります。お皿のような形ですからアサリなどと同じ二枚貝のなかまのように見えますが、カタツムリと同じく巻貝のなかまです。殻のてっぺん(螺頭(らとう)と言います)をよく見てください。

■イシマキガイ  

 潮の混じる気水域(きすいいき)つまり、河口に近い水に住んでいる、やはり巻貝の一種です(写真506)。

 こちらは殻のてっぺんの螺頭(らとう)がうぶれかかっていてほとんど平ら(平坦(へいたん))になっています。

 住吉川河口ではたくさん見られます。



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