| 住吉川河口の生きもの(2) |
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写真507 住吉川の河口(左岸側)
6月、住吉川河口 |
写真508 住吉川の河口(右岸側)
6月、住吉川河口 |
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■住吉川の河口(左岸側)
岸は石やコンクリートでかためられています(写真507)。黒っぽく見える部分が潮間帯です。高潮線からほぼ1m潮が低くなっています。干潟での生き物調べのチャンスです。奥に見えるのは六甲アイランド大橋です。
■住吉川の河口(右岸側)
川の上流側から下流側に向かって立ったとき右手側の岸を右岸、左手側を左岸といいます。
住吉川では阪神高速湾岸道路の高架下あたりが河口になり、今、潮が大きく引いてテトラポットが丸見えになり、干潟が広がっています(写真508)。
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写真509 タテジマイソギンチャク
5月、住吉川河口 |
写真510 ミズクラゲ
8月 住吉川河口 |
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■タテジマイソギンチャク
潮が高くなる高潮線から潮が引いて低くなった低潮線までの間を潮間帯といいます。潮の満ち干きの大きさは月の満ち欠けの月令によって大きく変化しますので、潮間帯の幅も毎日変化します。いま、潮が引いて潮間帯の生き物が姿を現わしています。そのひとつがタテジマイソギンチャクです(写真509)。
近くにはマガキも見られます。ヒドラ、イソギンチャク、クラゲ、サンゴなどの動物は口が肛門を兼ね、毒液を出す刺胞(しほう)をもって餌を捕らえ、かつ身を守ります。このようなグループを刺胞動物といいます。以前は袋状の胃腔を持つということで腔腸(こうちょう)動物と呼んでいました。
潮の引いた時は触手(しょくしゅ)を引っ込めています。体の模様や色は個体により変化があります。垂水区の海岸ではこのほかヨロイイソギンチャクなどが見られます。
■ミズクラゲ
刺胞動物の話がでたついでにクラゲのことに少しふれておきます。
海水浴などで刺されたといって話題になるのは姿・形が行灯(あんどん)によく似たアンドンクラゲです。また海岸近くではミズクラゲより少し毒性の強いアカクラゲも見られます。
ミズクラゲは子孫をふやす器官(生殖腺)が4つにさけて見えますので、ヨツメクラゲともいいます(写真510)。
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写真511 クロベンケイガニ
8月 生田川河口 |
写真512 ケフサイソガニ(♂左・♀右)
住吉川河口 |
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■クロベンケイガニ
イワガニ科 Sesarma属
甲らが黒っぽく凹凸が目立ち、頑丈な鉗脚(はさみあし)でいかにも弁慶という感じのカニです(写真511)。
なかまにアカテガニ・カクベンケイガニ・フタバカクガニなどがります。海水浴や釣りに出かけた折に海岸や干潟などで海辺の小動物にも目を向けてみましょう。
このクロベンケイガニは石にくっついた糸状の緑藻をひっかいて食べていました。
■ケフサイソガニ
イワガニ科 Hemigrapsus属
同じなかまのイソガニは岩場や大きな礫(れき)の多い潮間帯に住んでいますが、ケフサイソガニは淡水と潮の混じる河口のような汽水の底にひそんでいます(写真512)。
この写真は、石の下から這い出てきたところです。雄にははさみのつけ根に毛を密生させていますが、前に隠れて見えません。
同じようなところに住むヒライソガニはGaetice属で甲らが丸味をおび、名のとおり平べったく、幼ガニでは甲らが白っぽいので区別できます。河口の潮が引いたころをねらって見つけましょう。
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写真513 モクズガニ
5月、住吉川河口 |
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写真514 モクズガニ
9月、生田川 |
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写真515 モクズガニ(♂)
9月、都賀川 |
■モクズガニ(1)
イワガニ科 Eriocheir属
秋に産卵のため川を下って海に入り、年を明け春、再び川にあがってきますが、河口部に多く住むようで、住吉川の河口では死骸もよく見かけます(写真513)。
■モクズガニ(2)
すでに死んでいたものですが、はさみのつけねの節にふさふさとした柔らかい毛を密生させ、藻くずをまとっているように見えます。体はイワガニ科のなかまでは最大です(写真514)。
食べるとおいしいといいますが、肺吸虫の仲介をしますのでサワガニ同様、注意が必要です。
■モクズガニ(3)
水中を泳ぐ生活から水底を歩く生活へと進化したカニのなかまは、エビのように腹部が大きくて腹の足を使って泳ぎ、胸の足で歩くのとは違って、歩くための足を発達させた結果、腹部は小さく退化し、頭胸部がやたら大きくなって頭でっかち寸づまりの体型になりました。
カニをひっくり返しますと。特に雄では腹部が極端に小さくなってつり鐘型に見えます(写真515)。それを「カニのふんどし」といいます。卵を産む雌ではどうでしょう。
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写真516 エチゼンクラゲ
10月 香美町 |
写真517 マガキ・ムラサキイガイ・タテジマフジツボ
10月、住吉川河口 |
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■エチゼンクラゲ
クラゲの話でもうひとつおまけを。2005年秋、日本海へ大量に押し寄せ、漁業している人をひどく困らせたクラゲのことはニュースでよく知っていることでしょう。
瀬戸内海などにいるビゼンクラゲのはるか4倍以上もあり、直径が50cm〜100cmにもなる超大型のクラゲです(写真516)。
写真のエチゼンクラゲは私が但馬の黒島という小さな離島の海岸で写したものです。赤っぽい座布団の姿はまるでクラゲのお化け、巨大なプランクトンです。
津軽海峡を越え、太平洋側にもやってきたのがあるそうです。もしかして大阪湾へも?
■フジツボ
海の動物には石灰質(炭酸カルシウム、CaCO3)の軽い殻(から)や丈夫な骨格をもったものがとても多い。さて、富士山の形をして白っぽい殻をもったフジツボのなかまは貝類でしょうか、それともエビ・カニのなかまの甲殻類(こうかくるい)でしょうか、あるいはサンゴのグループでしょうか。
フジツボのなかまは、潮が満ちて波しぶきを浴びると、ふたを開いて節のある細い足を伸ばしてこまかい餌をとり寄せます。その足のようすは昆虫やクモなどと同じ節足(せっそく)動物で、そのうちの甲殻類であるエビ・カニのグループになります。
写真中ほどの15ケはタテジマフジツボで、左下の小粒な方はイワフジツボです。その違いをよく見比べましょう(写真517)。
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写真518 マガキ・アラレタマキビ・フジツボなど
10月 住吉川河口 |
写真519 潮間帯のようす
6月、住吉川河口 |
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■タマキビ
潮間帯でも高潮線近くでマガキやフジツボなどの間を移動します。殻の色は変化が多いのですが、ここでは薄い黄褐色で13ケほど見えています。殻の高さは1.7cmほどです。
最も高くまで昇っているのは、タマキビの2/3ぐらいの大きさのアラレタマキビです。いずれも群がっているところをよく見かけます(写真518)。
■潮間帯
河口の川底から1.5mほどの間を見せています(写真519)。一番高い所の白い粒々はイワフジツボ、その下がマガキ、そして一番低いところにムラサキイガイが群がり、住み分けしています。潮が満ちてきますとほとんど水面下にはいります。
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写真520 イシマキガイ
6月、住吉川河口 |
写真521 アユ
10月、住吉川河口 |
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■イシマキガイ
巻貝のなかま アマオブネ科
河口のように潮水と淡水の混じる汽水域の海底に沈んでいます。殻の表に白い小さい粒々の模様がたくさん散らばっています。ふたは半月型です。殻の高さは1.7cmほど(写真520)。
■アユ
キュウリウオ科 アユ属
河口近くで捕れたアユ。川でふ化した子魚は冬は湾内で過ごし、春に河口から更に上流域へと遡上(そじょう 「さかのぼる」)し、川底の石などについた藻類を食べて暮らすといわれます(写真521)。
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■ドンコ
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写真522 ドンコ
6月、住吉川河口 |
ハゼ科 ドンコ属
上流域にも住みますが、これは河口近くで見たものです(写真522)。
肉食性で貪欲に食べるそうです。海がすぐそばにせまっていますが、海には入っていかないそうです。
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■ムラサキイガイ
二枚貝のなかま イガイ科
1935年、神戸港で発見されたヨーロッパ原産の帰化種。(本によっては1920年代以来、日本に定着したと書いている)
ムール貝ともいい、イタリア料理に用いる。
■マガキ
二枚貝のなかま イボタガキ科
形・大きさなどに変化が大きい
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