| ドングリの枝落とし ブナ科 (10月) |
「音立てて落ちてみどりの落とし文」 石鼎(せきてい)
9月のはじめのころ、静かな林を一人で歩いていて突然おどかされることがあります。
『パターン、パターン』と一定の間隔を置いてかなり大きな音がするのです。足を止めて、その正体を突き止めようとしている瞬間、「バーン」と上から落ちてくるものがあるのです。拾い上げてみると、ドングリのついた小枝であることがわかりました。特別に、枝を落とすような風も吹いていないのにどうしておちてきたのでしょうか。ふしぎになり、落ちた枝をじっくり見ます。まず、小枝の切り口はよく切れる刃物で垂直に切られているようです。折れたようすとは全然違います。
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[コナラ、2000.9.7.] |
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続いて落ちた枝を集めてみると、どの枝にもふくらみざかりのドングリがついているのです。秘密の正体はドングリにあるとにらんで、ドングリをよく見るとどこかに穴があいているのです。
オトシブミのなかまが植物の葉に切り傷を入れてゆりかごをつくり、中に卵を産み付け、葉を幼虫の食料にしているのを連想しました。
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[虫のあけた穴、2000.9.7.]
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ある種の虫はまた違うかしこい知恵を持っているのです。春かえった幼虫はドングリの実を食べ、続いて葉を食べて成虫になるに違いありません。
コナラ、クヌギ林を歩いているとたくさんの枝つきドングリが落ちていることに出会うことがあります。
俳句はこんな様子を詠(よ)んだのでしょうか。知恵を持つのはコナラシギゾウムシ、ハイイロチョッキリなどです。
落とし文の見られる季節と虫、ドングリの枝落とし虫との違いなど調べてみたい楽しい課題がありますね。
ドングリの中の幼虫を釣りのえさに使う釣り名人クラスの人がいるそうです。虫と人間の知恵比べ以上に考えさせられます。
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