神戸の自然シリーズ10 六甲山のブナとイヌブナ林
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イヌブナ林の植物たち 2ーシラキの目立つ亜高木層(1)


シラキ(トウダイグサ科)
 イヌブナ林に多い5〜8メートルの落葉樹で、樹皮は白く、なめらかですが、シラキ(白い木)の名は、材が白い色をしているからです。

 卵形の葉は大きく、先はとがり、もとはまるく鋸歯はありません。葉の裏は粉白状です。葉をもんだり、小枝を折ると不快な臭みがあります。秋には美しく紅葉して落ちます。若技の先に黄色の小さい雄花をたくさん総状につけ、下部に雌花が1〜3個つきます。

リョウブ (リョウブ科)
 リョウブは、六甲山では低山地の2次林から上部のブナ、イヌブナの自然林にいたるまで広く分布し、ときには、尾根や台地状になった、日光のよく当るところに群生することがあります。落葉の小高木で、普通は高さ3〜7メートルですが、ときには、一抱えもある太さで、高さが10メートルにも達するものもあります。

 樹皮は太くなると特異な紋様をつくりますが、ふつうはなめらかで茶褐色です。

 枝は輪状に出ますが、側枝が主軸よりよく伸びます。若枝は緑色で、星状毛をつけています。葉は、枝の先に集ってつき、一見輪生しているようにみえるが互生です。広い倒披針形でふちに鋸歯があります。裏の脈上に毛が密生し、葉の下半分は、葉柄とともに鮮かな紅色、またはピンク色になることもあります。花は6〜7月に枝の先端に長さ6〜15センチの小さい白い花(複総状花序)をいっぱいつけます。
 リョウブの花の咲く6〜7月の頃は、他の木の花がほとんど見られず、この花だけが山をまっ白に飾るように咲きます。したがってこの花には多くの昆虫が集まってきます。

 リョウブとツツジ科植物との違いをまとめてみました。

ガマズミの仲間
 梅雨のころ、白い花を咲かせ、秋には赤い実をつけるガマズミの仲間はイヌブナ林の亜高木〜低木のなかではよく目立ちます。木の高さは5メートル前後ですが、共通して、少し厚手の葉脈のはっきりした木です。

コバノガマズミ(スイカズラ科)
 木の高さは2〜3メートルで、葉は対生し、長卵形で先はするどく尖りますが、もとは心状にならず少しとがっています。葉のへりは3角形の鋸歯があり、葉の裏には葉脈上に毛が生えています。葉柄は非常に短いのが、他の仲間と見分ける特徴ですが、赤褐色の葉柄にも毛はついています。短枝の上に小さい花をたくさん咲かせますが、飾り花はありません。


図10.コバノガマズミ

ミヤマガマズミ(スイカズラ科)
 よく似ているコバノガマズミとは葉柄が長いのでよく見分けがつきます。高さは2〜3メートルで、枝は無毛ですが、若いときだけ毛が生えています。葉は対生し、広卵形で先は尾状にのびて尖っています。もとは心状ではなく、少し截切状です。鋸歯ははっきりしています。葉柄には毛があります。花は散状花です。

オトコヨウゾメ(スイカズラ科)
 高さ2〜3メートルですが、枝は灰褐色、葉は対生で、形は卵状楕円形で先はするどくとがり、もとは心状にならず、ややとがります。鋸歯があり、葉柄は赤くなっています。この木の特徴は、花が垂れ下がってつくことで、下垂する散状花序に5〜10の花をつけます。
 図11.オトコヨウゾメ

ムシカリ・オオカメノキ(スイカズラ科)
この仲間では、高さは5メートルほどになる大型の木で、葉が厚手の大型で、花に飾り花のあるのが特徴です。葉は対生し、葉は7〜15センチもある大型の円形で、先は少しとがり、もとは心状になっています。鋸歯は小さいが密にあります。枝先の散状花序に小さい花がつきますが、これを白色の大きい飾り花が囲むように咲きます。
 図12.ムシカリ
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