神戸の自然シリーズ2 神戸のかたつむり
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X.神戸市陸産貝類目録

神戸市の陸産貝頬目録作成に当って

 今画神戸市域で陸産貝頴の分布調査を実施した結果、90種(亜種を含む)を確認した。調査期間は昭和30年より52年までにわたる。調査地によっては、その間の自然環境の改変によって生息状況に変化がみられるが、一応近年の状況として報告をまとめた。

 主な調査地点は下記に示す65ケ所である。
○東灘区(4ケ所)
保久良神社、岡本スサノオ神社、阪急御影周辺、石屋川綱敷天満宮。
○灘区(4カ所)
六甲八幡宮、一王山十善寺、長峰山麓、摩耶山。
○葺合区(3ケ所)
布引、市ケ原、筒井八幡宮。
○生田区(4ケ所)
再度山、再度谷、諏訪山、生田神社。
○兵庫区(10ケ所)
夢野山、熊野神社、会下山、祇園神社、祥福寺、烏原水源池、烏原奥、田村山、高座金浦橋、滝山町。
○北区(17ケ所)
西小部、東小部、藍那、藍那谷、村山北谷、小河、箕谷、原野、無動寺、丹生山、衝原、下谷上、上谷上、有馬、紅葉谷、多聞寺、道場。
○長田区(2ケ所)
長田神社、高取山。
○須磨区(10ケ所)
板宿八幡宮、大手町、須磨寺、千守町、綱敷天満宮、口妙法寺、奥妙法寺、車、白川、多井畑。
○垂水区(11ケ所)
海神社、中山、奥畑、太山寺、布施畑、木見、木津、押部谷、雌岡山、平野、玉津北村。(現在の西区を含む)
 上記の地点のうち種類数の多くみられた地点は

摩耶山・46種 布引・33種 夢野山・52種 西小部・37種
箕谷・30種 丹生山・50種 有馬・34種 須磨寺・25種

などである。山地又は山ぞいで、比較的自然が保存されているような地点では、20種前後の種類の生息が確認されている。神戸市街地の背山地域は、水害対策や景観保護の面から樹林が保存され、その森林も、杉、桧の単一樹種の植林は少なく、いわゆる雑木林が成長してきているので、陸貝相は、種類、個体数ともかなり豊富であるといえる。この点では大都市としては極めて珍らしく貴重なことであると思う。これに反し六甲山頂部はかえって、陸貝の生息環境として悪く、種類数、個体数ともに貧弱である。

 分布目録を作成する際、生息地域により

  A.平地、山地ともに生息する種類
  B.平地性の種類
  C.山地性の種類

の3つの類型に分け、さらにそれぞれを広範囲に生息するもの{  }印、生息地点の比較的少ないもの[  ]印、及び中間のもの(  )印の9グループに分けてみた。

{A} 4種 {B} 5種 {C} 1種
[A] 21種 [B] 3種 [C] 18種
(A) 3種 (B) 3種 (C) 32種
計 28種 計 11種 計 51種

 種類数では山地性の種類が多く、過半数を占める。その中には生息地点の少ないものが多くみられる。たとえばキバサナギガイは夢野山の1地点、ナガナタネガイは摩耶山、ニホンケシガイは村山北谷、などそれぞれ1ケ所から採集されただけである。また、マヤサン(オトメ)マイマイは現在確認している限りでは、摩耶山天上寺周辺及び青谷上流だけに分布しており、神戸市の特産種ということになっている。

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