神戸の自然シリーズ11 神戸港のプランクトン
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II.神戸港のプランクトン−ケイソウの仲間 ... 

ユーカンピア Eucampia

 細胞を幅の広い側から見るとくさび形をしている。ふたの面は狭い楕円形である。その両端からは先の平らな突起が出ていて、これで隣りの細胞と連結し、扇形の群体をつくる。群体が大きければ螺旋状に巻く。細胞と細胞のつなぎ目には円形〜楕円形のすき間ができる。色素粒は小さな顆粒状のものが多数ある。神戸港では、ユーカンピア・ズーディアクスE. zoodiacus が最も普通に見られる。

 属名のEucampia とは「よく曲がる」という意味である。


ユーカンピア・ズーディアクス Eucampia zoodiacus

 細胞は扁平でくさび形、ふたの面は長橋円形をしている。ふたの面の両端の突出部で連結し螺旋状の群体をつくる。ふたの面の中央部がくぼんでいるので連結部には間隙ができ、細胞が大きい場合だと長楕円形、小さいと円形になる。幅の広い方は13〜100ミクロンである。細胞が比較的大きく特徴的な形態をしているので容易に確認できる。色素粒は楕円状の小さなものが多数散在する。沿岸浮遊性で、春先の2月頃からよく見つかるようになる。神戸港でも早春から秋まで、他の種に混じってごく普通にみつかる。 まれに、この種が優占種赤潮を形成することがある。大阪府水産試験場の報告によると、1962年の2月に神戸港沖で大増殖し、海水1ml中に1,215個の細胞が計数された記録がある。

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