神戸の自然シリーズ11 神戸港のプランクトン
 
専門的な用語の解説

 ここには神戸港のプランクトンに出てくる専門的な用語の解説をしています.小学校高学年や中学生に分かるような表現を用いたため,厳密な定義からはずれる印象があると思いますが,それを承知でご利用ください.

用語 読み方 意味
赤潮 あかしお 鞭毛藻類、ある種のケイソウなどが水面近くで大量に増殖し、水の色が変わって見える現象。富栄養化した水域によく発生する。
アメーバー あめーばー 単細胞動物の一つ。水田の微生物図鑑(ナメクジアメーバの動画)参照。
育房 いくぼう 卵や幼生を育てるための袋状、部屋状の構造物。ミジンコの育房は背中にある。蜂の巣の一つ一つの部屋も育房と呼ばれる。
渦鞭毛藻 うずべんもうそう 本文中の解説参照。
液胞 えきほう 植物の細胞の中に見られる構造物。周囲の原形質とは膜で仕切られていて、細胞の液で満たされている部分。オオカナダモの実験の映像を参照。
沿岸種 えんがんしゅ 海岸の陸地に沿った部分を沿岸といい、そこに生息する種を沿岸種という。
沿岸浮遊性 えんがんふゆうせい 沿岸近くを浮遊して生活する性質。
横溝 おうこう 本文中の解説図参照。
親潮 おやしお 千島海流のこと。北海道の東岸から南下して千葉県の房総沖で黒潮とぶつかる海流。
温帯 おんたい 通常、北回帰線と北極圏、および南回帰線と南極圏で囲まれた地域をさす。
外殻 がいかく 上殻に同じ。
蓋殻面 がいかくめん ケイソウのふたの面のこと。本文中の解説図参照。
鎧板 がいばん 渦鞭毛藻を包む殻。本文中の解説参照。
外洋性 がいようせい 陸から遠く離れた海を外洋といい、そこを好んで生活する性質のこと。
下殻 かかく ケイソウの殻は二つの殻が重なり合ってできていて、ちょうど弁当箱のふたと容器の関係と似ているが、そのうち容器に相当する部分の殻のこと。本文中の解説図参照。
かく 細胞の中にあって、遺伝子がおさめられている部分で、細胞の他の部分とは膜で区切られている。
殻環帯 かくかんたい ケイソウを横から見た場合、二つの殻(上殻下殻)が重なり合っている部分が見える。この部分をいう。本文中の解説図参照。環帯ともいう。
殻板 かくばん 鎧板のことで、渦鞭毛藻を包む殻。
下錘 かすい 渦鞭毛藻において、横溝で区切られた二つの部分のうち縦溝の鞭毛が伸びている方。本文中の解説図参照。
滑走運動 かっそううんどう イカダケイソウの群体などで見られる、各細胞がずれるように動く運動のこと。本文中の解説参照。
花紋 かもん コシノディスカスの仲間のケイソウのふたの中心部に見られる紋のこと。中心区に同じ。
環状溝 かんじょうこう ディノフィシス属の二枚の環状翼の間にある溝状の構造のこと。本文中の解説参照。
環状翼 かんじょうよく ディノフィシス属の体の上殻にあるろうと型の翼状構造物のこと。本文中の解説参照。
環帯 かんたい ケイソウを横から見た場合、二つの殻(上殻下殻)が重なり合っている部分が見える。この部分をいう。本文中の解説図参照。殻環帯ともいう。
寒帯 かんたい 北緯66.33度より北、南緯66.33度より南の部分。
寒天質 かんてんしつ 寒天状の状態にあること。
基礎生産 きそせいさん ある地域の、緑色植物によって作られる有機化合物の総量のこと。
キプリス幼生 きぷりすようせい フジツボの幼生の名称で、浮遊生活をするノープリウス幼生の後の段階で、セメント状の物質を出して固着する。
狭殻環面 きょうかくかんめん 本文中の解説参照。
棘皮動物 きょくひどうぶつ ウニ・ヒトデの仲間をまとめて棘皮動物という。
棘翼 きょくよく プロロケントルム属の鞭毛口にある翼状構造物。本文中の解説参照。
隅角突起 ぐうかくとっき イトマキケイソウ属のふたの面の端にあるよく発達した突起のこと。
黒潮 くろしお 日本海流のこと。日本列島の太平洋岸を八重山諸島から北上し、千葉県の房総沖で千島海流(親潮)とぶつかって東に進路を変える。
クロレラ くろれら 単細胞の藻類の一種。
群体 ぐんたい 分裂などによって生じた個体がそのまま分離せずにつながったままの状態にあるものをいう。通常、バラバラにしても、一つ一つが独立して生活できる。
群体軸 ぐんたいじく 細胞が一列に並ぶような群体の、細胞の中心を結んでできる(仮想的な)直線または曲線。
ケイ酸 けいさん ケイ素と酸素と水素からなる化合物。HxSiyOzの形で表される化合物。
ケイ質化 けいしつか ケイソウにおいて、細胞壁の成分がケイ酸に置き換わっていく現象。
欠刻 けっこく 切れ込みのこと。
原形質 げんけいしつ 細胞の中で生きている部分を原形質という。核と細胞質をあわせた部分。
原形質糸 げんけいしつし 細胞を物体に付着させたり、互いに結びつけるための糸状構造物。
原生動物 げんせいどうぶつ 単細胞の動物で、分裂などで増える。ミドリムシ、アメーバ、ゾウリムシなどがそのなかまに含まれる。
広殻環面 こうかくかんめん 本文中の解説参照。
甲殻類 こうかくるい エビやカニの仲間をまとめて甲殻類という。
光合成 こうごうせい 空気中や水中の二酸化炭素と水を使って、太陽の光のエネルギーを用いてブドウ糖を合成すること。緑色植物では葉緑体の中で行われる。
固定液 こていえき 採集した生物を殺し、できるだけそのままの状態で保存する液のこと。
採水法 さいすいほう 海や湖などで水を採集する方法のこと。
細胞間隙 さいぼうかんげき 細胞と細胞の間のすきまのこと。
細胞壁 さいぼうへき 植物細胞にあって、細胞を包んでいる細胞膜の外側にある、固い構造物のこと。
サキシトキシン さきしときしん 二枚貝に含まれる毒素のことで、貝が食べたある種の藻類によって貝の体内でつくられる。
砂嘴 さし 潮の流れや波によって運ばれた砂が海岸から細長く突き出すように堆積してできた地形。
CMC しーえむしー カルボキシメチルセルロースのこと。粘度の高い薬品で、これをプレパラート上の海水に混ぜて検鏡すると、プランクトンの動きが鈍くなり、観察が容易になる。
色素粒 しきそりゅう 光の中の特定の色を吸収する性質のある物質を含んだ粒状の構造物。葉緑体など。
刺毛 しもう 刺のような短く細い毛状の構造物のこと。
縦溝 じゅうこう 本文中の解説参照。
縦溝翼片 じゅうこうよくへん ディノフィシス属に見られる環状翼につながった縦方向の翼状構造物。本文中の解説参照。
上殻 じょうかく ケイソウの殻は二つの殻が重なり合ってできていて、ちょうど弁当箱のふたと容器の関係と似ているが、そのうちふたに相当する部分の殻のこと。本文中の解説図参照。
上錘 じょうすい 渦鞭毛藻において、横溝で区切られた二つの部分のうち縦溝の鞭毛が伸びていない方。本文中の解説図参照。
条線紋 じょうせんもん 線状の斑紋。
触手 しょくしゅ 伸びたり縮んだりする突起のような器官で、ほかの生き物を捕まえたり、感覚器官として作用するもの。
植物色素体 しょくぶつしきそたい 植物細胞内に含まれる色素を含む構造物。通常は葉緑体のこと。
シリカ しりか 二酸化ケイ素のこと。SiO2
赤道部 せきどうぶ 細胞を地球にたとえて考えたとき、その赤道に相当する部分のこと。北極に相当する部分をどこにするかは細胞によって異なる。
セメント様物質 せめんとようぶっしつ ケイソウの群体をつなぎ止めたり、フジツボのキプリス幼生が岩などに付着するときに出す固形物質。
セルロース せるろーす 植物の細胞壁を作っている主成分。
先カンブリア紀 せんかんぶりあき 40億年前から5億7500万年前までの長い地質時代の期間をさす。
ゾエア ぞえあ カニの幼生の名前で、卵から生まれたすぐ後の浮遊生活を行う期間の幼生のこと。
暖海(暖海性) だんかい(だんかいせい) 暖かい地方の海。またそこで生活する性質のこと。
暖海沿岸性 だんかいえんがんせい 暖かい地方の海の陸地近くで生活する性質のこと。
暖海外洋性 だんかいがいようせい 暖かい地方の海の陸地から遠く離れた海で生活する性質のこと。
中間棘毛 ちゅうかんしもう 細胞が一列に並ぶようなケイソウの群体の、細胞と細胞が結びついている部分からでている刺毛。
中心区 ちゅうしんく 花紋に同じ。
底生 ていせい 水底で生活する性質のこと。
デトリタス でとりたす 植物や動物の遺体が細かく分解され、小さな有機物のかたまりとなったもの。
テトロドキシン てとろどきしん ふぐの毒素のこと。
独立栄養 どくりつえいよう 無機化合物だけで生命を維持できる生活形態のこと。光合成を行う植物などが含まれる。 
内殻 ないかく 下殻に同じ。
ネクトン ねくとん 遊泳力のある海産動物のこと。通常は魚類やイカ・タコなどをさす。プランクトンに対する言葉。
熱帯 ねったい 赤道を中心にして南北両回帰線に囲まれた地域のこと。
ノープリウス幼生 のーぷりうすようせい ケンミジンコの幼生、フジツボの幼生などの名前。
ハイロート型採水器 はいろーとがたさいすいき 一定の深さの水を採取するための器具。本文中の解説参照。
微分干渉装置 びぶんかんしょうそうち 特殊なプリズムをつかって光を2つに分け、試料を立体的に見ることができるようにする装置。生きた微生物や透明な試料でも染色しないで内部構造が観察できる。
付着生活 ふちゃくせいかつ 底の岩などに付着して生活すること。
浮遊ケイソウ ふゆうけいそう 浮遊して生活するケイソウ。
プランクトン ぷらんくとん 遊泳力が無く、波や海流にまかせて水中をただよう生物のこと。ネクトンに対する言葉。
プランクトン計数盤 ぷらんくとんけいすうばん プランクトンの単位体積あたりの数を数えるための、網の目状の目盛りの入ったスライドガラス。本文中の解説参照。
プレウラックス ぷれうらっくす 永久プレパラートをつくるために、スライドガラスとカバーガラスの間に入れる封入剤の商品名。
ペトリ皿 ぺとりざら シャーレのこと。ガラス製で薄い円柱形をしており、ふたと容器からなる。
ベリジャー幼生 べりじゃーようせい 貝類の幼生の名称で、浮遊生活をする。
変異 へんい 同じ部分の形質が個体によって異なっていること。たとえば髪の毛の色、目の色が異なっていること。
ベントス べんとす 底生生活をする生き物のこと。
鞭毛 べんもう 主に遊泳のために、細胞から伸びた長い毛のこと。
鞭毛藻類 べんもうそうるい 鞭毛を持った単細胞の藻類のこと。 
放散虫 ほうさんちゅう 多数の放射状の足のような構造物を持った原生動物の一種。ケイ酸などの骨針を持つ。
北方沿岸性 ほっぽうえんがんせい 北の寒い地方の海の、陸地に近い部分で生活する性質。
北方性 ほっぽうせい 北の寒い地方で生活する性質。
ホルマリン ほるまりん 薬品の名前。海産の生物を固定するのによく使われる。
マイクロピペット まいくろぴぺっと 非常にわずかの体積の液体を吸ったり出したりすることができるピペット。
マウントメディア まうんとめでぃあ 永久プレパラートをつくるために、スライドガラスとカバーガラスの間に入れる封入剤の商品名。
末端棘毛 まったんしもう 一列に並ぶ群体を形成するケイソウの、両端の細胞の、その端からでている刺毛。本文中の解説参照。
水プレパラート みずぷれぱらーと 水(海水)だけを使って、染色や固定をせずに見るプレパラート。
無機化合物 むきかごうぶつ 有機化合物以外の化合物すべてをさす。
遊泳剛毛 ゆうえいごうもう ミジンコ頭部の第2触角にある、遊泳に使われる剛毛。
有機化合物 ゆうきかごうぶつ 炭素を含む化合物を有機化合物という。ただし二酸化炭素や炭酸を除く。
有孔虫 ゆうこうちゅう 原生動物の一種で、石灰質やケイ酸の殻を持っている生き物。死骸の殻は「星の砂」として有名。
優占種 ゆうせんしゅ ある生物群集の中で特に個体数の多い生物種のこと。
幼生プランクトン ようせいぷらんくとん 一生のうち幼生の一時期だけ浮遊生活する生き物の、浮遊生活をしている時期の個体のこと。
ヨーガンスンの栄養塩 よーがんすんのえいようえん 本文中の解説参照。
ラン藻 らんそう 藻類の一種であるが、核が無い。
竜骨 りゅうこつ 船の骨格部分のことで、船首から船尾にかけて通っている長く太い木のこと。
緑藻類 りょくそうるい 緑色をした藻類。核があり葉緑体を持つ。
連結棘 れんけつきょく ケイソウが群体を形成するとき、隣り合う細胞を結びつけているとげ。