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| 3.由来は譲葉(ゆずりは)の名か |
| 東灘区弓弦羽(ゆずるは)神社 |
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勇ましい御輿の練りに子ども達の胸がはずむ
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弓弦羽神社は阪急御影駅の東南の歩いて5分たらずの所にあります。この森は第二次世界大戦の神戸空襲をまぬがれたこともあってか、市街地には珍しくシイやアラカシなどがあり、自然林らしさが残っています。また、ここは、「市民の森」第1号として指定されています。
春には、参道の桜のトンネルと拝殿の横のシダレザクラが美しく咲きます。
鳥居をくぐると、直径が1.3メートルもある大きなムクノキに驚かされます。この老樹の下には、高木化したマサキがあり、ウバメガシ、トベラ、イスノキなど海べに多い照葉樹が生えています。
度重なる松枯れ病のため、市内では珍しくなったクロマツの並木も、この境内ではいまも建在です。拝殿には往時の絵や写真がかかげてあり神戸開港のころの風景をなつかしくしのぶことができます。
本殿裏の森を調べてみましょう。身の丈が20メートルをこえ、太さが1.5メートルもあって、ひときわ背の高いクスノキの大木が、10メートルほどの他の高木たちを圧倒する勢いです。一番多いのはアラカシで、高い木から低い木までどの階層にも見られ、この森を代々にわたって守るかのようです。
つぎにシイを見ましょう。40センチをこえる太さのものもあり、かつて、この辺りには、うっそうと茂っていたシイの森が想像されます。珍しい木としてはオガタマノキの大きい木が4本もあります。暖地性のこの木は、モクレン科に属し、3月になると香気を放ち、清楚な花を咲かせます。そして秋には朱色の仮種皮をかぶった扁球形の種子をつけます。この木の名は招霊(おきたま)の転化したもので、昔は神前に供えたと言います。ほかに、赤い実をいっぱいつけるクロガネモチやエノキらの鳥の餅になる高木もありヒヨドリやメジロたちが実をついばんでいきます。
さて、この神社の名は、もと、譲る葉(ユズリハ)が多かったからではないかと書いた本があったので、ユズリハを探しましたが、見つかったのは本物のユズリハよりひと回り小さい葉をしたヒメユズリハでした。宮司さんにたずねますと、昔は一本あったがいつのまにか無くなったということです。どちらも暖地性ですが、ユズリハは山地に、ヒメユズリハは沿岸に生えています。神戸の海岸部の森にもヒメユズリハが点々と残っています。また、葉はともによく似ていてまちがえやすいのですが、葉の形はヒメユズリハの方が鋭く、葉脈がち密です。それに、樹の勢いは名に反し、ヒメユズリハの方が雄大で、大きくなります。どうやら社名は、文字どおり、弓と弦(つる)にまつわる史話から呼ばれるようになったと考える方がよいようです。
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