地層の野外観察のさせ方

■ 観察地点の選定

  1. 観察できる露頭は、多くの場合は工事に伴って現れるもので、一時的である。必ず事前の下見をしておく必要がある。
  2. 観察しやすい露頭は、工事中なので安全について十分に注意するとともに、工事関係者への連絡・許可の手続きを怠ってはならない。
  3. 私有地への立ち入りの場合も、所有者に連絡し、立ち入り許可をえる必要がある。
  4. 学校周辺で見ることのできる地層の露頭を探す。学校から徒歩で30分以内でいける場所が望ましい。
  5. 校外学習等で出かけて行って観察できる露頭の場合、化石が採取できるか、いくつかのポイントで観察でき、それを比較できるようなコースを選定できるとよい。


※神戸市内で観察できる地層としては次のような地層がある
  1. 大阪層群(西区、垂水区、長田区)
  2. 神戸層群(須磨区ニュータウン、北区)
  3. 沖積層(東灘区、灘区、中央区、兵庫区、長田区、須磨区の市街地の建設現場、発掘現場)
  4. 段丘層(明石川、志染川の両岸)
* 丹波層群、有馬層群については、小中学生の観察としては難しい場合が多い。

観察に適した段丘層 志染川河岸段丘


観察に適した大阪層群 西区


■ 観察のために用意するもの

  1. 移植ゴテ、ガリ、ハンマーなど地層を掘ったり、壊したりするための道具(一人に1本。
  2. 軍手 スケッチブック(ノート)と筆記用具 サンプル袋 メジャー。

■ 観察すること

  1. 地層は何からできているか(泥、砂、レキ、火山灰)。
  2. 地層がどのようにつながり、どのように変化しているか。
  3. 地層に化石が含まれていないか。
  4. 地層ができてから、どんな変化があったか。
    • 傾いている(傾斜)
    • 曲がっている(しゅう曲)
    • 削られている(浸食、不整合)
    • 切れている(断層)
    • 硬くなっている(続成作用・固結)
地層に含まれるもの


地層は何からできているか


■ 観察の指導の手順(60分コース)

1.安全についての注意と地層についての簡単な説明(5分)
<援助>
 地層の名前(大阪層群、神戸層群)や年代についての簡単な説明をする(これは、あとでまとめてしてもよい)。
2.地層全体をながめる(10分)
<設問例>
 「ここにある地層全体をながめて、気がついたことを発表してください。」
<活動>
 色の違い、すじの様子(模様)、凸凹などを自由に発表させる。
3.地層に近づいて、手にとって観察する(20分)
<指示例>
 「地層が何でできているか、どのようにつながっているか、どのように変化しているか、何が含まれているか、などに気をつけて、手にとって観察してみましょう」
<活動>
 ここでは一人一人が、地層を直接さわり、掘り、割ってみるなどの作業をしながら観察することが大切である。
<指導>
 落石や落下に対しての安全指導を徹底する。
4.観察したことの意見交換とまとめ(10分)
<設問例>
 「どんなことがわかったかを発表してください」
<援助>
 地層の構成物質、地層の横へのつながりと変化、地層の重なりの順序、含有物(化石など)に着目して、全体で確認をする。
<解説>
 地層の年代や地層の重なりからわかることなどを説明する。
5.地層のスケッチ(または柱状図)とわかったことのまとめ(15分)
<指示例>
 「もう一度、離れた場所から地層を見ながら、地層が何からできているか、どうつながっているか、どう変化しているかを絵に書いてみましょう。(レキ・砂・泥の模様も説明する)。また、今日の観察でわかったことを書きましょう。」
<活動>
 確認のために、地層に近づいたり、さわったりしてもよい。

後日、教室での授業で再確認するために、写真かビデオを撮っておく(遠景、近景、接写)とともに、サンプルを持ち帰るようにする。


観察実施:神戸市立糀台小学校「大地のなりたちと自然の歴史」を使った授業