神戸の自然シリーズ16 神戸層群の化石を掘る
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ナナカマド属 Sorbus sp. / ハンノキ属 Alnus sp.

▲発見地点、垂水区名谷町の柱状図

▲基部の部分では左右の形がちがい、先は鋭くとがる。(ナナカマド属)のこぎり葉は明瞭。

▲発見地点、垂水区名谷町の柱状図

■細長い卵形で
先はとがる
(ハンノキ属)


▲奇数羽状複葉で葉柄が極端に短い。
(ナナカマド属)

ナナカマド属

 葉は長楕円形で細長い。先は鋭くとがり、基部は左右で少しゆがみ、円形である。葉の縁には鋭いのこぎり葉があるが基部の近くでは見られない。また葉は奇数羽状複葉のために極端に柄が短い。

 現生のナナカマド属は、北半球の温帯から亜寒帯に約100種が分布している。これは神戸層群の他の化石のように暖かい気候を示すものではなく、興味深い。

 白川累層の最上部より産出し、密集して発見される場合が多い。また、ケ
ヤキ属とも見分けがつかないときもあるが、のこぎり葉や葉柄をよく調べてみると区別できる。

(バラ科 ナナカマド属 Sorbus L.)



ハンノキ属(ヤシヤブシに似たタイプ)

 ハンノキ属の中で現生のヤシヤブシに似たもので葉は楕円形を細長くしたような形で先は鋭くとがり、基部は円形である。葉の縁は二重ののこぎり葉になっている。

 白川累層よりときどき産出する。現在のハンノキ属は、北半球と南アメリカにおよそ30種が分布している。そのうち、ヤシヤブシの仲間のものは、温帯から暖帯に分布している。

(カバノキ科 ハンノキ属 Alnus Mill.)

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