トンボの飼育と観察 新・神戸の自然シリーズ1 神戸のトンボ
 
■インターネットで調べよう

 トンボの卵や幼虫の飼育と観察の方法については、インターネットに公開されているすばらしいウェブ・ページがありますので、まずそれを紹介しておきます。それは新村捷介さんによる「近畿地方のトンボ雑記」のページです。

 このページには、採卵から幼虫の飼育まで、くわしい方法が写真入りでていねいに解説されています。筆者は長い飼育経験を持つ方で、非常に細かいノウハウを知ることができます。トンボの卵や幼虫の飼育を試みてみようとされている方は、ぜひごらんになってください。


←新村捷介さんの「近畿地方のトンボ雑記」のページはここをクリック


 そこでここでは、プールや学校のトンボ池で採集されたヤゴを羽化させることを目的とした飼育についてだけお話しします。


■飼育装置

 ヤゴの飼育装置は、下の写真のようなものでよろしい。たくさんつくって、1ぴきずつ飼うようにしましょう。



■飼育装置図
  • 入れ物はペットボトルを切ってつくってもよいし、あまっている飼育ケースを使ってもけっこうです。
     
  • 水は水道水を直接入れてもだいじょうぶです。
     
  • 中には水草や落ち葉を沈めておいて、ヤゴのかくれ場所をつくってやりましょう。
     
  • 底に砂を入れる必要はありません。
     
  • 輪ゴムは、写真では2本使っていますが、3本使ってとめたほうが、入れ物にうまく固定できます。


 プールでみつかるトンボは、まずまちがいなく、倒垂型(とうすいがた)という、棒などにつかまって、大きく後ろへそりかえるような羽化をします。ですから、必ず羽化するための棒をたてておいてやる必要があります。


■エサについて

 エサは、生きたものしか食べません。イトミミズやアカムシがよいのですが、今はどこでもなかなか手に入りません。プールでいっしょにつかまえたアカムシやフウセンムシ(コミズムシ)を入れておけばエサになります。

 また、花だんや溝でふつうのミミズをみつけたら、それを小さく切ってヤゴの顔の前に落としてやると食べます。

 たくさんのヤゴをいっしょに入れておくと、共食いしますので注意しましょう。


■羽化を成功させるひけつ

 羽化の観察をしたいときに、成功するひけつをお話ししておきましょう。答えは簡単!。まもなく羽化するヤゴを飼育すればよいのです。ではまもなく羽化するヤゴは、どうすればみわけられるのでしょう。これも、なれれば簡単です。

 したの写真はあるヤンマのヤゴですが、右のは「翅芽(しが)」とよばれる翅になる部分が、左の写真に比べてふくらんでいるのが分かりますか?。翅になる部分がふくらんでくると、実はその中に 成虫の翅ができている証拠なのです。ですからこういうヤゴはすぐに羽化します。

右の写真は、翅になる部分がふくらみ、まもなく羽化するヤンマのヤゴ。


 プールでは、6月の中ごろにとったアカトンボのヤゴはだいたいこの状態になっていて、すぐに羽化することが多いです。エサを食べないようなら、羽化は間近です。2、3日うちに羽化することになるでしょう。


■羽化の観察

 プールでよくみつかるアカトンボの羽化は、夜中であることが多いのです。ですから、自分の家で飼っておくほうが、羽化を見るチャンスは高いということになります。

 ヤゴがエサを食べなくなり、右の写真のように、上半身を水面から出すようになると、すぐに羽化します。夜寝る前に、毎日、ちょっと確かめておきましょう。

 羽化が近づいたヤゴは敏感になります。人のあまり通らない、静かな所に置いておきましょう。夜は暗い所がいいです。

プールで育ったヤゴたちの最後の大仕事が羽化です。うまく羽化できるように見守ってやってください。



Revised after 'http://www.odonata.jp/forpupil/polrear.htm'