流れのなかの小動物(2)


 ■オナシカワゲラ
オナシカワゲラ
3月、生田川・苧川の合流点
 日本では、このなかまだけでも30種もあるといわれます。翅包(しほう、成虫になるとはねになる)の形が、さきほどのカワゲラと大きく違うので区別できます。

 それにしても立派な尾が2本もあるのに「尾なし・・・」とは変ですね。

 カワゲラ目のなかまの成虫はカゲロウと違って尾はありません。


写真554、ヘビトンボ(幼虫)
10月、住吉川
ヘビトンボ
3月、生田川・苧川合流点の浅瀬


 ■ヘビトンボ
 水生昆虫としては大型で、2〜3年を幼虫で過ごし、体長8cm近くにもなります(写真554)。

 腹部第1節〜第8節にかけ付属器があり、1〜7節には糸状枝になったえらがあります。幼虫を「孫太郎虫」といい、昔は漢方薬として使われていました。

 目は小さいですが、口は大きく他の小動物を捕らえる肉食者です。


写真555、ヤマトクロスジヘビトンボ
9月、生田川・苧川の合流点
ヤマトクロスジヘビトンボ
4月、生田川・苧川の合流点


 ■ヤマトクロスジヘビトンボ
 日本ではわずか17種類という小さなグループで広翅目(こうしもく、ヘビトンボ目)のひとつです(写真555)。

 ヘビトンボとの違いは、付属器に糸状のえらがついていないのですぐ区別がつきます。そのかわり第8節目に呼吸管が1対あって、空気をとり入れます。



写真556、ウルマーシマトビケラの巣
4月、生田川・苧川の合流点
ウルマーシマトビケラ
6月、塩屋川

 
 ■ウルマーシマトビケラ
 トビケラのなかまは兵庫県下では118種も知られている大きなグループで、毛翅目(もうしもく、トビケラ目)のひとつです。

 砂粒や植物のかけらをつづって巣をつくって移動するものと、巣を流れの中の底石に固定し、網を張ってえさを捕らえるグループとがあります。

 写真のは固定巣のウルマーシマトビケラが体を半分ほど出しているところです(写真556)。

 幼虫には7対の枝状の呼吸器があります。



写真557、ニンギョウトビケラ
5月、住吉川
写真558、ヒラタドロムシ
5月、住吉川

 
 ■ニンギョウトビケラ
 砂粒を集めて巣を作り、川底をはって移動します。もっともありふれたトビケラのひとつ(写真557)。トビケラのなかまは巣の材料、形などの特徴で、種類を見分けます。


 ■ヒラタドロムシ

 小判(こばん)型をしていて、英名はWater penny(水中の銅貨)です(写真558)。微小(びしょう)な珪藻や藍藻(らんそう)などの植物性のえさをとります。

 この水生昆虫は羽化するとカブトムシやカナブンなどと同じく硬い翅をもったなかま、鞘翅目(しょうしもく)です。


写真559、ガガンボ科の一種
8月、生田川・苧川の合流点
ガガンボ
6月、生田川・苧川の合流点


 ■ガガンボ

写真560、ベッコウガガンボ
5月、生田川
 水ぎわの朽木・朽葉などの堆積物の間にひそんでいます。

 ガガンボ科の幼虫は脚が無いので、蠕動(ぜんどう)運動によって移動します。そのたび、体の表面にあるしわなどの状態は変わります(写真559)。

 体はいくぶん収縮しますが、約2cm、汚白色、絶えず体を動かすので微細なところがつかみにくいです。

 また、これは双翅目 ガガンボ科 ヒメガガンボ亜科 Eriocera属だと思われますが、日本から71属・494種も知られており、私はこれ以上のことは分かりません。


 ■ベッコウガガンボ(成虫)

 上のような幼虫が、水の生活を終えて成虫になると、写真のように体中がべっこう色のもようになります(写真560)。市街地でも見ることがあります。

 

写真561、アメンボ(交尾)
9月、山田川
シマアメンボ
6月、生田川・苧川の合流点


 ■アメンボ

 知らない人はないアメンボは、カメムシと同じ半翅目(はんしもく)のなかまです(写真561)。市街地の川ではこのほかシマアメンボがいます。


 ■シマアメンボ

 ゆるい流れに住んでいますが、水たまりにはいません。



このページのPDFファイル