| イネのなかま |
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稈(かん)ともいうイネ科の茎は途中で節が(ふし)があり、葉は線形で葉脈は平行に走り、小さな花は集まって穂状となり、おしべは3本、めしべには花柱が2本ある植物です。人をはじめ、家畜や草食動物に大切な食物を提供しています。
神戸にはおよそ190種ほどあり、そのうち私は市街地だけで54種を記録しました。ここでは、そのいくつかをとりあげます。
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写真268、メヒシバ
8月、狩口台3 |
写真269、コメヒシバ
9月、神仙寺通2 |
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■メヒシバ
道ばたや畑などの夏草としてエノコログサとともによく知られます(写真268)。茎の節から根をおろし、地表を這いまわり、のち穂を立ち上げます。1本の茎の先には数本の穂が逆八型に出ますが、よく見ると1ケ所からではなく、2段か3段構えとなっています。
■コメヒシバ
枝分かれした穂が稈の先の1ケ所から2〜3本出ていればコメヒシバで、メヒシバとの簡単な区別のしかたです。市街地の道ばたではこちらの方が多いのではないでしょうか(写真269)。みなさんもあたってみてください。
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写真270、ギョウギシバ
9月、西脇1 |
写真271、エノコログサ
8月、二宮町 |
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■ギョウギシバ
道ばただけでなく、人の踏みつけがちな公園内や芝生地に、地面にぴったしと茎をつる状に這わせているのをよく見かけます(写真270)。稈の先に手のひらを広げ、指を開いたように5本の穂を立てていますので、さきのメヒシバ、コメヒシバとの区別は容易です。
また、普通のシバは茎の先に短い1本の穂しか立てませんので、これまたたやすく区別できます。できれば穂についている一つ一つの小さな花をルーペで観察して比べてください。
■エノコログサ
夏草の代表的でありふれたエノコログサは、俗にネコジャラシと呼んでいることはみなさんもよく知っていることでしょう(写真271)。穂に少し長い毛がぎっしりと生えていますが、これはムギの穂の芒(のぎ)とは違ったつき方です。
太短い尾っぽ状の穂に密生した毛がフィルター(filter)の役目をし、車の排気ガスに含まれるススをひっかけて、まるで墨(すみ)をつけた筆のようになっています。
街なかの大気の汚れを測定器にかわって私達に知らせてくれているのです。本当の穂は薄い緑色をしています。
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写真272、ニワホコリ
8月、中島通5 |
写真273、セイバンモロコシ
7月、脇浜海岸通 |
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■ニワホコリ
草丈が25cm内外と背の低い1年草です。草全体がか細い感じで、たくさんの小枝を出してつけた穂がまるでほこりをかぶったように見え、名前のとおりです(写真272)。
■セイバンモロコシ
地下に強力な根茎を伸ばして根づく地中海沿岸地方からの帰化種で高さ1〜2mの大型の多年草です(写真273)。ニワホコリとは強弱があまりにも対照的なので紹介しました。セイバンモロコシは果樹園にとって強害草とされます。
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写真274、ケイヌビエ
8月、西舞子9 |
写真275、キシュウスズメノヒエ
8月、住吉川 |
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■ケイヌビエ
少し水辺から離れても生えるイヌビエの変わりものです(写真274)。水際から離れられないのは、紫褐色の長い芒(のぎ)をぎっしりと出す、名のとおりケイヌビエです。イヌビエの方は毛は短く、あってもまばらですから、違いはよく分かります。
■キシュウスズメノヒエ
「キシュウ」の名がついているのは、北アメリカ原産の帰化種が和歌山県内で知られるようになったためで、今では全国広く、水辺や湿地に群生しています(写真275)。
稈の先端にV字型に穂を出しています。
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写真276、ハマスゲ
4月、舞子台6 |
写真277、ハマスゲ
4月、舞子台6 |
写真278、ハマスゲ
6月、八幡通4 |
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■ハマスゲ
駐車場ができて1年後、整地前に残っていたハマスゲの根茎が眠りから覚め、固いアスファルト(asphalt)を突き破り、押し上げ、若い葉をのぞかせていました(写真276)。見回すと、他にも緑を伸ばしています(写真277)。
こんなか細い植物のどこにそんな力が潜んでいるのか、そのたくましい力にびっくりしました。
また、夏には別の駐車場のふちで群生しているのを見ました(写真278)。ハマスゲは塊茎(かいけい)を持った地下茎で増え、名のとおり砂浜をはじめ、砂質の多い土を好みます。
畑の雑草のカヤツリグサと似た穂を出していますが、引き抜けば稈がちぎれるか、地下茎がくっついてくるので、次のカヤツリグサとはたやすく区別できます。
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写真279、カヤツリグサ
8月、落合中央公園 |
写真280、コゴメガヤツリ
10月、北本町通6 |
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■カヤツリグサ
ハマスゲとよく似ていますが、穂のつき方が違います。こちらは1年草で、地下茎もありませんので、たやすく引き抜くことができ、ひげ根だけです(写真279)。
ハマスゲ同様、カヤツリグサ科で稈の断面は三角形で中実です。
■コゴメガヤツリ
市街地では、カヤツリグサより多く見られるようです(写真280)。1年草で「コゴメ」の名のとおり、穂の小さいのがたくさん集まっています。
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■ヒメクグ
稈の先に小さい花をたくさん集めて球状の穂を1ケだけのせます(写真281)。地下茎のある多年草で、少し湿ったところを好みます。郊外なら田の小畦によく生えます。
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