街なかの樹木たち(2)

写真394、カナメモチ
3月、上野通8
写真395、ユキヤナギ
4月、北落合2


■カナメモチ

 花を見て想像のつくようにサクラと同じなかまのバラ科で、こちらは常緑の低木〜中木(亜高木)です。

 若葉は燃えるような赤さで、人目を引き、別の名をアカメモチといいます(写真394)。


■ユキヤナギ

 バラ科の落葉低木、まれに渓流近くの崖地に自生していますが、普通は街路樹か庭先でしか見られません(写真395)。



写真396、シャリンバイ
5月、落合中央公園
写真397、シャリンバイ
11月、中落合3


■シャリンバイ

 バラ科の常緑低木で海岸近くに生えます。花を見ればなかまを見当づけられます(写真396)。

 葉は枝先からまるで車輪のスポーク(spoke)のように八方に広げて日を受けます。実は黒豆のようです(写真397)。



写真398、ヤマブキ
4月、王子公園
写真399、シダレザクラ(左)とソメイヨシノ(右)
4月、野崎通4


■ヤマブキ

 バラ科の落葉低木で、渓谷のそでに自生します。花びらは5枚ですが(写真398右側)、園芸品種はヤエヤマブキといい、八重咲(やえざき)で、重花弁(じゅかべん)です(写真398左側)。意図的に同じ場所に植えられていました。


■シダレザクラ(左)とソメイヨシノ

 バラ科の落葉樹、ソメイヨシノ(右)が満開を過ぎはじめると、少し遅れてシダレザクラ(左)が花枝を垂れ下げて満開に近づきます(写真399)。



写真400、フジ
4月、須磨寺
写真401、キリ
4月、舞子坂3


■フジ

 マメ科の落葉藤本(木性づる)で、つるは左巻き、普通フジ色と形容される薄紫色をした花穂は40cmほどに長く垂れ下がります(写真400)。

 これに対し、つるが右巻きで花穂が太短く、多くは白花のものをヤマフジ(ノダフジ)といいますが、神戸では植えたものです。


■キリ

 研究者により、ノウゼンカズラ科ともそれにごく近いトウダイグサ科ともいわれ、また原産地についても中国中部、あるいは不明とされる落葉高木です(写真401)。

 いずれにせよ、日本では古くから植えられ、その材は高級家具として重宝(ちょうほう)されてきました。



写真402、ネムノキ
6月、落合中央公園
写真403、ネムノキ
6月、落合中央公園


■ネムノキ

 熱帯地方から北上してきたとされるマメ科の落葉高木で、おしべがピンクで長くて、多数あって美しい(写真402)。

 およそマメ科らしくない花ですが、さや状の果実はまさに豆果です。

 夕刻になると睡眠運動をするのは、オジギソウと同じです(写真403)。


写真404、センダン
5月、住吉山手
写真405、センダンの実
1月、王子公園


■センダン

 海に近い山地に自生するセンダン科の落葉高木ですが、ごくまれにしか見られません。

 花びらは5枚で淡紫色(写真404)、白い実は澄みきった冬空にくっきりと浮かびます(写真405)。



写真406、アカメガシワ
4月、落合池北
写真407、アカメガシワ
6月、上野通8


■アカメガシワ

 トウダイグサ科の落葉低木〜中木(亜高木)で陽樹(ようじゅ:明るい所を好む木)のナンバーワン(No1)です。

 わざわざこんな木を植える人はありませんが、若葉(写真406)といい、花穂(写真407)の色や姿といい、素朴で飾り気のない美しさです。



写真408、ハゼノキ
11月、神仙寺通1
写真409、ヌルデとカキの実
11月、落合中央公園


■ウルシ科の紅葉

 いずれもウルシ科の落葉樹で、秋から初冬にかけて紅葉し、人目を引きます。

 端正(たんせい)な葉はハゼノキで、単純な羽状複葉です(写真408)。一方、葉の軸に翼状のひれがついた少し淡い紅葉は、ヌルデです(写真409)。

 山地のヤマウルシ同様、このなかまは人により皮膚がかぶれることがありますので気をつけます。



写真410、クロガネモチ
6月、中山手2
写真411、タラヨウ
1月、王子動物園

■モチノキのなかま

 どちらもモチノキ科の常緑高木で、庭などに植え、赤い実を愛(め)でます。

 葉が卵円形なのがクロガネモチ(写真410)で、長い楕円形で固くてぶ厚い葉がタラヨウ(写真411)です。



写真412、アオギリ
5月、青谷川公園
写真413、サンゴジュ
8月、青谷川公園


■アオギリ

 アオギリ科(写真412)


■サンゴジュ

 スイカズラ科の常緑高木で、暖地南部に分布する木ですが、神戸や県下では自生はないようです。

 公園によく植えます(写真413)。



写真414、ヤツデ
12月、狩口台3
写真415、ヒラドツツジ
4月、王子公園


■ヤツデ


 ウコギ科の常緑低木で山地の高木の下に生えます。葉は名のとおり8〜9つに裂けます。

 初冬に花が咲き、冬を越す多くの虫たちにとって大切な木です(写真414)。


■ヒラドツツジ

 日本のモチツツジと沖縄や中国産との交配により、九州は平戸市で古くから多くの園芸種がつくられました。街路の低木類でアベリヤに次いで多く植えられています(写真415)。



写真416、コバノミツバツツジ
4月、落合中央公園
写真417、アセビ
3月、落合中央公園


■コバノミツバツツジ

 地下鉄名谷駅を中心に広がる住宅地が開発されてから、もう40年あまりになりますが、落合池の周りには、まだこんな自然が残っています(写真416)。


■アセビ

 山地では、正月を過ぎた頃からスズランのような可憐な花をたくさん咲かせ、桜の頃まで楽しめます。

 ツツジ科では珍しく、常緑の低木です。奈良のシカもこれだけは食べないそうです(写真417)。



写真418、エゴノキ
5月、JR三宮駅北
写真419、テイカカズラ
5月、籠池通4


■エゴノキ

 山地では、少し谷がかかったところに生える落葉中木で、白い花は浅く5つに裂けますが、がくはコップ状です。実は卵型で約1cmです(写真418)。


■テイカカズラ

 暖地では、最も普通な常緑のキョウチクトウ科の木本づるです。白い花は、のち薄い黄色に変わります。花先が5つに裂け、プロペラ状に少しねじれます。




■シュロ

 単子葉植物のヤシ科の常緑樹で、なんとなく南洋のジャングル(jungle)を想わせます。

 日本にあるのは植えたものか、種が鳥などに落とされて野生化したものです(写真420)。

 幹に残った葉柄のつけねの繊維は、シュロ縄として今も役立っています。



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