神戸の自然シリーズ8 神戸の蝶
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 42.ミドリヒョウモン /タテハチョウ科


 ヒョウモン類はたがいに似ているが、この種は後翅裏面が緑色を帯び、よく目立つ銀条が3本あるので他の種と区別しやすい。雄の方が色調が明るく、前翅表面1b〜4脈に沿って黒条の性標がある。

 神戸では低地から山地にかけての草地に見られ、ヒョウモン類の中でいちばん数が多い。

 草地上を敏速に飛び、オカトラノオアザミ類の花によく来る。

 年1回、5月下旬頃より発生するが低地では梅雨明けとともに姿を消す。六甲山上では盛夏にも活動がある。低地では10月頃より再びみられるようになり、11月頃まで残る。晩秋にはセイタカアワダチソウの花にもよく来る。低地における夏の没姿が夏眠であるか、高所への移動によるものかは確認されていない。越冬は1令幼虫、孵化した後、食物を摂らず越冬に入るという。

 幼虫の食草はスミレ類で、タチツボスミレ類を好むといわれる。


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