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■水田の微生物をうまく観察するために
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1.検鏡材料
ビーカーなどの容器に入れた材料(水田のあわを集めたもの)は濃緑色でモアモアとした状態となっています。
スポイトでモアモアとした上層部分を2〜3滴分吸い上げます。上澄み液はプランクトンが少なく観察に適しません。また底の部分は砂やごみが多くカバーガラスを水平にかけられなくなるので避けた方がよいです。
スライドガラスに1滴のせ、ワラくずや植物片など肉眼で分かるものをピンセットで取り除きカバーガラスをかけます。カバーガラスが水平にならない時は砂粒や木片などが入っているので取り除き、必ず水平になるようカバーガラスをかけてください。この時、カバーガラスのほぼ全面が緑色になるぐらいが望ましいです。カバーガラスがソウ類の塊のために浮き上がっているようであれば、軽くカバーガラスを押し、うき上がりをおさえます。あふれた水はろ紙などで吸い取って検鏡を始めます。
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プレパラートの作り方
通常の方法と変わらないが
砂粒や木片を取りのぞくこと |
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2.検鏡作業
低倍率から高倍率に対物レンズを変える検鏡作業をくり返して最終的には最高倍率でアメーバ(ホシガタアメーバやナメクジアメーバなど)を観察することを目標とします。
ステージ型顕微鏡の場合、ステージを下げていくに従って、スライドガラス上面、スライドガラスとカバーガラスとの間、カバーガラスの下面という順番で観察することになります。
ゾウリムシ、クマムシ、センチュウなどはスライドガラスとカバーガラスとの間(下図B)に動いているのが容易に観察できます。
ツリガネムシやラッパムシはソウ類の塊(緑色に見える塊)などの周辺に付いているので、プレパラートを動かし、緑色に見えるかたまりとかたまりの間を観察します。高倍率にするとミドリムシ類が盛んに動き回っているのが分かります。
ステージを下げていくとカバーガラスの下面(下図A)に付いたケイソウ類が多く見られるようになります.ケイソウは高倍率(400、600倍)でよく見えるが、ケイソウが見える状態でプレパラートを動かすとホシガタアメーバやナメクジアメーバなどがカバーガラスの下面に付いて移動している様子が観察できます。
オオアメーバは低培率で観察できますが、出合うことは非常にまれで、ホシガタアメーバやナメクジアメーバなどはこの水田のあわの1滴で必ず何個体も発見できるはずです。ただ、慣れないと透明で動きが遅いために気付かずにプレバラートを動かしてしまうことがよくあります。慣れると次々に発見できかなりの密度で生息していることが分かるでしょう。
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カバーがラスとスライドガラスの間の状態を示した図
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- A:カバーガラスの下面
- ケイソウ・アメーバ類が見えます。
- B:スライドガラスとカバーガラスの間
- ゾウリムシ、ミドリムシ、ツリガネムシ、ミカヅキモ、クンショウモなど、多くのプランクトンが見えます。
- C:スライドガラスの上面
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