神戸の自然シリーズ11 神戸港のプランクトン
  前ページへ 目次へ 次ページへ
II.神戸港のプランクトン−ケイソウの仲間 ... 

ツツガタケイソウ Rhizosolenia 属 (2)

リゾソレニア・ロブスタ Rhizosolenia robusta

 細胞の直径は50〜400ミクロン。長さは500〜1,000ミクロンと大型のケイソウである。細胞は筒状で長めの横の面と斜め円錐形のふたとからなり、全体は三日月のように曲がっている。横断面が楕円形のため、向きによって幅が広く見えたり、狭く見えたりする。ふたの先端には小棘がある。単独で浮遊しているが、ごくまれに短い群体をつくっていることがある。

 種名は、ラテン語で「成長した」とか「大型の」という意味のrobustaで、この種が他のリゾソレニア属の仲間に比べ大型であることをあらわしている。外洋性の種といわれるが、各地の沿岸に普通に分布している。神戸港にも生息しているが、盛夏に見つけたことはない。秋風がたち始める頃から目につきやすくなるようである。


リゾソレニア・アラタ・インディカ Rhizosolenia alata forma indica

 Rhizosolenia alataには同じ種でありながら形態を異にするものがあり、4つの型(forma)に分けることができる。

 写真はそのうちの1つの型である。原種は直径7〜15ミクロン、長さは700ミクロンと細長い円筒形であるが、この型は直径20〜50ミクロンに達し、原種に比べて著しく太い。このため細胞両端の斜錐部は急に細くなり、突起がよく目立つ。このように、この型は原種とたいへん異なる形態をしているため、かつては別種と考えられたこともある。しかし、同じ個体でありながら、斜錐部が原種と同じ形態をしているものがあるため原種の一つの型と考えられている。

 原種は太平洋・大西洋をはじめインド洋・地中海・南極海など世界の海に広く分布する。

 写真は昭和57年1目ポートアイランド南端で採水した試料中に見つかったものである。

リゾソレニア・ストルテルフォシー Rhizosolenia stolterfothii

 細胞が数個連結したものは、腸づめのウインナソーセージを思わせる。細胞は円筒形で弧状に曲がり、直径は15〜45ミクロン。長さは250ミクロンに達する。ふたの面は平らで、その周りは丸味をおびている。ふたの面のすみには1本の棘があり、隣接する細胞の凹孔に入り込んで連結し、螺旋状の群体をつくる。色素粒は小形で楕円形、粒状のものが多数存在する。殻は薄く、乾操すると破壊する。

 この種は、温度に村する適応力が強く、熱帯から寒帯まで広く分布している。神戸港にも生息しているが量的には多くない。




リゾソレニア・デリカツラ Rhizosolenia delicatula (上左)
 細胞は円筒形で、直径は9〜16ミクロン。ふたの面はほとんど平らであるが、周りはやや丸味をおびている。細胞は密に結合し、真直ぐな群体をつくる。ふたの面のすみにある小棘が隣接する細胞の凹溝にかん入して連結する。リゾソレニア・フラギリシマR. fragilissima も同様なしくみで連結するが、ふたの面にある小棘の位置が違うので両者は容易に区別できる。色素粒は、2〜数個で大きな円板をしている。

 神戸港でごく普通に見られる。


リゾソレニア・フラギリシマ Rhizosolenia fragilissima (上右)
 細胞は円筒状で直径は8〜70ミクロン。長さは40〜80ミクロンである。ふたの面の中央付近にややわん曲した1本の小棘と凹孔がある。小棘は隣接する細胞の凹孔の中に入り込んで連結し、真直ぐな群体をつくる。しかし、細胞どうしの結合はゆるく、少し強く遠心分離するとばらばらになる。色素粒は小さな板状のものが多く、殻全面に分布している。

 この種によく似た種にリゾソレニア・デリカツラR. delicatula があるが、こちらは小棘がふたの面のすみの方にあることと、色素粒の数が少ない(2個またはそれ以上)ことで区別できる。

 この種は、北方沿岸性といわれ秋から春にかけて普通に見られるが、神戸港では夏も多いようである。

前ページへ 目次へ 次ページへ