神戸の自然シリーズ11 神戸港のプランクトン
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II.神戸港のプランクトン−鞭毛藻類/渦鞭毛藻類 ... 

ツノモ Ceratium
ケラチウム・フレーベの変種
(C. breve var. parallelum
ケラチウム・ホリドゥム
C. horridum

 栄養のとり方は独立栄養で体内に色素粒を含み、光合成を営む。

 プランクトンとしてごく普通のもので、四季を通じていずれかの種が出現する。熱帯から寒帯まで世界中の海に分布しているが、流水に生息する種類もある。海産のある種は夜間発光することが知られている。

 細胞は横溝上錘下錘に分けられる。上錘は上方に長く伸び、下錘左右2個の棘をもっており、全体としていかり型をしている。細胞が大きく、独特の形態をしているので人目をひく。体表面は、鐙板でおおわれているがプロトペリディニウム属ほど明瞭ではなく、分類は主として細胞の形態によってなされる。

 変種が多く、同定がむつかしい仲間もある。Ceratium とは「ツノのある」という意味である。


ケラチウム・フルカ Ceratium furca

 細胞は黄褐色で逆Y字状のスマートな形態をしている。大きさは体長120〜250ミクロン。幅は30〜40ミクロンと大小さまぎまである。厚みは幅よりも小さく、扁平である。上錘に1本、下錘に2本の角のような突起をもっている。体下部の突起2本のうち一方は他方より短かく太さもやや細めである。時としてこれら突起の周りに歯状の小さな突起をもっていることがある。鞭毛は2本あり、これを用いてゆるやかにスイスイと泳ぐ。

 この種は、はやくから(岡本・西川、1904年)知られている種の一つである。神戸港では6〜12月にわたって出現するが夏期に最もよく増殖するようである。赤潮の原因となる種として古くから知られているが、神戸港でも真夏の太陽が照りつけている頃、ケイソウに混じって優占種となることがある。

 種名のfurcaは「又木」とか「熊手」の意味である。


ケラチウム・フスス Ceratium fusus

 体色は黄褐色で、弓なりにわん曲している。スリムな形態をしているので刀身のような感じを受ける。体長は300〜600ミクロン、幅は15〜30ミクロンである。細胞の横断面はほぼ円形になっている。上錘部と下錘部の一方の角状突起は、よく発達しているが、下錘のもう一方の角状突起は著しく小さく、消失していることもある。

 世界中の海に広く分布しており、日本沿岸でもごく普通に見られる。神戸港あたりでは夏から秋にかけて前種Ceratium furca とともに出現し、表層に多い種類である。海の表面にこの種がたくさんいる場合には、夜間に著しい燐光を発するという。

 種名のfusus はラテン語で「伸びた」という意味で、細長い形態をよく表している。

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