「この山はどのようにしてできたのですか」と開かれたときの回答は、その山を構成する岩石の種類とか、地質構造のメカニズムなどが説明の中心になるのであろうが、要するにこの山は、今から何年ぐらい前に、こんなしくみでできたのだという2点がもっとも重要なポイントではなかろうか。
ここでは六甲全山縦走コースで試みた地形と地質見学の成果をふまえて、六甲山地の成因説をやさしく解説してみたい。以下の解説はおもに『新修神戸市史第1巻』の「大阪層群と六甲変動」を参考にまとめた。
まず最初に六甲山地が上昇をはじめる約100万年前までの六甲地質について年代を追って説明する。その大要は次の地質略図と年代表にまとめているので、これだけで充分かも知れないが、あらましは次のようになる。
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