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■7.キジバト −町に進出した野の鳥
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9月24日(抱卵14日目 育雛開始)
観察をはじめた9時頃、雄が抱卵していたが、いつもと違って落着きがない。胸の下を気にして盛んにもぞもぞと動く。間もなく1羽の雛が、親の胸の下から黄色のうぶ毛を見せているのに気がついた。卵の殻は木の下に落ちており、朝早くに孵化したものらしい。14時頃まで何度も餌をやっているのが見られた。そのようすは次のようである。雛の動きが盛んになると親鳥は体を少しずらし、胸の下から顔を出す雛の嘴を軽くくわえるようなしぐさをする。雛はこれに答えて、頭をふり上げながら嘴で何かをさぐるようなしぐさをする。親は雛の嘴を自分の口の中へ導いてやる。雛は親の喉深く嘴をさし入れて液状になった餌をもらう。親は頭を上げたり下げたりしながら、そのうの中の餌をしぼり出しているようで、苦しそうな表情に見える。
ハト類は幼い雛に Pigeon Milk と呼ばれるそのう壁の分泌物を与える。おそらく雛はその栄養に富んだ餌をもらっているのであろう。
給餌は2〜3分で終り、雛は親の喉から嘴を抜く。少し休んで、またくり返し、5〜6回続けると雛は親鳥の胸の下にもぐり込んでしまう。そして30分もたたないうちに次の給餌がはじまる。よほど消化のよい餌らしい。
雛の限はかたく閉じており、嘴は体に不似合に大きくて太く黒色である。下嘴の方が幅が広く受嘴とでもいおうか。
体にはちぢれた黄色のうぶ毛がまばらに生えているだけで皮ふは暗灰色。おせじにも可愛いといえるものではない。ヒヨコのように可愛いという言葉があるが、今はグロテスクという表現がぴったりあてはまる。
15時交代、雌親が巣に入ったことになる。その後はまったく給餌は見られず、雛の体の掃除をしてやったり、こほれている雛の糞を食べたりするだけであった。初卵を産み落して14日目に孵化したことになる。
9月25日(育雛2日目)
7時半、まだ交代していない。今朝もまったく餌を与えない。7時頃、10mほど北のTVアンテナに雄がきて、盛んに鳴く。7時40分交代、2羽目の雛も孵っている。間もなく給餌開始。2羽の雛が同時に親の喉へ嘴をつっこんでいる。餌をもらわないときの雛は親鳥の胸の下に入って姿を見せないが、ごそごそ動いている間に、尻の方がはみ出してくるのは愛嬌がある。
9月27日(育雛4日目)
7時50分と16時に交代した。2回とも帰巣してすぐ餌を与えた。給餌は帰巣後5〜6回つづけるとそれで終って、その後は雛の体の掃除をしたり、糞を食べたりしているだけである。木の実や穀物のようなふつうの食物の混入が多くなったのと、雛が一度に多くため食いできるようになったからであろう。親が給餌の合図をしない限り、雛の方から催促するようすはない。雛の成長が目に見えて来た。目はかすかに開く。
9月28日(育雛5日目)
6時30分から1時間巣をあけた。交代時のごく短時間以外に巣をあけたのはこれがはじめてである。帰巣してすぐ給餌したが、先ほどまで巣にいたのと違う方の親である。給餌の時間は1回が長くなり、帰巣してから30分ほどの間に2〜3回に分けて行うとそれで終了する。多くの場合2雛が同時に餌をもらう。10時交代給餅。12時交代給餌。15時交代、餌はやらない。雛の体のそうじと糞を食べるだけである。
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