トンボとウスバカゲロウ

トンボとウスバカゲロウのなかまを比べる
分類名 触角 胸のようす 静止時の翅 活動
前部 中・後部
トンボ目 イトトンボ
ヤンマ
アカトンボ
ごく短い 小さい 合わさる 左右に両開き ない 多くは昼間
脈翅目 ヘビトンボ
ツノトンボ
ウスバカゲロウ
頭の幅より長い よく発達 別々 腹の上面にた
たんで重ねる
ある 夜行性


■ホシウスバカゲロウ

 朝の通勤でバス停に向かっていますと、民家の壁に翅をたたんで休んでいるところを見ました。そこは500mを行かぬうちに山の中に入りますので、夜のまちの明かりに誘われて下ってきて、街灯などに集まる小さな虫たちを捕らえに来ていたのではないでしょうか。

 幼虫はアリジゴクと呼ばれ、山中の地面にすり鉢状(噴火口型)の巣をつくり、落ちて来る虫を待ちかまえます。

 体は黒っぽく、長さ3cm、翅にはぼんやりと暗い斑点があって、長さは前、後とも同じ3.5cmでした。

 この1週間後、自宅の庭には、斑点のないウスバカゲロウも来ていました。どちらも夜行性で、カなどを捕らえて食べますので、人間から見れば益虫です。



写真6、オオシオカラトンボ♀
6月、落合中央公園
写真7、オオシオカラトンボ♂
7月、王子公園


■オオシオカラトンボ

 落合池をかこんでいる林のふちでオオシオカラトンボの雌が休んでいました(写真6)。体の色のぐあいから、羽化してまもない雄のこともあるのですが、腹端のようすから、この場合は雌のようです。みなさんよく知っているシオカラトンボの雌(ムギワラトンボと呼ぶことがあります)とよく似ています。オオシオカラトンボの場合は、翅のつけねのあたりが雌雄どちらも黒っぽいので区別できます。体がとくに大きいというわけでもなく、幅が少し広いようです。

 木陰の下は人工の小溝に水が流れ、そのコンクリート壁で休んでいるのは雄のオオシオカラトンボです(写真7)。シオカラトンボは明るくて広いところを好むようですが、オオシオカラトンボはどちらかというと、ややうす暗い、せまい水場を好むといわれます。どちらも、川の流れではなく、止水域(しすいいき)といって、水辺に草などの生えている池、沼、水たまり、田んぼなど、水面に腹端を打ちつけて、水をはねて卵をうみつけます。



写真8、アオモンイトトンボ♂
7月、自宅
写真9、コシアキトンボ
6月、落合中央公園


■アオモンイトトンボ

 とても暑かった日の5時ころ、自宅のガレージのシャッターに止まっていました(写真8)。西日が当たってさぞかし暑かろうにと思うのですが、......。また、庭のちっぽけな水たまり以外に、あたりには水場がありません。どうしてここにという疑問は解けませんでした。

 ピントが甘く、よく分からないでしょうが、腹端の黒と青のもようの配列からアオモンイトトンボのようです。

 つかまえて調べようとしましたが逃げられ、花もあるけど草も生えている庭にまぎれ込まれました。


■コシアキトンボ
 植えた木も、自然の木もある落合中央公園は、古い大きな池があって、冬鳥がやってきたり、トンボが発生したりして、楽しみのあるところです(ただし池には近づけません)。

 林のふちを群れ飛んでいるトンボたちをよく見かけますが、昼休みどきに見に行きますと、ちょうど雌(写真9左)、雄(写真9右)が少し離れて休んでいましたので、カメラに収めました。腰のあたり(腹部第3、4節)があざやかな黄色が雄で、雌のは黄に黒が混じっていますので区別できます。



写真10、ウスバキトンボ(羽化殻)
8月、ポートアイランド
写真11、ウスバキトンボ
9月、王子公園


■ウスバキトンボ

 ポートアイランドの南公園には浅い池がつくられていて、シオカラトンボとともに、このウスバキトンボのヤゴも育っているようです(写真10)。左が背側、右が腹側を見せてあります。羽化した殻は、水ぎわのコンクリート壁に止まっていました。この小さな池にはほかにアメンボやミズムシなども住んでいました。

 うすいオレンジ色の体で小さい三角がたてに並んで黒いすじのように見え、大きな目をしたトンボです(写真11)。

 幼虫の成長はとても速いのですが、寒さには弱いので、本州はもちろん、四国、九州でも冬を越せません。

 それで、南東の季節風が強まるころ、もっと南の方からはるばるやってくるのです。8月の中ごろには最も多くなるとされ、誰でも知っているトンボです。大人でもこれを「アカトンボ」と言っているのを耳にします(アカトンボではありません)。



写真12、コノシメトンボ♀
10月、狩口台3
写真14、オニヤンマ♂
9月、落合中央公園


■コノシメトンボ

 写真12のコノシメトンボを見たのは学校のすぐ近くの小さな林のふちですが、3つの学校がかたまっていて、プールも3カ所になりますので、幼虫のヤゴが育つにのには、こと欠かないようです。

 さて、この写真のように、翅のはしっこが黒っぽい褐色の大きな紋のついたアカトンボのなかまには、コノシメトンボのほか、ノシメトンボやリスアカネ、そしてときにはマユタテアカネの雌のこともあります。それで、真上から写した写真ではわかりませんが、捕らえて胸の横側の黒いすじもようを観察するのが早いようです。

■オニヤンマ
 天気は快晴、9時半ごろ、樹木の多い園内を通り抜けていたら、パトロール中のオニヤンマに出会いました。あわててカメラを取りだし、静かに追っていくと、運よく枯れ枝に止まってくれました。

 胸の高鳴るのをこらえ、3、4枚写した後、大きく息を吐きました。緑色の目、黒いからだを黄色のストライプで区切りをつけたトンボの王者は、子たちだけでなく大人でもぐっとひかれるものです。腹端にオニヤンマ雌特有の長大な産卵管がないので、雄のようです。

 都会のオアシスともいえる、落合中央公園は地下鉄名谷駅のすぐ近くです。



胸の側面の黒いすじ
翅の先端に黒(茶)褐色の紋(もん)のあるアカトンボのなかまの種類の見分け方。略図で描いたように、トンボを真横から見て翅の生えている胸の側面の黒いすじ(黒条)に注目するのも一つの方法です。とくに、図上(1)(2)のすじののびぐあい、つながりなど、よく観察します。

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