コオロギのなかま


 直翅目(ちょくしもく)のなかで、キリギリス科にもっとも近いなかまで、後足が長く、跳んだり跳ねたりが得意です。雄は美しい声の持ち主が多く、秋の虫の代表格です。2、3を紹介します。



写真34、エンマコオロギ
9月、浜辺通6
写真35、ハラオカメコオロギ♀
10月、王子公園


■エンマコオロギ

 ビルの谷間の空き地の草が刈り取られ、それを野積みにしているところが見つかりましたのでかき上げると、もぞもぞとコオロギが出てきました(写真34)。
 
 家に持ち帰り、飼育ケースに入れましたらバタバタと跳ねまわって落ち着きません。そこで魚肉ソーセージやふかしイモを与えるとやがて落ち着きを取り戻しました。
 
 左の2匹が雄で、左端の雄は前羽をこすり合わせて発声し、右の2匹の雌に音楽をサービス(service)しているかのようです。


■ハラオカメコオロギ♀

 青谷川の右岸でサクラやシンジュなどの木の下に、セイタカアワダチソウやオシロイバナなどの草むらがあり、ヒトスジシマカが飛ぶ少し湿り、やや陰気な感じのところ、足で草を払っていると数匹のコオロギが這い出してきました(写真35)。体長は2cmほどでエンマよりずっと小さいです。
 
 「リ、リ、リ、リ」と4、5声のあと、少し間をおいてまたこれを繰り返して鳴きますが音は控えめです。

 もし強く区切って鳴いていましたら、それはミツカドコオロギです。



写真36、マダラスズ
11月、落合中央公園
写真37、スズムシ
8月、自宅


■マダラスズ

 園内をふちどっているアベリヤの植え込みのまわりの低い草むら、ブタナのロゼット葉に止まっているのはマダラスズで、体長は1cmほどの小さなコオロギです(写真36)。
 
 後脚の太もも(腿節)には白、黒の紋があって、シンボルマーク(symbol-mark)となっています。
 
 背の低い草地を好み、年に2回発生します。「ジィーィッ、ジィーィッ」と間をおいて同じテンポ(tempo)で鳴きます。


■スズムシ

 飼育中のスズムシの雄(写真左)が広い卵型の前翅を立て、すぐそばの雌の近くで羽をこすり合わせ、盛んに美声を響かせています(写真37)。
 
 白くて長い触角、脚は体の割には細く、ジャンプ(jump)力は弱いようです。雌の産卵管は1cmを超えます。
 
 秋の終わりにケースから出して庭に放してやりましたが、どうしたことか次の年には屋外で発生してくれませんでした。




■アオマツムシ♂

 夏の終わりから秋にかけ、「リィー、リィー」と夜の街路樹から盛んに鳴く声が歩道をいく人の頭上に降り注ぎます。熱帯アジア原産の帰化昆虫も今ではすっかり大都会になじんできたようです(写真38)。
 
 写真のは、まだはねが伸び始めたばかりの雄の仔虫で、なぜか公園の木の下でジャンプしていたものです。

 残念ながら私はまだ羽を振るわせて樹上で鳴いている現場を目撃したことはありません。
 
 皆さんの良い目で確かめてください。



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