| 虫こぶなど |
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草や木の新芽や茎、葉などほとんどすべての部位(ぶい)にけったいなこぶ状のふくらみを見たことがあるでしょう。
それらはタマバエ、タマバチ、カイガラムシなどの幼虫やダニ、線虫から菌類、細菌、ウィルスまで広い範囲の生物の寄生によるものです。虫えいとか、・・フシ、ゴール(gall)ともよばれるものは寄生者が出す分泌物で植物組織が異常に肥大したもので、たとえれば植物のガンのようなものでしょうか。
日本では1400種類もの虫こぶがあるそうです。
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写真191、ヨモギクキワタフシ
8月、狩口台3 |
写真192、ナラメリンゴフシ
4月、落合中央公園 |
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■ヨモギクキワタフシ
道ばたのヨモギの茎に綿ぼっくりのようなものがついていました(写真191)。これは茎にくいこんだヨモギワタタマバエによるものです。みなさんもどこかで見たことがあるでしょう。
これに限らず、虫こぶの名前のつけ方には統一されたものがあります。それは
植物名 + 形成部位 + 形状 + 虫こぶ(フシ)
の4つの名をつらねたもので、この場合はヨモギという草の茎につく綿状の虫こぶを指します。実に合理的な名づけ方です。
ですから、寄生者の名前ではないのです。
■ナラメリンゴフシ
さきの約束にしたがえば、この場合はナラの木の芽にリンゴみたいな虫こぶということです。ナラというのは雑木林に多いコナラとかそれより少し高いところに分布するミズナラという落葉広葉樹のなかまです。
桜の花が終わるころ、コナラが黄緑色の若葉を広げ、長い穂状の雄花を垂れ下げるときには、すでに枝先の新芽に小さなリンゴをくっつけていますから、多くの人の目にふれることでしょう(写真192)。
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写真193、クヌギハケタマフシ
9月、東遊園地 |
写真194、イボタロウ
7月、加納町5 |
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■クヌギハケタマフシ
公園の一角です。広い大きなドングリをつけるクヌギとよく似て樹皮が厚く、弾力性のあるアベマキという木の葉の裏におちょぼ口をした球形の虫こぶがいっぱいくっついています(写真193)。
これはクヌギオオケタマバチの寄生によるもので、7月〜10月にかけて見られます。
ここで、ひとつ質問。ケヤキハフクロフシという名から、植物名、虫こぶのつく部位、虫こぶの形を言いあててください。植木として市街地でもよく見られる落葉樹です。5月初めごろ特に気をつけます。
答えはケヤキの葉の表につく袋状の虫こぶ(ふし)です。
■イボタロウ
三宮交差点近くの歩道わきに植えられたセイヨウイボタノキ(モクセイ科)の幹に白いローソクのようなものがくっついていました(写真194)。正しくは虫こぶではありませんが、ここでとりあげます。
これはイボタロウムシというカイガラムシ科の幼虫(雄)が寄生して分泌したろう物質の塊です。名のとおり、このろうはローソクの原料となります。
また,昔は「戸すべり」といって障子戸やふすまなどが敷居でよく滑るように、これを塗りつけていました。
もちろん、山地の林内でもイボタノキやマルバアオダモなどモクセイ科の低木で見ることがあります。
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■ワタフキカイガラムシ
公園や街路樹の植木によく使われているユキヤナギ(バラ科の低木)の枝に白い虫こぶのようなものがついていました(写真195)。よく見るとそれは虫こぶではなく、白いろう物質で体をおおったカイガラムシの一種の雌の成虫が冬を越している姿でした。
別の名をイセリアカイガラムシといい、オーストリヤからなにかの移入植物にまぎれこんで日本で増えだしたものです。
300種以上もの植物に害を与えるそうで、それをやっつけるのに同じオーストラリアから天敵となるベタリアテントウムシを輸入したほどです。
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