道ばたに見る春の草たち 広瀬重夫
 ナデシコ科のなかま

写真61,ツメクサ
5月,中央区
写真62,コハコベ(ハコベ)
3月,垂水区


■ツメクサ
 人の踏みつけに耐えられるので,道ばた,公園の入り口など,わずかな土をたよりに生えています.葉はぶ厚い線形で対生につき小鳥のツメのようですのでこの名がつきました.

 がくと花びらは5枚ずつで,ほぼ同じ長さです.めしべは5本の短い花柱があり,種は直径0.5mmほど.表にごく小さな突起があり,人や動物の足で運ばれやすくなっています.


■コハコベ
 街路樹の根元など,人の踏み込みから少し離れた場所に生える,ごくありふれた草です.白い花びらは10枚のように見えますが,1枚が深く二つに裂けているからで,実は5枚なのです.まためしべの先は3つに分かれます.

 やわらかい草はよくきざんで小鳥のエサにしてやります.ニワトリなどのヒナにはぴったりです.


写真63,ウシハコベ
5月,灘区
写真64,ノミノツヅリ
4月,灘区


■ウシハコベ
 人の踏みつけにはまったく耐えられませんので,写真63のように,公園などのフェンスの近くに生えています.葉の大きさも,草の高さも,コハコベより何倍も大きくなります.決定的なちがいは,めしべの先が5つに分かれることです.


■ノミノツヅリ
 道ばたで見かける,かなり乾燥に耐えられる小型の草です.白い花びらは5枚で,緑色のがくよりも短いのに気づくでしょう.

 郊外の田んぼや小あぜに生えるノミノフスマにそっくりのすがたですが,ノミノフスマはコハコベ,ウシハコベと同じく5枚の花びらのそれぞれが深く二つに裂けているので,ノミノツヅリとたやすく区別できます.


写真65,オランダミミナグサのロゼット
1月,中央区
写真66,オランダミミナグサ
3月,中央区


■オランダミミナグサ
 公園のふち,街路樹の根もと,道ばたでよく見かける春の草です.写真65のロゼットは,向かい合った葉が少しずつずれて,上下の葉の重なりをさけています.

 オランダミミナグサ(写真66)は,ヨーロッパが原産地の外来種で,我が国に昔からあったミミナグサ(茎が紫色をおびる)は都会ではまず見つからないでしょう.北や西区の郊外では見つかるかも知れません.

 ツメクサからはじまり今紹介している草たちは,葉のつきかた(対生)や,花や果実のしくみがたがいによく似ていて,ナデシコ科の植物にまとめられています.


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