白岩先生の植物教室 イチジクのなかま
5.イヌビワ (5) 受粉は巧妙-1

 受粉はどうして行われるか、最近多くの研究者の調べでだいぶわかってきました。イヌビワは閉ざされた花のうの中に花があるので、風によって花粉は運ばれることはありません。イヌビワコバチという限られたハチ一種にたよって花粉が運ばれるのです。

■イヌビワコバチの動き
 おす株の花のうの中で育ったイヌビワコバチのおすはめすと交尾します。おすはすぐ死んでしまいますが、羽をつけためすはゆるくなった口から出て行きます。出るときに入り口付近にあるおしべの花粉を体につけます。
  • おす株につく花のう・・・赤っぽくやや長だ円形をしています。


[右上・下:イヌビワのオス、1982.8.23.]

  • 内部
[下・左、1982.8.23.]

イヌビワコバチが花のう内で産卵
[右:産卵、出典:多田多恵子 
「したたかな植物たち」、株式会社SCC から。]

[下右:イヌビワのめす、コバチ、1982.8.23.]


[花のう内のイヌビワコバチ、2003.1.19.]

(1)めす株(種子株)にでくわすと......
  • 頂上部のりん片のある口から中へ入ります。
     
  • 花のう内では花粉をつけてまわるだけで産卵はできません。
     
  • めばなの柱頭が長いので、イヌビワコバチの産卵管の方が短く届かないからです。卵を産みつけられないまま死んでしまいますが、花には花粉をつけてまわります。
     
  • 花は受精し、種子をつけます。

種子のある果のうの内部




(2)イヌビワコバチがおす株にでくわすと......
  • 花のう内に入ったイヌビワコバチは卵を産みつけます。
     
  • 産みつけられたものは虫こぶになります。
     
  • 幼虫はそこで栄養分をとり、育ってふ化してきます。
     
  • オスは交尾をすると死んでしまいますが、メスのイヌビワコバチは飛び出していきます。そして次々と子孫は続きます。
     
  • 冬越しはおばなの花のうでします。

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